第6話 妹が家に来たって別にいいじゃないですか

ピンポーン


僕はインターホンと共に目を覚める。

僕はすぐに起きて、服に着替え、目くそを手でこするように取って、扉を開ける。


すると目の前には制服を着た僕の妹がいた。


僕の妹は、僕が小学5年生のとき、母さんと一緒にその場から姿を消した。

それから月日が経ち中学2年生のとき。

突然、妹が家に来た。

てっきりお母さんのことについて話に来たのかなと思ったら、そうではなく、一緒に陣取りゲームをしただけだった。

そして、妹にお母さんのことを聞くと、すぐに別の話題に変えられた。


そして、今。僕の妹である辻本雛実つじもとひなみは、再び僕の家にやってきた。


「お兄ちゃん、おーす」

妹は、僕のゲームのキャラとは違い、落ち着いてて、髪も黒色のショートカットだ。ちなみに胸は貧乳じゃない(巨乳でもない)。

ちなみに僕は茶髪の痩せた引きこもりだ。


「お、おっす。何だよいきなり」

久しぶりの妹に僕は緊張していた。

ちなみに僕が18歳(高卒)に対して妹は15歳の高1だ。高校は制服で分かったが、僕と一緒の高校だ。


「ん、」

妹が僕の下半身を指さす。

妹は僕の突起物が飛び出ていることに疑問をもったようだ。


「しょうがねえだろ、男はみんな朝は勃ってんだよ」


「いや、そうじゃなくてズボンのチャックが」

妹が指をさしたのはズボンのチャックの方だった。

僕は恥ずかしながらズボンのチャックを閉めた。

そして、僕の脳内では、恥ずかしいという言葉で埋め尽くされていた。


「で、結局何しにきたんだよ」


「ゲーム」

妹が小声で言った。


「ゲームて言われても僕は一人用ゲームしか持ってないぞ」

まあ、そや今まで一人で過ごしてきたからな。

陣取りゲームのときはゲーム機が二つ、もとからついてるやつを買っていたから良かったけど今はもうサービス終了しているし。


「大丈夫だ兄ちゃん、PCくらいならちゃんと持ってきている」


「ナイス、それなら出来るな」

僕はパチンと指を鳴らす。


「そういえばお兄ちゃんのやっているゲームてなんなの?」


「ソーシャルタウンエキスポ」


「あー、シャルエキか」

妹は知っているかのようにゲームの訳称で言った。


「そのゲームやってるのか?」


「いや、今日やる予定、もうすぐでお兄ちゃんの家に届くと思うよ」


「そっか、とりあえず外で話すのもあれだし中で話そっか」


「うん、そうする」

妹が頷く。

僕と妹は家の中に入る。

そして、リビングのテーブルに座った。


「この椅子に座るの何年ぶりだろ」


「4年くらい前なんじゃねえか?それよりも何で僕の住所知ってんだよ」


「4年前こっそりメモっといた」


「こいつめー」


妹がリビングの辺りを見渡す。

「結構片づいてるんだね」


「そや、暇だからな。片づけるくらいの時間はあるさ」

僕は少し自慢気に言う。


「ふーん」


ピンポーン


インターホンが鳴る。


「宅配でーす」

外から男の人の声が聞こえた。


妹がはんこを持って玄関の扉を開ける。

「はーい」


「では、こちらにサインかはんこをお願いしますね」

妹がはんこを押す。


「ありがとうございました」

宅配が帽子を取りお辞儀をする。

そして、トラックに乗っていってしまった。

妹は家の鍵を閉めてリビングへとやってきた。


「お兄ちゃん届いたよ」


「おおーじゃあ今すぐやろう」

妹がゲームをPCに入れて起動する。

すると、いつものようにゲーマスが現れた。

「さあ、新たなる冒険者よ、ここに性別と名前を書いてくれ」

ゲーマスが紙を渡す。

それをすぐに妹は入力した。

しかし、その入力している内容に関しては、決して見せることは無かった。   


妹のゲームをロードしている間に、僕たちは、僕のゲームで遊ぶことにした。

もちろん一方的に僕がプレイしてそれを妹が見るだけなんだけどね?


僕はパソコンを開き、早速ゲームスタートを押した。

すると、まず不具合のお詫びというメッセージが来た。


冒険者、辻本かな様へ


先日はゲーマスに不具合が生じ、チュートリアルのときに変なことを吹き込まれたり、鼻血をだすなどの極めて失礼なことをしましたので、今回はそのお詫びとして、ガチャ10連続券をお渡しします。

これからも引き続き、シャルエキをお楽しみ下さい。


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