第5話 Vチュー〇ー レトリー?

おいおい、これは一体どういう事だ

俺が最も大好きなバーチャルチューバーのレトリーと同じ姿じゃないか


たしか年齢設定は17歳、身長は160cmとあったけど、そうみても耳込みの大きさだよな、実際には140cm代ってところなのだろうか、実際に見るとかなり小柄だな、ツインテールにうさ耳を付けた銀髪の美少女、衣装は主に軍服メイド服、ウサギのポーチやウサギのバンドなどウサギ系の小道具を身に着けているとこまでそっくりだ、特にレトリーの衣装で好きなのが白と薄い紫の柄の入った軍服メイド服、俺の一押しでもあり一番のお気に入りだ


「お初にお目にかかります、シロ様、リトリーと申します」


名前は微妙に違うが、この超絶タイプの美少女の姿に、声までレトリーとは・・・

これは本気でヤバイ、ヤバイぞ

ゲームのガチャでいう所の排出率0.00000001%のゲーム上最強のSSRキャラを手に入れてしまった・・・・いやいやそんなレベルですら小さく感じてしまいそうな

、もう何もかもが吹っ飛んでしまいそうなくらい、今の今まで生きてきた人生の中で最高の瞬間を今味わっている

こっちの世界でなにも良いことが無くただただ時を虚しく過ごしていただけの俺の時間を全て取り戻した気分だ

いや、もうリトリーと一緒に過ごせるなら、すべてがどうでもイイかもしれない、彼女の為に生きる、それもいいかもしれないな・・・

これは神様が死ぬ間際になんで望みを叶えようといったあれ、そうだ、きっとそういうイベントなんだ

こりゃ、向こうの世界へ帰りたくなくなるかもしれないな・・・


それにしても、まさかあのどす黒いドロリとした物は俺の煩悩の塊で、あの謎の生物が依り代となって吸収し変化したってことか

まぁよくわからんが結果OKだ


膝まづく姿にチラリと見える内ももが視界に入る

そ、その先にある、お、おおパン〇ィがも、もう少しで・・・

あ、こりゃいかん・・・・血圧が・・・・

余りにも興奮しすぎで血圧が急上昇し脳の血管が耐え切れず鼻血を出してシロはその場で卒倒してしまった・・・


・・・どのくらい気を失っていたのだろうか

ああー、それにしてもこの耳や頬から伝わってくる極上の柔らかさと温もり、恐らくこの先何回人生をやり直したとしても、これ以上の柔らかくもちもちした感触の気持ちよさを味わう事は無いと確信できる

それにいい香り、レトリーを応援していた時には匂いなんて想像の世界でしかなかったが、自分が今まで体験してきた極上の香りをすべてミックスさせ理想的な匂いに仕上げてきた、これは煩悩の勝利だ・・・

この世の支配者に与えられた唯一のご褒美、膝枕!

もう死ぬまでずっとこうしていた・・・・


「シロ様お気づきになりましたか?」

「ああ、レトリー・・・じゃないリトリー、ありがとう、それにシロでいいよ、その方が親しみやすいし、敬語も使わなくていい」

「わ、わかった、じゃあシロってお呼ぶね」


今更ながら親はどうしてこの名前にしたのだろうか、名前を呼ばれる度にやはり犬感が出てしまう・・・・

親・・・そういや俺に親はいなかったな・・・

顔も見たことも無い親に名付けられた名前を大切にする意味なんかも、もうないかもしれないな・・・


「どうかした?まだどこか具合が悪いの?」

「ん、い、いや少し物思いに耽っていただけだけだから、気にしいなくていいよ」

「よかった」

え、笑顔が眩しすぎて死んでしまいそうだ・・・

また、倒れそうになったところをなんとか持ちこたえた

この状態でまた膝枕をされると、本当に死んでしまいそうな気がした

向こうの世界じゃ、確実に興奮しすぎて死んでいた自信はあるな・・・

ただこのままずっと見つめられるまともに居られる自信がない・・・な


「リトリーは、もしかして、ずっと命令されるのを待っている?」

「はい」


うーん、これはイカン、イカンぞ、レトリーの性格、最も彼女の良いところを服従によって失われてしまうのではないか・・・

命令を待つ子犬の様な表情もかわいいのだが、やはりここは彼女を自由にしてやるべきだ


「じゃあ、とりあず俺に気を使わなくていいし、自由にしゃべってほしい、リトリーの心の声が聞きたいし、君には君自身としてこの世界で生きて欲しい」


リトリーはしばらく困ったような顔をしながら考えていた


「うん、わかった、急にそういうことを言われても難しいかもしれないけど、がんばてみる」

「まぁ、その辺りはゆっくりでいいからな」

「シロがその方がいいって言うなら・・・そうする・・・けど・・・」

「そのオドオドした言い方もすごくいい・・・・」


やっぱこのまま死んでもいい、本気でそう思えてきた

まぁ・・・とりあえずサクラとの約束もあるし、まさかこれから先ずっとリトリーとここで引き籠って生活する訳にもいかないだろうし、俺がしっかりして前に向いて動いて行かないといけないな


「それにしてもこれからどうしよっかな、まさかこのまま野原で過ごす訳にもいかないだろうし、とりあえず近くの村まで戻る方がよいか・・・歩いて戻るしかないか・・・」

「良い方法があるんだけど」


リトリーはうさぎのポーチから動物の形をした人形を取り出し岩の上に並べる


「リトリー、それは?」

「月の魔獣よ」

「おお、なになにそういう魔法が使えちゃうわけ?」


「我がリトリーの名において!月の魔力によって受肉せよ!ルナルメリア!」

リトリーの声も虚しく、一陣の風が吹き抜ける

「ルナルメリア!ルナルメリア!」

「リトリーさん・・・もしかするとなんだけど・・・・、この世界って月は無いのかも・・・」

リトリーの目がウルウルしてくるのが分かった、涙を拭きながらそっと人形をポーチにしまう

「ごめん、シロ、期待に答えられなく・・・」

「いいって事よ、その内なんとかなるさ」

「んんんんんんんん、だぁぁぁぁあああ」

「うわ、なんだ」

「こんなことで落ち込むリトリー様じゃないぃ!!!!!!!、シロこの指輪を見て?いくつある?」

「4つ?」

「そうだ、4つなのだ、この指輪には従者が封印されておる、こやつらなら月の魔力に影響されずに使えるはず」

「おおー、すげー」

「・・・・」

「うーん、リトリー・・・?」

「ああああああぁぁぁぁ、使い方が分からない、説明書、説明書」


ポーチの中をガサガサ探しているリトリー


「そのポーチはなんでも収納できる異次元ポーチなのか?」

「うぅぅぅぅぅ、あったーー!!!!!!」

「え?説明書なんてあるのかよ」

「なになに、ふんふん、指輪には名前(セワス)が書かれていて」

「セバス!執事の鉄板的名前だな」

「小さなボタンを押して、はい、ポチッとな、そんで5秒以内に投げて離れてください、でないと爆発します」

「爆発!、リトリーそれを今すぐ投げろ」

「うきゃー、怖いー」

「にげろー」

シロはリトリーを抱え岩陰に隠れた

ドカーンと大きな音が響き渡る

「おいおい、結構な爆発だな、手榴弾くらいかと思ったら、ちょっとした兵器並みだな」

爆発の粉塵からセワスらしき大柄な人物の影がこちらへ歩いてくるのが見えた


「おおー、これはまるで戦争映画のラストシーン、でも少々派手すぎないかな、自分達より目立ってるし」


粉塵が散ると同時にセワスがその姿を現した


「え?そこメイド服なの?」

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