モネの日

「明日はモネの日です」

と先生が言った。

なにそれ?国会で決まったの?


翌日、目を覚ますと世界は大きな色の粒子でできていた。

空はうっとりするほど柔らかい光にあふれ、机もドアノブも暖かかった。

食事は味も素材もはっきりしなくていまいちだったけど、登校は圧巻だった。

車は一台もなく、道路の脇は田園、学校は淡いクリーム色のレンガ作りで、

蓮の葉が浮く池の真ん中にあった。

生徒たちは木でできたアーチ形の橋を渡る。

クラスの誰も彼も輪郭線がぼんやりしている。

授業内容も先生の言葉も不明瞭なのに、後で思い返すとなにやら分かった気になった。

窓から外を見ると、お花畑で小さな子供と母親が遊んでいる。

なごむなあ。

たまにはこんな日もいいもんだ。

日の傾きに合わせて、空は、世界はどんどん表情を変えていく。

どの瞬間も素晴らしかった。

その日最後の授業が終わると先生が言った。

「明日はギーガの日です」

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