第2話異世界人って意外と冷たいのかも
「はー、はー、はー」
ようやく街が見えてきた。
けど、ま、まさか、門番が取り調べをしてるなんて!
俺はただでさえ異世界からきて身分を証明できるものなんてなのも待ってないのに、制服といういかにも場違いな恰好をしている。
このままじゃ絶対に街に入れてもらえない。
どうしよう。
そうだ!やっぱりばれないようにするには、街に入る行商人にかくまってもらうのがいいよな。
よし、次にこの道を通る行商人に絶対話しかけるぞ。
お、ちょうどいいところに来た。
「あ、あのー、すいません。」
っておーい、あれ?
なんで無視するんだ。聞こえなかったのか?
ま、まあ、気を取り直して次だ。
「あのー、すいません。」
お、おいまた無視かよ。
確かに俺の声は小っちゃかったかもしれないけど、なんか言ってるなー、くらいは分かるだろ。
あー、まじでむかつく。
もしかすると、この世界の人は他人に冷たいのかもしれないな。
うーん、困ったなー。
とりあえず次はできるだけ大声で言ってみるけど、それでもだめだったらほかの案を考えるしかないな。
よし、やっと来たか。今回は頑張って大きい声を出すぞ。
ふー、息を吸い込んで、
「あのー、すいません。」
お、今回は止まってくれた。
「なんだい?」
お、ラッキー。優しそうな見た目の老人だ。
「実はここに来る途中で持ち物を失くしてしまって、できれば僕を街まで連れて行ってくえませんか?」
「んー、兄ちゃん、金はあるのかい?」
「いや、金も失くしてしまいました。」
「はー、あのねー、兄ちゃん。どういう経緯があったか知らないが、金がないなら力にはなれないな。」
「あ、ですよねー。」
「おいおい、そんなに落ち込むなって、街に行きたいのなら一人で行けばいいだろ。」
「あの、街にはだれでも入れるんですか?」
「当たり前だろ。」
「そ、そうですよね。」
「うん、まあ頑張れよ。じゃあな兄ちゃん。」
「はい、ありがとうございました。」
ふー、まじで緊張した。
連れてってもらえなかったけど、いいことを聞けたな。
あの老人が嘘ついてるようには見えなかったし、とりあえず街まで行ってみよう。
やっぱり異世界と言ったら街から始まるようなもんだからな。
もともと低スペックな俺は異世界に行っても低スペックのままだった まむた @Dimol
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