奥尻島編② 真の休日 最高の贅沢の巻

気絶したまま翌朝を迎える。そうか、ここは宿か。

限界を超えてしまったせいでこれだけ眠っても体がだるい。

鼻声は相変わらず、このままだと風邪を引くかな?

そんな予兆もあり今日はダラダラする事にした。


朝8時 朝食が出来ているようなので1階へ。

ご飯 おひたし 漬物 焼き魚 のり 味噌汁 

とメニューは一般的な旅館の朝食だが

ここに朝獲れたイカのお刺身とイクラの小鉢が付いてくる。最高においしい。

昼食はないので夜までもつように限界まで食べる。

ご飯は食べ放題、しかも美味しい。多分毎食4杯食べてる。

夕食まではやることが無いので寝る。布団は最高や!


寝る事に飽きたらゲームをする・こういう時のためにDSを持って来ているのだ。

実はこの旅で初起動、ゲームをしながらこの旅を振り返る。


青森を目指して家を出たのが8月26日。今日は9月16日。

あっという間の3週間。色々な事があった。

辛い事、苦しい事はたくさんあった。

手首も膝もお尻も全部毎日痛い。毎朝痛みからのスタートだ。

疲労の限界だと思った時に『残り40km』で愕然とした日もあった。

トンネルに恐怖した事は一度や二度じゃない。

一日中雨に打たれた日もあった。


だけど旅を辞めたい、家に帰りたいと思った事は一日もなかった。

初めての出会い、初めての景色、初めての食べ物…。

毎日毎日ワクワクすることが待っていてくれていた。


美味しいご飯を食べて、寝て、ゲームして、またご飯を食べてゴロゴロして…。

真の休日、最高の贅沢だけど…。

「これは今日一日だけでいいや…」


気付けばすでに夕方になっていた。


夕食は

ご飯 煮魚 焼き魚 漬物 焼きなす 小鉢 刺身3種盛り合わせ 鍋

と昨日とほぼ同じ構成。

全部昨日と同じでも何の文句も出ないほど美味しい。

けどそこは使ってるお魚が違う、漬物が違う、小鉢の中身が違う。

そして全てが美味しい、この煮魚だけでも何杯でもご飯が食べられてしまう。

連泊の事も考えられているメニューで頭が下がる。


ただ唯一昨日と同じメニュー。

正直名物料理っぽいアワビとウニの鍋があんまり美味しくない…。

中身は八戸で食べたいちご煮に似てるけど、味は別物。その分更に残念感。


それ以外の料理は全て美味しい。

さらに量が多い!自分としては満点の量だけど他のお客さんには多いかも。

壮年の方はほとんど完食していないように見えた。

こんなに美味い料理を残すなんて…。

骨に付いた実も残さず食べながらそう思うのでした。なんならそれ下さい。


一日全く動かないのも良くないと思い夕食後外へ。

真っ暗なので散歩がてらハイキングコースを歩きます。もちろん歩きで。


奥尻島には『鍋釣岩』という珍しい『奇岩』があります。

なんていえばいいんでしょうか、海に取っ手が付いたような形の岩です。

ん?もしかして。と思って由来を調べたら

『鉄鍋の弓型の取っ手の弦(つる)のような形をしているから』

印象そのままでしたね。この奇妙な形を表現するにはこれしかないのです。

ドーナツみたいな穴が開いてるけどドーナツより取っ手なんです。

夜は暗くて見えないなんてことはなくライトアップされていて綺麗ですよ。


鍋釣岩を堪能して帰宿。お風呂に入って部屋へ。


一日中だらだらだ過ごしたおかげでかなり回復!体調がいいです。

明日もダラダラしたい所ですが…せっかく来たならやることは一つ!


そう『奥尻島一周』ですね!もちろんやりますよ!!

一周約66kmと距離もちょうどいい!

鼻声も消えたので充電充分!明日に備えてもう寝ます。


いやちょっとだけゲームしようかな…

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