第14話 デスナイト&デススライムの誕生
「人の声がすると思えば、なんだのこの辛気臭い場所は?」
「兄貴、あれ、上物ですぜ」
「おお。こんな場所でかわい子ちゃんに会えるとは、俺たちも運がいいぜ」
「ん、なんだあれ。骨が宙に浮いているぞ」
「人形かなにかだろう」
「5人か、これで全員のようだな・・・、君たちは何ゆえに人の敷地に土足で踏みあがろうとする?」
「ほ、骨がしゃべりやがった、びっくりさせんじゃねよ」
「俺たちはあっちから来た盗賊よ」
盗賊は親指で王国の方を示した
「ひまり、オウロが入り口に居たはずだがどうしたんだ?」
「トイレに行ってるみたい」
「タイミング悪いな、まぁ生理現象じゃあしょうがないか、オウロが戻るまで時間稼ぎといこうか」
「おとなしくそっちの姉ちゃんたちを差し出せば、命だけは助けてやろう」
「やれやれ、困ったものだな、どこの世界にも屑が存在していると言うことだな」
「なんだと、このやろう、腹話術かなにかわからねぇが、この骨の人形を介さないと満足に会話もできない弱虫やろうのくせに生意気な口効くじゃねぇか」
盗賊はシロを指さす
「え?俺が悪いの?」
「お前意外に誰が居る!」
「屑は屑らしく、おとなしく命を差し出せ、そうすれば慈悲として苦痛なき死を与えてやろう」
「上等じゃねぇか、おいお前ら男の方は殺しちまえ」
「おいおい、煽るから俺が狙われる羽目になったじゃないか」
アンズがシロ達を庇うように前に出る
「ただの骨が!蹴散らしてくれる」
屈強な男が剣を片手にアンズに切りかかったが・・・
「な、なにをしやがった、トリックか?」
「ふむ、どうやらパッシブスキルが発動したようだな」
切りかかった盗賊の剣はアンズの骨に傷をつけることができず、逆に手が痺れる
「ひまりがスケルトン化させるとそんな能力が付くのか?」
「パッシブスキル?・・・・、と云う言葉はよくわからないけど、この世界の武器より強度は高いとは思うけど・・・試したことないから、たぶんよ、たぶん」
「どうやら君たち程度の攻撃では私に傷一つ付けることはできないようだな」
「なにやってんだよ、ただの骨に、骨を砕くときってのはこうやるんだよ」
頭らしき男が鉄のハンマーをアンズに振り下ろした・・・が、アンズには効いてる風ではない
「すまないな、どうやら鈍器による耐性も獲得しているようだ」
「こ、こいつはどうなってやがるんだ」
「頭、どうします?」
「つまりあのやり取りは・・・」
「そ、そうみたいね、相手の方はその言葉をすっかり信じちゃってるみたいね」
自分たちの攻撃が効かないとなると、迂闊に手出しはしてこないだろう
時間稼ぎとしては成功か
「おい、松明があっただろう、火をつけろ、は、はやくしろよ」
「へ、へい」
「おいおい、流石に骨に火はまずいだろう」
「う、うん、そうね、燃えちゃうかも・・・」
その時ひまりがシロの服を引っ張る
「ねぇねぇ、シロひまりも遊んでいい?」
「こんな時だけどしょうがないな、アンズのピンチだ、今回は特別許す」
「わぁい、やったー」
「そういえば、ひまりの身長って縮んでないか?」
「ひまりは神格化された存在でもあるの、たぶんだけど、ゼロやアンズのひまりに対する思いがすごく影響してるんだと思う」
「なるほど、たぶんねぇ」
「ほら私の持っている説明書に書いてあったから」
リトリーはうさぎのポーチから説明書を取り出しシロに見せる
「なんかそのポーズかわいいな・・・・って、なるほど、そういう設定なのか」
「そ、そうなの、そういう設定」
「おい、なにやってるだ、早く火を付けろ」
「か、頭、火を付けようとしても、変な風が邪魔をして火がつかねぇんだ」
「変な風?そういや、やけに背筋が凍るような寒さにちょっと鳥肌が立ってきたな・・・」
ひまりが盗賊たちに近づいていく
「おいおい、お嬢ちゃん俺たちはロリにはあんまし興味がねぇんだよ、おこちゃまはあっちに行ってな」
「ひまりね、おじさん達と遊びたいの」
ひまりの無邪気瞳の奥に潜む邪悪な光が盗賊たちの心の奥底を恐怖で支配し動けなくした
「お、おい、どうしたんだ、変だな体が言うこといかねぇ」
「か、かしら、足が、震えてますぜ」
「お、おかしいな、こんなロリ相手になんでブルってんだ」
「ひまりの事、何度もロリって言った・・・、お礼におじさん達においしい、おいしい飴玉を、あげるからお口をあーんしてね♡」
恐怖で動かない盗賊たちだがひまりの言葉に逆らえず口を大きく開けて差し出す、1人1人の口にひまりは飴を入れていった
「な、なにを喰わせやがる」
「みんなひまりの飴玉を欲しがるの、だから今回はシロの許可も出たから特別に食べさせてあげたの」
「それでね、1つはデスナイトでしょ、こっちもデスナイトで、もう1つおまけにデスナイト!、さらにもう1つもデスナイト、あれれ、最後のは忘れちゃった、えへへ♡」
「く、くそ、お前ら吐き出せ!」
「もう遅いよ♡」
苦しみだす盗賊たちが悲鳴をあげながら目が赤く染まり次々とデスナイトへと変貌していく
その光景を目の当たりにしたアンズは感心している
「見た目はゾンビナイトと云ったところか、ひまり殿の能力はすごいな、できれば自分も名前の響き的にデスナイトの方がよかったのだが・・・」
「ひまりのね、スケルトンは特別なんだから、安心していいよ♡」
「は、はい、すべてにおいて従います」
ひまりの後ろで大人しく返事をしているアンズ
「アンズの奴、ひまりには抵抗できないようだな」
「一応はアンズの創造主だからね、抵抗は出来ないと思う」
「なるほど、まぁ、骨だからよくわからないけど、本人もすげぇ喜んでるようだし、良しとしようか」
「こうやって見ると、なんだか微笑ましい光景に見えるから不思議」
「死して尚ひまりに仕える忠義の剣士達とそのご先祖様ってところかな」
「ここから新たなる不死王と少女の物語が始まる!」
「お、それいいね」
「うん」
リトリーは手を後ろに組みながらシロに笑みを浮かべた
この場にいるアンデット達が浄化されそうなほどの、まさに天使の微笑み!
シロの顔は赤くなっていた
「さ、さてと、左目の光と数字も消えたことだし、もう用はなさそうだな、レトリー、帰るとしようか」
「うん」
ひまりの前にアンズを筆頭に跪く4体のデスナイトとデススライム
ひまりの命によりデススライムとデスナイト達はアンズの支配下に入る
アンズはこれからデスナイトを使いここに地下大墳墓を作ると同時に王国まで地下を掘っていく予定らしい
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