第13詩 あした

幼い頃の傷痕は 簡単には失くならない

昨日までのあれこれは 月の彼方に消えていく

失われた過去は 未来へ辿り着くことは無く

希望と絶望の表裏ひょうりを抱いて

今 ここに立っている


空高く飛び立つ夢は 虚空こくうへ絶ち

碧雲へきうんが天を覆う頃 戻ると信じて


いつもと変わらぬ 何気無さ

ふと 心の穴を覗く

わだかまった黒いもや

いつしか咲く花の前触れか


見上げ 追い越し また追うように

明日の土を 踏み締めよう

きみと出会う その日々が

霧の中に埋もれぬように

白い翼は 全てを乗せて

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る