第二章7話 ターダノは父に試される

「ターダノ、前魔王様に鍛えられてどのくらい強くなったのか、私に体感させてくれないか?」


「え、さっき戦ったばっかりで疲れてるんですけど・・・」


「まぁ、そう言うな!はは!俺もターダノがどれくらい強くなったのか知りたくて待ちきれないんだ!

ターちゃん、あ、ターグリフ、ターダノを癒してやってくれ」


「あらあら、あなたのそんなウキウキしてる顔を見るのは久しぶりだわ〜

はい、ターダノ、グアリシモルト〜」


ターダノは回復した。

むしろ回復しすぎてちょっとうっとりしていた。

ちなみに、そのうっとりとしたターダノの様子を見ていたタルビオはかなり引いている。

それはいいとして、ターダノはターグリフに感謝し、


「もう大丈夫!ありがとうお母さん。」


「いいのよ〜

じゃあ、そろそろ戦える場所に移動しましょうか〜」


ターグリフはそう言うと手を突き出し、その手から漆黒の球体を出し、その漆黒の球体は大きくなり、ダノンゾルデ、ターグリフ、ターダノ、タルビオ、タルマノを飲み込んだ。

そして、視界が一瞬にして開けたかと思うと、訓練場にいた。


(お母さん、流石だ。転移の魔法だったら前魔王様よりもお母さんの方が凄いかもしれないな)


そんなことを思いながら、ウキウキするダノンゾルデとともに訓練場に降り立ち、互いに距離を取った。


「ターダノ、お父さんに成長を見せてくれ。

神器も使っていいぞ。」


「え?いいの?」


「いいぞ!あ、安心していいぞ。俺は神器は使わないからな。」


「あー、良かった。お父さんと試合はしてもいいけど死合はまだしたくないから。」


「ははは!言うようになったなぁ、ターダノ!

じゃあ、そろそろ始めようか。」


そう言った瞬間、ダノンゾルデの周りの空気が変わる。

ターダノは以前は一瞬で気絶していたので気付けなかったが、気絶していたほうが良いと思えるようなとんでもない圧力を感じた。

しかし、今回のターダノはひと味違い、ターダノも鬼戦士化を使用する。

すると、ターダノの周りの空気感も変化した。


「あ・な・た〜、ターダノ〜」


突然後ろから母ターグリフの声が聞こえる。

そして、その声はとても怒っているような気がして、ターダノは振り向かざるをえなかった。

ターグリフはタルビオとタルマノを両腕で抱きしめながら、笑顔でこちらを見ている。

そして、発言した。


「私がいて圧力を消失させたから良かったけど・・・

あなた、タルビオとタルマノに圧をかけるなんて消されたいの〜?

ターダノ、あなたもよ〜」


「「すみませんっした!!!」」


ダノンゾルデもターダノもターグリフには逆らえなかった。

ただ、やるからには真剣にやりたいということから、それ以上はターグリフは言わなかった。」


「では、改めて、ターダノ、そろそろやるぞ」


「はい、お父さん。行きますよ!!」


遂にターダノとダノンゾルデ親子の試合が始まった。

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魔王四天王と勇者パーティーの両立は難しいのだろうか? ぞろたん @zororin

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