第19話 異世界 ラノベ作家
「はぁ~、まったくアクアはともかくメッシュさんとやら、ただでさえ俺たちは王国の人間に狙われてるのになんであんなにも目立つことをするのかな」
「なるほど、黒幕が王国ということは、もしや国王は魔王の手先・・・・魔王も恐れる存在、やはり私には勇者の素質があるということか」
「ま、まぁどちらにせよ、2人ともレイルさんに感謝するんだぞ」
「改めてお礼を述べさせてください、ありがとうございます、まさか帝国一の女性剣士レイル殿にお会いできるとは、是非私と一緒に魔王討伐のパー・・・」
「おっと、メッシュさん、悪いがその話は後にしてくれ」
「うむ」
ラプンツェル領の領主の屋敷を訪問したシロ達は無事レイルと会うことができ、ひまりの絵も好きなところに飾って良いと許可を得たその矢先に、殺人事件が起きアクア達が拘束されているとの知らせが飛び込んできていた、幸いレイルさんが身の保証をしてくれ事なきを得る
「そういえばゼロの姿が見えないが・・・」
「うむ、兄上がゼロの事を大層気に入ってな・・・、というより初めて自分より強い相手に出会ったからムキになっていると言うか・・・」
「レイル殿の兄上と言えば帝国一の剣士ラセル殿ではないですか、それより強いゼロ殿とはどんな御仁なのだ、是非我がパー・・・・」
「メッシュは弱すぎだから少し鍛えてもらった方が良いのではないかニャ」
「ふ、そうだな、勇者としてはやはり剣士の師は帝国一が相応しいだろうしな」
「なんとなく上から目線だニャ」
「ごほん、とりあえずその話は置いといて、王国から刺客が入り込んでいるのは厄介だな」
「うん、それに関しては頭が痛い、通行許可が居るとはいえ商人は出入り自由だからな、ゼロに加えシロ殿にメッシュ殿の3人、いや他にも居る可能性も否定できないしな」
「王国に住み着く魔王とやらも、もしかすると我々と同じ外部から来た者と想像できるぞ」
「なるほど、メッシュのその意見も否定はできないな」
「ふん、勇者としての感だ」
「シロ殿らの様に仲間と思わず排除する・・・魔王じゃないとしても思考が歪んでそうだな」
トントン
「はい、どうぞ」
「失礼する」
「おお、ゼロじゃないか」
「おお、シロ、久しぶりだね」
ゼロの後ろから背の高い金髪の美男子の姿が
「兄者も一緒か」
「貴殿がシロ殿か、ゼロから噂は聞いておる、機会があれば一度手合わせをお願いしたいものだな」
シロはゼロの耳元でささやく
「おい、俺の噂ってなんだ?」
「ん、僕をここまで強くしてくれた恩人とだけ言ってあるけど」
「なんかその言い方だと盛大に誤解してないか?」
「かもしれないね、でも、僕を倒せたら口を聞いてあげると言ってあるし大丈夫じゃないかな」
「なんだか嫌なフラグが立ったような気がするんだけど」
「ははは、シロは心配性だね」
「ところでレイル、玄関に絵が飾ってあったが?」
「ああ、あれはシロ殿と一緒に旅をしているひまり殿が描いた絵なのだが」
「いや、実に素晴らしい、この世界に無い芸術、例の薄い本となにか関係があるのかなと思ってたんだが」
「レイルさん、薄い本ってなんだ?」
「ああ、実は兵士たちの間で流行っている本があってな、ちょっと待ってくれ、たしかここにも・・・・あったこれだ」
「ちょっと拝見しても?」
「ああ、どうぞ」
メッシュとアクアも興味があるのか本を覗きにくる
「おお、これは・・・び、BL系ではないか、この世界にこのような本があるとは・・・」
「なかなか濃い内容だニャ」
「この内容・・・確定だな、ゼロも気が付いていたのか?」
「ああ、シロの予想で間違いないと思うよ」
「4人目か、んー、アクア!、リトリー達を呼んで来てくれるか?」
「はいニャよ」
部屋を出ていくアクア
「それにしてもこの内容が兵士たちにウケているって、良いのかよ?」
「苦労を共にした者同士、友情を超えた愛が芽生える、悪い話でもないように思うがなにか問題でも?」
「いや、レイルさん達が良いのならそれでいいのだが」
「うむ、なにより兄者がこの本を気に入ってな」
「それについては俺から内容を語らせて欲しい」
「いや、遠慮しとく、イケメン顔で爽やかに語られてもちょっと困るな・・・」
「そ、そうか残念だな」
トントン
「どうぞ?」
「ん、リトリー達か?」
「失礼致します、ラセル様・・・」
「うん、うん、なるほど・・・そうか・・・わかった、ありがとう」
「兄者?なにかあったのか?」
「本の作者が見つかった」
「仕事が早いな、早速保護しないと、場所はどこだ?」
「場所は病院だ、どうも意識が無く眠ったままらしい」
「ならぐずぐずしてられないな、ゼロとメッシュさん達はここで居てくれ」
「わかった」
トントン
「リトリー様達を連れてきたニャよ」
「呼び出したばかりですまない、急用ができた、ひまり達は留守番を頼むレイルさんから詳細は聞いてくれ、リトリーは一緒に行くか?」
「はい」
「ラセルさん案内を頼む」
「任せてくれ」
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