番外編

プロローグ(カクヨム限定)

やあ、私は辻本かな。

みんなから愛されるとっても可愛いアイドルなんだよ。


例えば強敵と遭遇したとき、

「キャー助けてーお兄さんたちー」

と叫ぶと、

「今すぐ行くね、かなちゃん」

「待ってろ必ずかなちゃんは俺が守ってやるぜ」

「かなちゃんを守るために俺は生きているんだ」

「かなちゃん~」

こんな風にすぐにお兄さんたち(下僕共)がすぐにやってくる。

そして、お兄さんたちが倒してくれたら、お兄さんたちにお礼の愛の結晶かいふくまほうをあげるの、そしたらお兄さんたち調子に乗っちゃって、経験値瓶やお金などわんさかくれるわけ、そして、ありがとうと言ってその貰ったお金などを全部武器の強化などに使うわけ、ここまではまだ普通でしょ。


「うん、確かにやり方は汚いけどまだ大丈夫な範囲だね」


私達は三人でお茶会をしていた。

そして、今は私の下僕の話をしている最中だった。

他の二人はその話を苦笑いしながら聞いている。


「何よ汚いって、これくらいのことならまだ清い方だよ、私の汚い話はここからだっての」


「おい、かな、何でお前は自分の汚い話をしているのだ」


「そんなの決まってるじゃん、あんたたちが全然男を使おうとせずに一人でポンポン倒して、少ない金と経験値瓶を手に入れ続けているからよ」


「いや、それが普通でしょ。このゲームは女の子が少ないからそうそう一緒に戦える子いないし」


「いや、女の子が少ないからこそ、その存在を生かして男を寄せ集めて戦力にするんでしょ、分かってないなー」


その呆れた発言を聞いた、櫻木まいはため息をついた。


「かなー、男を寄せ集めとか言ってるけどさ、正直ギルドの男たちでよくね、結構あの人ら強いし」


それを聞いたかなはテーブルをバンと叩いた。


「何言ってんの、あいつら来るの遅いじゃん。助けを呼んで来るまでの時間10分以上だからね」


「それくらいの時間は持ちこたえれるだろ、まさかかな、自分のレベルよりも何倍もの難しいステージ選んでるんじゃないんでしょうね」


「べ、別に選んでないよ」


「うん分かった、選んでるんだな」


まいはニッコリしながら答えた。


かなはしどろもどろになった。


「いや、それよりも男を使うという方がおかしいんだよ、かな。男はものじゃないんだから」


「何言ってんの神楽、男はものだよ」


辺りは滞った。


神楽もまいも苦笑いした。


「よし、分かった。かな、一回頭冷やしてこい!」 


「そうね、今日のお茶会はこれで終わりかしら、次そのようなことを言ったら潰す!」


「ひー!」


そう言って二人は出て行った。

俺は一人席についていた。

そして、店員にキンキンに冷えたビールを瓶で頼んだ。





「はぁー、実に女心は分からないぜ」


僕、辻本慶つじもとけいはそう言ってログアウトした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ゲームで女として生きても別にいいじゃないですか 凛陰 @ecoosme829

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ