歴史作家さんを特に尊敬するのですが、過去の事象をしっかり調べて作品作りをできる方の熱量は本当に頭が下がります。だからこそ、心理描写がプラスアルファであるとより作品に入れるかなと思いました。突き詰めてほしい作品です。
フィリップ・K・ディックの「高い城の男」のよう。メッサーシュミットMe262の改良型、Me262Zが世界を、歴史を変える。淡々として歴史書を読んでいるような感覚が気持ちいい。いわのふ氏のパラレルワールドを御覧ください。
もしあの時、ドイツでブレイクスルーが起きていたら。そんなifから始まる、違う世界線の第二次世界大戦が、何ともリアル。まるで実在の資料を読んでいるかのような錯覚に陥るレベルで、世界情勢の変化が事細かく描写されている。しかし、結局行き着くのは似たり寄ったりな世界だったり……。この上ないリアリティは必読。
第二次世界大戦系のミリタリー好きな人にはかなり刺さると思います。兵器の運用や戦術の方向性などにリアリティがあります。Me262以外の兵器についても当時の作戦や状況をしっかり把握していなければ書けない内容だと思いました。ドラマ性はあえて描いていないのかもしれませんが、作品としてはアリだと思いました!ディスカバリーチャンネルやヒストリーチャンネルのミリタリー番組をよく観る人はぜひぜひお薦めしたいです!