第7話

 もう1人の自分に核心を突く言葉を言われて倒れた私はゆっくりと起き上がった。

 ふぅ……そう……その通りよ……私はリーシャが大好きで大好きで大好きで……(以下略)仕方ないどうしようもないシスコンよ……はぁ〜……コレを読んでる人にはバレないようにしていたのに……


『いや、もう第2話あたりから読者気づいてると思うわよ』


えっ!?嘘!?そんな訳ないわ!?バレないようにちゃんと言葉を選んだわよ!!


『いや、色々漏れてたから……リーシャへの若干変態的な愛情が……』


ぐはほあぁ!!?


『あっ、また倒れた』


し……仕方ないでしょ……あんな可愛い可愛い可愛い……(以下略)妹が出来たら誰だって可愛いと思うのが普通でしょう!!!


『急に起き上がって開き直らないでよ。まぁ、気持ちはよく分かるけど』


私だって……!私だって……!!リーシャを愛でられるものなら愛でたいに決まってるでしょうがぁ!!!!


『だから、愛でたらいいじゃない』


はぁ!?私のくせに何を言ってるのよ!?そんな事出来る訳が……


『出来るでしょ。なんせ今時間が巻き戻ってるのよ。これはシスコンの神様が私にくれたチャンスなのよ』


いや……シスコンの神様って何よ……


『細かい事は気にしないの。とにかく、せっかく時が巻き戻ってるんだから、今からでもリーシャを愛でるチャンスよ!これからリーシャと姉妹仲良くイチャイチャライフを過ごすのよ!!』


ゴクリ……姉妹仲良くイチャイチャ……素敵な言葉だけど、リーシャを守るにはやっぱり……


『リーシャを厳しく教育するしかないって?でも、考えてみなさい。貴方は今の時点で誰よりも強い魔力量と魔法を持ってるのよ。ここから先更に研鑽を積めば更に魔力量だって上げられるでしょ』


た……確かに……魔力量と魔法は研鑽を積めば更に上げる事が出来るわ……人によって限界要領はもちろんあるのだけど、私とリーシャは前に誰かに限界要領の底が見えないって言われたのよね……誰に言われたのかは全く思い出せないけど……けど、それがなんだって言うの?


『つまり!私が研鑽を積めばファンルシア王国で1番の魔法使いにもなれる!それぐらい力があれば!リーシャにあだなす奴らは根こそぎ氷漬けに出来るし!嫉妬の魔神すら氷漬けにしてやれるはずよ!』


ッ!?そうか!?私が強くなれば妹は私1人で守れば問題ないんだから、妹を厳しく教育する必要がない……つまり……私もリーシャを存分に愛でて問題ないのね!なるほど!私!天才か!?


『ふふん!』


けど……リーシャを愛でるって言ってもどうすればいいのかしら?私……リーシャも含めて他の人達にも似たような対応していたし……動物は好きだったけど、この顔のせいかあまり懐かれなかったから……愛でる方法を知らないのよ……


『それは……』


それは……?


『知らないわ!!!!』


って!?知らないの!?私!?


『いや……知る訳ないでしょ……さっきも言ったけど私は貴方なんだから、貴方が知らない事を私が知ってる訳ないでしょ……』


うぐっ……!?言われたらその通りなんだけど……


『ここは……仕方ないわね……聞く時はいっときの恥聞かぬは一生の恥よ……』


えっ?何?その格言みたいなの?


『なんかよく分からないけどパッと出てきたのよ。なんとなくだけど、聞かないまま一生恥でいるより、聞いて一時だけ恥かいた方がいいって感じだと思うわ』


それは……つまり…………















「お父様!!お母様!!マーガレット!!私にリーシャを愛でる方法をどうかご教授くださいませ!!!!」


『はい???』


お父様とお母様と私の専属メイドのマーガレットにリーシャを愛でる方法を伝授してもらう為、私は床に額を擦り付ける勢いで頭を下げたのだった。

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氷の女帝と呼ばれた侯爵令嬢は妹を甘やかしたい 風間 シンヤ @kazamasinya

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