第3話

「あの子また、気味の悪い変わり者のとこに行ってるのね。」

母親達は口を尖らせる。


「もう早く何処かに行ってくれないかしら...」

それでも少年たちは何故か、そこがその男が好きだった。


「おーいM男!生きてるか?」

いつも居るはずの住家には居なかった。河川敷をぶらぶらと探していると川辺に座っていた。


「よぉM男~、そんなとこで何してんだ?」


「あー、もにょ...もにょ...」

なにやら犬と遊んでいた、よたよたしたM男に似た老犬と。

そして少年達は一緒になって夕暮れまで遊んでいた。M男も老犬も楽しそうに...


「あの変わり者と一緒にいた犬とうとう死んだらしいわよ」

「どうだかあの男狂ってるし...」

「もう本当に嫌だわ、気味が悪いし怖いわよね」


少年達はM男が川の傍に穴を掘ってそこに老犬を寝かせた後黙りこんで涙を流しながら土を掛けていたのを知っていた。


もうすぐ河川敷の一斉清掃が始まる事を知ったD君は急いでM男のとこへ行きその事を伝え、


「M男!早くここを離れて街へ行け!!」

M男はただただ黙り込んでいた。そして、その日からM男の姿を二度と見ることは無かった...。



変わり者だから嫌だったのか?それとも自由で幸せそうに見えたから嫌だったのか?親たちの考えはよくわからないが、そんなことを思い出しバーデンダーに最後のショットスコッチを飲み干したDは、家族が待つ家へと帰っていった。





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ホームレスと少年 @dededeiru

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