奥尻島編① 限界の向こう側の巻
命がけでトンネルを抜けるとそこは…。
またトンネルでした。(終わらない地獄)
0時35分トンネルを一気に3本抜けてきました。髪の毛も抜けそう。
夜中のトンネル内のトラックは本当に怖い…勘弁してください。
星空だけが癒しです。海は目の前で波の音はざっぱんざっぱん。
大岸駅の近くのトイレを借りに行くと蛾の死骸でトイレが埋まってました…。
まあ唯一の明かりですからねえ。
1時8分この旅の総走行距離が2000kmになりました。いえーい…。
暗すぎて何も映ってないですが…波音と巨岩が祝ってくれています。
ですがこの波音と巨岩が暗闇に合わさり恐怖をあおります。とにかく怖い。
仕方なく暗闇を映す動画を撮影しながら独白。
喋ってないと孤独と恐怖感に潰されそうです。星空だけが救い。
1時51分 長万部まであと20kmちょいの所でまたトンネル、怖いよー。
慣れる事は無いです、慣れたら死ぬ。しかも深夜なのに割と車がいる。
鹿の鳴き声が遠くに響きます。キュー。
2時12分 黒松内町のあたり。なんと吐く息が白い!?
今日は9月15日でまだ夏のはずなんですけど…?
これは寒いのかそれとも自分が暑いのか…北海道は魔境ですね。
この後午前4時頃まで漕ぎ続け意識が飛びそうになったので非難。
以前北海道を自転車で一周した人から聞いたアドバイス思い出す。
「困ったらバス停に行くのだ。」
北海道や雪の多い場所は屋根付きの小部屋みたいなバス停になってるのです。
バスが来るまでまだ時間があるので少しだけ寝ます。寒いよお。硬いよお。
(ちなみに寝袋とかないです 思い付きで家出てますから)
7時に起床。これ以上寝ると凍死するので出発。
ここで目的地の発表!デレレレレレ…デン!『せたな』です。
え?知らない?北海道の鼻の上のポコッとしたところです。
北海道の一番西の部分ですね、そこに島も見えますか?
そこからフェリーに乗ってその奥尻島に渡ります。
せたなまであと44km…あと一息、若干鼻声なのが気になります。
8時13分 今まで走って来た海岸線と違いひたすら登りになってます。
山越えして反対側の海岸まで行くから当然なんですけどきつい。
寝不足と連続運転と登坂…これは辛いです。ぐう。
そんなこんなで今金町の美利河(ピリカ)へ。変わった地名ですね。
今金町のカントリーサインもピリカがモチーフ。
ピリカカイギュウのピーリとピーカです。
こんな山間にカイギュウ?と思いますよねー。
メノウ橋を抜けてせたなまであと27km、あとひと踏ん張りです。
(120万年前に住んでたらしいのがピリカカイギュウ
ステラーカイギュウの祖先らしいですよ という事は美味しいのかな)
8時38分『しりべしとしべつ川』へ。
漢字で書くと『後志利別川』釣り人には有名な川。
日本で水質が最も良好な河川に14回輝いている日本一の川らしいです。
9時10分『メップ川』へ。透き通ってて飲めそう。本当にきれいです。
気温も上がって来てようやく夏という感じ、寒いより暑いがいいです。
9時37分 この辺りの景色も最高です。
『ザ・北海道』という感じ。イメージの北海道そのもの。
『畑』『牧場』『空』最高すぎて写真ばっかりとっているのでなかなか進みません。
それでも『せたな町』に到着。カントリーサインは海の岩と花ですね。
10時23分 風力発電の風車がたくさん並んでいます。
流れる海風…ようやくここまで来ましたね。長かった。
フェリーの出港は14時頃、少し時間があるのでお昼を食べて待つ事に。
ちょっと早く着きすぎたかな、と思いつつシーフードカレーを食べていると
なにやら雲行きが…?ザーーーーッーーーー
さっきまでの晴天が嘘のような大雨…早くついて良かった。
14時フェリー出港。奥尻島に向かいます。
この旅の初心 『いつまでもあると思うなその景色』
残念ながらこのせたな↔奥尻航路は2019年に廃止になったそうです。
乗っておいてよかった。
よく『死ぬまでに○○行きたい』っていう人がいます。
がその景色がその場所があなたが死ぬまで生きているとは限らないのです。
『思い立ったが吉日』行きたい場所は行ける時に行きましょうね。
フェリーから虹が見えたりなんだりしてるともう到着。
1時間30分の船旅でした。八戸~苫小牧と比べるとそりゃ短いよね。
15時44分 奥尻島の奥尻町へ。する事は一つ『宿探し』
この旅始まって初めての『民宿』です。
今日明日宿泊するので値段も検討しつつ宿探し。
でも疲れてたので割と適当に決めました。
軽く町を見てから18時夕食。
「えっ?これが夕食…?」
思わず2度見…。えっ?
「これが一人分??」
あわびと綺麗なピンク色のお刺身 イカ刺し ウニの小鉢
てんぷら 焼き魚 煮魚
雲丹とアワビの鍋
更に漬物 酢の物などの小鉢4つ そしてごはん…。
豪華すぎる(涙)
そしてウマすぎる(涙)
全部が全部美味しい、お刺身など海鮮が美味しいのはもちろんですが
煮魚とか小鉢も美味しい。
そしてびっくりするほどごはんが美味しい。何でも『奥尻米』らしい。
思わず4杯食べてしまいました。おかずもたくさんで大満足。
大満足で部屋に戻るとふかふかの布団に吸い寄せられそのまま気絶…。
そのまま目を覚ます事はありませんでした。
苫小牧14日 11時20分出発
奥尻島15日 15時40分着
走行距離238km 走行時間14時間30分
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