奥尻島編③ 奥尻島1周サイクリングの巻

楽しみにしていた島巡りいよいよスタートです。

7時30分に起きてまずは朝食。

ご飯 かぼちゃの煮物 セロリの漬物 焼きシャケ のり イカ揚げた奴

それにいくらの小鉢とイカ刺しが付いてきます。毎食美味しい。

しっかり荷造りして9時過ぎに出発。3日間お世話になりました。


9時25分おなじみ鍋釣岩へ。毎日これを拝んでますね。

ヒロハノヘビノボラズ(広葉蛇上らず)が髪飾りみたいで可愛く生えてます。

天気は快晴!軽く汗ばむほどの陽気で自分にとってはベストな暑さ。

この鍋釣岩をスタート&ゴールとして一周行きたいと思います。

どれくらいかかるか何があるのか楽しみですね。


港、玉浦を抜けて9時51分宮津へ。ここには『宮津弁天』という宮があります。

ここは立地が凄い!地続きとはいえ離島みたいに離れているので

一度海抜0まで階段で降りてからまた昇って参拝します。

段数は100段弱くらい。100段下がって100段上がって結構な高低差。

宮はとても綺麗にされていて参拝ノートもあります。

ノートに旅の無事と意気込みを書いておきました。

もう8年も経つのでそのノートはないでしょうね。

参拝を終えて戻り道。階段の周囲は草木が生い茂っています。

それに対しての階段や宮の綺麗さはいかに大事にされているかを物語ります。

神格化したくなるほどグレイトな景色です。おススメ。


奥尻の地区には地区ごとにカントリーサイン同様の地区サインがあります。

宮津は宮津弁天宮のイラストが描かれています。

そして次の『稲穂』には詰まれた石のサイン。

そう、ここにはあの地獄の石積みでおなじみ『賽の河原』があります。


10時26分『霊場 賽の河原』へ。

果てまで続くススキ野原が寂寥感を誘います。

『賽の河原の案内図』のマップの上にカラスが意味ありげに留まっている。

あまりに出来過ぎた構図に雇われたカラスの可能性が?


賽の河原は海難、水難事故で亡くなった人や幼年で亡くなった子供の憩霊の地。

見渡す限り一面の積まれた石の数に思わず呆けてしまう。

何も告げなくても子供が泣きだす、そんな雰囲気のある地である。

響く潮騒とウミネコの鳴き声がここがこの世であることを思い出させてくれるのだ。


賽の河原に別れを告げ漕ぎ進めると急な登り道が。

どうやらここから山ゾーン、斜度10%が膝に襲いかかってきます。

急な砂利道があったりと正直ゲロゲロです。こいつはきつい。

30分ほどヒイヒイ言って山登り。汗ダクダク。

すると突然牛、牛、牛。

11時42分奥尻牛の放牧地へ到着。

凄くのびのび育てられています。毛色も色々。思い思い自由に過ごしてます。

こういうところで放牧されてみたい。あとされてる牛食べたい。

(奥尻牛は生産頭数が少ないので普通には食べられないです)


少し進んで『湯浜』(ゆのはま)へ。うーん辛い。

賽の河原からもうすぐ1時間、ずっと登り。標高は250mを超えました。

サイクリングコースとしても有名で大会もあるらしいけど…こりゃきつい。

1周66kmに騙されちゃだめですよ。覚悟の準備をしてきてください。

え?皆さんこの程度余裕なんですか…まあ荷物が20kg近くあるから…(言い訳)


12時30分登り区間がここまで約10km 標高は345m!

結局登山じゃないか(憤慨)

そのまま『奥尻21世紀の森 復興の森』へ。

(奥尻島は1993年7月に北海道南西沖地震にて被災しております)

とっても綺麗な森でしたが誰も見当たらないので軽く休憩して次へ。


そしてここから天国ゾーン!待ってました!!

スカイブルーの空!マリンブルーの海!青々とした山々!

褒め言葉が低レベルで申し訳ない!!筆舌にしがたいのです!

最高の景色を下り過ぎない下りに乗って気持ちよく滑っていきます!!

(支笏湖のトラウマ)

登りで火照った体に風が心地いい…。車も人もいないので一人占めです。

「イャッホーゥ!」という言葉が思わず飛び出るほどの爽快感。

この旅で一番の景勝です。想像できる大自然がここにある!

せっかくの気持ちのいい下りを止めたくないので写真はほぼ無し。

1時間の登山が帳消しになって余りある爽快体験でした。

これは語るより是非味わってほしいです。

自転車で味わえる快感の全てが詰まった10分間でした。ホント最高!


12時51分 最高の下りを終えて一気に山から海へ。

浜があったのでそのまま海水浴をする事に。

短パンにサンダルなのでそのままザブザブ…。

水の透明度が凄い、プールより澄んでて綺麗です。飲めそう(しょっぱい

ムラサキのヒトデがいたりウニが普通にゴロゴロしてます。

カニを捕まえようとしたり島に渡ってみたりキャッキャッ一人で遊んでいると

40分経っていました。楽しすぎる…。

楽しすぎて悲劇も起きてたんですがまあそれは別の話。

綺麗な浜に別れを告げて先ほど見つけた『神居脇温泉』へ。

海のしおっけを落としに浸かりに行きます。

「温泉の色が濃くて手羽先を焼いた臭いがする」と本人の率直な弁。

筋肉痛、関節痛に効くらしいのでしっかり浸かっていきます。


お風呂も上がって15時。え?遅くない?

温泉は保温効果が高く上がってしばらくは暑い暑い。

せっかく温泉入ったのにまた汗でびちょびちょになりたくないので

のぼせが引くまでクールダウンしてました。おかげですっきり。

1周まではまだまだあるので頑張って漕ぎましょう。


15時45分『米岡』(よねおか)へ。サインは飛行機です。

そう奥尻空港がある土地ですね。大体島の南端まで来ました。

米岡の地名の由来なのかわかりませんがお米が栽培されています。

奥尻島は日本最北島のお米の生産地らしく

奥尻島より以北の島ではお米は栽培されてないとか。

今でこそ寒い地方が米所ですがお米は本来熱帯植物ですからね。

先人の努力は凄いです。

(お米は奥尻島全域で栽培されてます)


16時16分『富里』へ。千葉にもありますよね。

サインは稲穂。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」良い句ですね。

『松江』『赤石』と一気に抜けて見慣れた場所へ。

そうです。鍋釣岩です。

9時25分スタートで17時8分ゴール。

観光しても8時間で帰ってこれますね。おススメ!


いやあ山あり谷ありで疲れたなー。さっさと宿に帰って眠りたい…


ん?そういえば朝出発前に『3日間お世話になりました』って…?


そうです。本日宿をとっていません。なぜなら明日の朝6時ごろに船が出るのです。

という事は朝食が食べられない→だったら泊まる意味無くね?

→だったら港で徹夜で過ごせばよくね?(謎理論

出港まであと12時間どうやって過ごそうかな…。


とりあえずさきほど通り過ぎた『赤石』に戻ります。

奥尻島のマスコットキャラ『うにまるくん』のうにまる公園へ。

時刻はもうすぐ19時。ライトアップされていてとても綺麗です。

もうやることもないのでお土産買って食料買って港へ。

天然のプラネタリウムを見ながら9時間後の朝焼けを待ちましょう。


走行距離79・5km 走行時間5時間48分でした。


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思い立ったが自転車旅行記~2012・夏~ 海澤寿三郎 @kaizawa

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