妖の世界・陸
一方、図書館に居る千棘…読み倒して4時間弱
軽く背伸びして、周りを見渡す…
(あれ…もう昼過ぎたの…?)
結局掴める話はなく、分かるのは…「書に記録するべからず」っと「時が来れば二つの世界が歪み特異変化が起き、干渉が起き、やがて生贄が必要となり双方の世界は大量に絶命が後がたたなくなるだろう。」っと書かれていた
何かと意味がありげな文書だが、理解しずらい…。
千棘は、席を立ち上がり…数歩歩いた瞬間
ドサッ。
なにか倒れた音が聞こえたので、そのテーブルの付近まで歩くと…1人の学生服を着た人が倒れていた。
「あ、あの…大丈夫ですかーーー?」
千棘は、体を揺すってみたが…反応がなく
むしろ触った体から体温が感じない。
血の気を引くような感覚になった千棘は、図書館の受付の人の所まで走りこう言った
「あの、人が息してなーーー!?」
図書館の受付の人は、俯いてテーブルにもたれかかってるように伏せていた。
反応もなく、手を見ると血の気が全く感じないように白く透き通っていた。
この状態は、既に絶命を意味していた。
「う、うそ…?なんで…死んでるのよ…?」
千棘は、気が動転しかけたが…自分を何とか落ち着かせた。
…落ち着かなきゃ。これは、間違いなくあの文が意味していた…。
だとしたらーーー干渉が始まってる…?
意味してるとしたら明らかに…二つの世界が重なって一つになる。
もしそんなことが起きれば、世界のバランスが崩れ…
そして、千棘は図書館の外へと出た瞬間…道端に沢山の人が転がり絶命し、飛んでいる鳥すら地に転がり絶命果たしていた。
「なにこれ…?つい数時間前にまではこんな現象が無かったのに…」
そこへ、バンダナした男性…雪冬が姿を現す
「よぅ、なんかわかったか?」
「…読んだけれども、こちらと似たような文しかない。ただいま起きてるのは…特異点が起きて、儀式が成立した見たい」
「儀式?」
「三つの感情で引き起こされる、一つが「因縁」、二つが「絶望」、三つ目が「裏切り」ね。それが合わされると…儀式が成立、これが第一条件で第二条件が…断頭台や墓標に近い現象が向こう側で起きてるとーーー」
「儀式が完全に成立か…。なら、向こうで起きてる「巨大な鳥居」と「城」は何を意味するんだ?」
「…目覚めの儀式。封印されし力が目ざめて、四百年前に起きた「全霊聖戦」て言う妖も暁も神となる巨いなる力と抗った大規模戦線の予兆かしら…」
「……止める方法はあんのか?」
「儀式を開いた本人を…殺すしかないわ」
「あの女か」
「…知り合い?」
「知ってるもなにも、あんたらの仲間だろ」
「え?」
「…まぁ知らないならいいが、いずれ蹴りつけるんだな…っとーーーー」
地面から黒い楕円状のが出現して、そこから飛び出してた。
空高く飛び上がる物に、千棘は目を疑った
「あ…あれは…鬼?!」
「儀式とやらのせいで、大量に絶命したこっちは生命を喰らうために次元すら超えてきやがる。まぁ、神隠しは生命の魂だけが必要だからなぁ…人の血肉を喰らうのが大好きな獣じみた鬼なら有り得るだろうがな」
雪冬は、何も無い場所に手を伸ばし引き抜くと…2丁の拳銃が出現して左側に狙いを定めて発砲する。
その弾丸は、見事に鬼の額に当たりヘッドショット、鬼はそのまま滑落して地表に着くタイミングで黒い煙となり消えた。
「その武器は…向こう側の奴?」
「だな、干渉もあるだろうからな。お前もあっちで武器を装備していた所から引き抜きな。」
千棘は、そう言われて思い返すーーー
確か、左側の腰にあったはずだわ…
確か、こうしてーーーーこう!!
千棘は、勢い良く振り抜く仕草をした瞬間…
手元には刀が現れて、それがゆっくりと姿を現して完全となる。
「…よし、これで戦えるはず…?」
千棘はなにか違和感を感じる、やけに物音が聞こえれば、遠くの場所まで見渡せる
なんでだろうと思いながら後ろを向くと…茶色の尾がパタパタとしていた。
「え…?ま、まさか…妖姿と混ざった…?」
「そこまで出来んのか?妖は違うな…」
「なんかコスプレみたいじゃんこれさ」
「…まぁ気にすんな。愛しの彼見たらどうなるんだが」
「あー…(雪冬の背中を叩く)」
「痛てぇ…なんだよ!」
「次言ったら、壁にめり込ませる」
「…は、はい」
もんもんとした気持ちと、考えるだけで嬉しくなる千棘は…早く会って撫でてもらう要望願書を彼に投げつけたい。
だって、彼を考えちゃう…好きだから
そうと決まれば、動いた足は止まらなくなる
急が回れと言わんばかりに、歩いた
だが…日もくれてしまい、見つかるもんが見つからない。
とゆうか、そっち側にどうやったら行けるのかと考えた。
しかし、何となく浮かび上がったのが…「干渉」というパワーワード
徐々に、この世界は妖の世界に変わるとしたら…それを待つのも手である。
「今は打つ手なし…か」
「まぁ、雑魚の狩はこっちに居る人達でやるしかねぇな」
「それもそうだけど…」
すると千棘と雪冬は何かを感じ取る
気配ともう1つ感じたものは…殺気である
背筋が凍りつくような感覚に晒され、冷や汗が頬を通り落ちる
「…とんでもねぇやつが来たな。殺気がここまで飛ばしてくるとは、上等もんだな」
私は、この感覚をよく覚えているーーー
「お嬢ちゃん…オイ?」
妖の世界に居た時、奴は私の目の前に現れた…。
私がこの世界から死んだ時ーーー
目の前で庇った親友が「逃げろ」と背中を押した瞬間…骨を壊す音だけが鳴り響いた。
後ろを振り向きたくなかった、振り返れば足がすくわれ動けなかったに違いない。
難なく私は逃げ延びた、が、私もーーー殺された。
死ぬ前の事なんて誰も覚えてない
生まれ変わったとしても生前の記憶なんてない
あるのは、微かにその感覚が体に刻まれてる
私は私の過去の記憶を引き起こしてくれた…。
その部分だけが、脳裏に焼き付いたように鮮明に思い出させた。
「顔色悪いぞ…」
「…私は私で、悔いも後悔もしたつもりは無いけどーーーー」
千棘は顔をゆっくりあげてこう言い放つ
「過去の私が悔いが残る死に方したのなら…今生きてる私が伐つーーー!!」
「お前…大丈夫か?」
「お前じゃない、千棘よ。なんか私に因縁がある奴が来たみたいね」
「早速かよ…んじゃ、そいつを倒しますかねぇ」
暁の妖 速水すい @zerosekai
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