第一章 9話 羽の生えた綺麗なお姉さんに安心感
神器を選ぶための部屋に入ったというか飲み込まれたターダノは、出口が消えて無くなったので悲しい気持ちになった。
しかも、その部屋には神器を選ぶために入ったはずなのに、神器どころか本当に何もなかった。
「お父さんとお母さんは神器を選ぶためにこの部屋に入れって言ったけど、本当に何もないよ・・・またはめられたのかな〜」
本日父と母と魔王にはめられたばかりのターダノは、またもはめられた事にちょっと怒っていた。
「あー、もう!グレて寝てやる!」
そもそもグレるということは寝るような事には繋がらないのだが、それは置いておいて、たまたまだが、ターダノが寝ると夢の中に、以前転生する際に現れた超眩しい球体を持った羽が生えた綺麗なお姉さんが現れた。
そのお姉さんは、今度は知らない言語を発したと思ったら、ターダノの目の前に神々しいメリケン様の5つのチェーンが連なる指輪が現れた。
「あなたはどの神器を選びますか?」
綺麗な羽の生えたお姉さんはターダノに尋ねた。
しかし、ターダノはそもそも神器というものを見たことがなかったため、
「そもそも神器を見たことがないので、見せてもらってもいいですか?」
「わかりました。では、この中から神器を選んでください。」
綺麗な羽の生えたお姉さんが両手を広げると、僕の周りを一定間隔ごとに飛んでいる神器が回りだした。
「この中から好きな神器を選んでください」
「うーん・・・本当にいろんな神器があるなぁ・・・剣も捨てがたいし・・・大鎌なんてのもある・・・あっ、盾もあるんだ!」
そんなことを考えながら、2時間が経った。
「お姉さん!」
「ついに決まりましたか?」
「いえ、選べないので、3つに絞ってもらえませんか?いや、5つでもいいんですけど・・・」
「ふざけないでください〜!!」
「えっ!?」
「なんか、見た覚えがあると思ったんですよ!
あの転生させたいのになかなか起きてくれなかった人ですね!
まさか、同じく2時間も時間を取られるなんて、ほんとこの時間があったら何人も転生させることができるんですよ!」
「いや、あの・・・」
「もういいです!
私が勝手に神器を選ばせていただきます!
あなたが選んでるのを待っていたら、私のやるべきことが全くできません!
では、元の世界へ行ってらっしゃい!」
そういうと、ターダノの足元に大きな穴が空き、ターダノは落ちていくのであった。
「では、次の方〜」
「あぁ、やっぱりあの時の転生させてくれたお姉さんだった・・・」
ターダノは神器を選ぶ際にいたお姉さんが、以前転生時に会ったお姉さんと性格が違う気がしていたが、以前見たお姉さんの対応にデジャブを感じて、なんとも言えない安心感を覚えたのだった。
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