妖の世界・伍

暁の世界は、妖とことなり近代的な世界ーー

作り物は全て、暁の独自の技術。


武器にしろ、建造物にしろ驚異的な品物ばかりだ。


妖は「神隠し」がある様に、暁には「神喰らい」という伝承がある。

赤き月の廻るころ、「事」が動き出し…争いが起きるーーーーそれは最悪の場合双方が散る運命になる。

そんな話を聞いていたとしたら…彼である


白いバンダナに白と黒の双銃を手に持つ

赤い瞳と月明かりに照らされたその姿は正しくーーーー夜叉である。


戦場を駆け抜ける彼は、双銃で次々にヘッドショットを繰り出す。


「今日もわんさか、来てやがるなぁ!鬼共!」

「て、てめぇは…暁の夜叉!?」

「おう!てめぇらを裁きに来てやったぜ!」

「くっ…撤退だ!!」


鬼は次々に逃げ出すーーーー


双銃をくるくると回転して、鞘に収める


「ったく、だらしねぇの。つーかよ、最近多いな…紅い月が近いのかねぇ?」


「紅い月」とは…最悪な出来事が起きる全予兆である。暁はその場所から来てる鬼を退治する役割をやってる。

たまに妖側に行くが、敵視されているため迂闊には近づけない。

そして、暁の人々は…妖と違い暁の存在とはならない。

って限定されている


見た目は妖とさほど変わらないが、獣耳などは無い。

妖だけが持つ長所であるが、暁は戦闘系がずば抜けている。ほぼ人間と変わりがない姿である。


雪冬は、腕を組み周りを見渡す

やはり、武器みたいのが地表に突き刺さっている…その側まで行き眺めながら言う


「墓標を表してるとしたら…百、いや、二百年前の「神々の聖杯戦線」になるのか…?」

「それはわかりませんーーーー」


雪冬は後ろを振り向くと、紅い髪の毛と獣耳で白銀の瞳と巫女服姿の少女の姿。

雪冬は後ろを振り向きこう話す


「人が悪ぃな、後ろにいるぐらいなら一緒に来ればいいのによ」

「だ、誰が貴方と一緒になんて!?」

「おー?過剰に反応してんな?ひょっとして惚れちゃったか?」

「か、からかわないで下さい!!」

「わりぃわりぃ」

「…私達の話では、墓標が現れたら「新たな目覚め」ってしか分からないから。巫女代々でもそれくらいしかね」

「まぁ、今妖に属する奴に解読して貰ってるところだ」

「!?」

「大丈夫だ、公平の付き人だから安心しな」

「だ、だからその根拠はどっから来るんですか!?」

「んー、ダチ的な感?」

「私に聞かないでくださいよ…」

「クックック…まぁあちらも手ずまっていた所だからなぁ」

「…まさか、君の狙いはそれなの?」

「こんな時だからこそ、共闘しなきゃならないだろ?それにエン、お前もだろ…腹をくくらなきゃヤバいってこと」

「…えぇ。2つが同時に滅ぶ前にーーーー」


夜空月空は天高く、照らす双方の村と街

足掻く限りは、戦場化…それを見てるのは高い月明かりだけ。


そしてーーー公平は…修行を終えて下山

なんも前触れもない、白銀に光る月は村を照らす。


「本当に起きるのかよ?」

「わしを誰だと思う?この数百年は生きてる妖じゃ」

「郎爺には見えないけどな。てかさ…技全部初段終わりってどうゆう事だ?」

「決まってる、時間が無い」

「ふーん」

「早く女子と遊びたい」

「結局それかよエロジジイ!」

「ふん、男子たるものは己の欲望を満たすまで諦めんのだ」

「だから、逃げられんだろ」

「うるさい!貴様だってあるだろう!?」

「あー、俺はそう言うこと考える暇がない」

「むっつりか」

「あん?串刺しにしてやろうかぁ?」

「できるもんならやってみろ」

「…言ったなクソジジイ!!」


2人が第1歩踏んだ瞬間…茂みが異様な音を奏でる。

2人はそのまま体を捻らせて茂みに向かって手前にあった石ころを互いが持つ刀を重ね合わせてうち飛ばした。


一転方向で飛びそのまま何かに激突する


「ふん、雑魚が1匹紛れてたか」

「見たいだな…」


公平が1歩前でると、師匠は腕を伸ばして「貴様は行くべき所へ行け」っと一言

公平はその目を見て頷いて、村の方へ走り出す。


「さて、我が剣技の伝承があの小僧に務まるか…見定めてもらうかのう」


公平は修行していた山を下山し…補正された道へとぬけでる。

周りを見渡して公平は思う


やっぱり

向こうが一年になる前は多少人はいたけど今はそれすらない。


むしろーーーー墓標が広がって来てる。


公平は師匠に教わっていた事がひとつある

「輪廻は永遠と繰り返される。暁も妖も争いたくさんの血を失った、それが断頭台が現れる頃…普段見せないが化けの皮が剥がれ落ちる頃には…目覚める。そして、墓標が現れたら黒と白の絶無が解き放たれ…無効絶句ジネーション・ブレイカーという存在が目覚める。それがこの世界ができる五百年前の話ーーーー。」

という話である、その現象に近い状態であるってのは認識はしている。


ただ、止めるには左右の色が違う人物だと言っていたーーーー。


脳裏に浮かんだのは…夏希の目の色である

右が赤で左が青である。

千輪眼と呼ばれる能力があり、この村を地図にしたらそこに居る人とかを特定出来る

範囲は広く村全体ーーーー。


そして、師匠に呼び起こされる言葉ーーーー


「西の風が吹く時、月明かりが雲に隠れ、存在意識を消し東と南の中間から奇襲をかけるーーーー」っと


まさに西風が吹き、月明かりが雲に隠れ…東と南の中間から奇襲ーーーーっ!!?


公平の目の前には、夏希の顔があり短剣を振り抜くのをギリギリで回避する。


夏希はひらりと着地して話し出す


「紙一重でかわしちゃうんだ?」

「あぁ…今まで不思議と疑わなかったけど、今ならよくわかる。夏希…いや、双撃の暁妖ブレット・ブレイカーマヤと呼ぼうか?」

「あれ?なんで分かるのその名前。まぁいっか、もう始まったしねーーーー」

「何をーーー?!」


地響きがなり出す…公平が通う高校付近の建物が一瞬にして別の建造物となる。

一見にして巨大なお城のような構造物だ

そして…見上げるほどでかい鳥居が聳えたつ


「な、なんだこれ…?」

「なんだってはないよ?これは「儀式」にしか過ぎないよ」

「儀式だと!?どこまでふざけてんだ!!」

「怒った顔も可愛いね。いくら君がもがいても無理、守護巫女はもうこの世にはいない」

「…まさか!?」

「まさかあっさり、不意打ちでやられるなんてね。まぁ私は記憶を取り戻したばかりだからなんとも言えないけど」

「てめぇ!!」


振り抜く公平の一撃を指一つで夏希は止めた


「くっ!?」


そのまま押し飛ばした夏希、公平は軽く飛び上がり後ろへと後退する。


「つまんないねー」

「………」

「うん?」


公平はゆっくりと刀を構えてこう呟く


「刻の時雨型ーーー疾風!!」


素早い動きで、夏希の背面から切りつけたが

短剣で防がれてしまう


「見え見えだよ…攻撃ってのはこう」


公平の刀を押し弾き回転して蹴り飛ばす。


「がはっ!」


そして、夏希は公平の真上に先回りして更に蹴りを入れて地面にめり込む。


「力加減は難しいから困るよね弱者は」


そして、公平はゆっくりと立ち上がって集中すると…髪の色が変化し瞳も変わる


「おっ?それを待ってた…鬼の力」

「……勝つ為に覚えたこの技。使う羽目になるなんて想定外だけどな」

「…まだ私を仲間なんて思ってないわよね?」

「さぁな、気を緩めてる暇なんて与えない」


公平の動きや一撃は飛躍的に上がった

それこそ、夏希が軽く吹き飛ばされるぐらいだ。


「おっと…これは本当にやばい…。私の力の倍はあるわね」

「さぁどうする?大人しく降参するのか?」

「……甘く見ないで。こう見えても、一流なんだからねーーーー」


その次の瞬間には…公平が飛ばされていた

壁に激突したのさえ分からなず、揺らぐ視界と暗転する世界に出す言葉はなかった。


「…少し本気出せばこうか。ちょっとは期待したんだけどね」

「皇女マヤ様ーーーー準備が整いました」

「うん、じゃ始めましょう…第1演武を」










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