第9話 ひまりの薬
ひまりの薬で怪我が回復していく
「ふぅ、助かった~」
「本来なら私が回復するんだけど・・・・」
「リトリー、気にしない、気にしない、自分に足りない部分はこうやって周りがカバーするから大丈夫b」
「私がシロやみんなの事を守らないといけないのに、月の力が使えないおかげで助けられてばかりで・・・・」
「大丈夫だって、リトリーのシールドのおかげでこうやって羊たちも無事なんだし、俺の怪我もこうやってひまりが直してくれたし、リトリーが気を追うことは1つもないよ」
「そ、そうかな・・・」
「な、みんなもそう思うだろ」
「うん、怪我しても私がシロの傷を治すし、もし死んでもゾンビ化の薬もあるし・・・」
「ひまりさん、なんか、さらっと怖い事言ってませんか・・・」
「大丈夫だニャ、こういう男は殺そうと思ってもなかなか死なないニャよ」
「アクアは逃げ足だけは速そうだけどな」
「ニャにを~」
「ふん、やるか~」
「二人ともそれくらいにして・・・、ありがとうシロ、少し気持ちが軽くなった」
「ん、そうか、それならよかった」
「ふわぁ~、それにしても疲れた~、羊さんたちのふわふわして毛に埋もれて眠りたい・・・」
「ああ、ゆっくり休んでくれ」
リトリーは羊に抱き付きモフモフしていた
相当疲れたのだろう、どういう原理でシールドが発動したのかは分からない、MPなんてものが存在しているのかも不明な現状ではそれを図る事すらできない
とりあえず寝ることで回復するのかなと考える
「さてっと」
「ところで、ひまりこの狼は・・・?」
「ご、ごめんなさい、人に使っちゃダメだっていったから・・・」
「あの薬か、人には使ってないってことは、犬かなにかに使ったのか?」
静かにうなずくひまり
その光景に心配したのか大きな狼はひまりに身を寄せていた
「そ、そのリトリー様が危ないから・・・早く行かないとと思って・・・」
「そうか、そうか、ひまりなりに俺たちの事を思って行動してくれたんだな、ありがとなb」
シロはひまりの頭を軽く撫でた
勝手に村の子犬を魔物に変えた事で、怒られるかと思っていひまりはその言葉に喜んだ
「あとの事は任せろ、俺が全責任を負うからな」
「この子ね、オウロって言うんだって」
オウロはそんなひまりの頬を舐めている
「オウロ、くすぐったいよ」
「シロ様~、リトリー様~」
遠くからセワスの声がするので振り向いてみると
2mくらいある大きな鳥の背にまたがるセワスの姿が
「ひまり・・・さん、もしかしてあの鳥にも使ったの?」
「うん!」
元気いっぱいに返す返事のひまりに悪意は無い
「ご無事でなによりでございます」
そこにはメイド服では無く執事らしい恰好をしたセワスと村長の姿があった
「村長の御好意により服をいただきまして、この姿にて失礼を致します」
「そうだったのか、村長、服のお礼とは別に謝らなくてはならない、おたくの村の貴重な犬と鳥の姿を変えちまって、申し訳ない」
「めそうもございません、村人の命、村の財産である羊をお守りいただいた恩人にこの程度こと、どうかお気になさらずに」
「それになかなか良い乗り心地でした、もしお邪魔じゃなければこの鳥は村の財産として飼いたいのですが、当然、タダとは申しません、いくらかお支払いをさせていただきます」
「おお、それはありがたい、是非お願いします」
「あと、もう1つお願いしたいことがあるんだけど」
「私にできる事ならなんなりと」
シロは村長に羊の枕を頼んだ
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