妖の世界・肆
「………う」
公平は、目を覚まし体をゆっくり起こす
どこかの古民家らしい場所である
ふすまをスーっと開けると縁側と池がある
その池には五色コイが数匹泳いでいる
周りを見渡せば竹柵出て来た壁と竹林が目に止まる。
和風系に染まってる感じが、自分を落ち着かせる。
ここは何処かと、縁側を歩くと…腰掛けてる1人の男性の姿が目に止まる。
狐お面をした人だ、するといきなり話しかけてくる。
「主よ、何故に鬼と戦う?」
「え?」
「貴様は半妖であろう?妖と違い完全な力を出しきれない、故に硬い皮膚でできてる鬼すら刃を通さない」
「……あんた、何者だよ?」
「妖にして、「狐の妖」の力を操る者だ。貴様の「無心流」は技であり妖の力はない」
「えーと?」
「鬼に通用するのは2つ。1つが「技」で2つが「妖力」だ。これが合わされば絶大な力を発揮するが…半妖だと力が足りない。自身の命すら削る、だから半分だけを極めるが…少々足りぬな集中力」
「なんでそんなことまで分かるんだ?」
「なぁに、さっきの戦い見ていたからだ。動きも精神面もダメ、やる気あるのか?」
「あんたに言われたくない」
公平は、身構えて拳を振ったが…当たらず
それどころが、意識すらしてない速さで体が浮いていた。
「遅い」
「くっ!?」
公平は体を拗らせ着地して、床を蹴飛ばす。
「ほう?たいした反射神経だ」
「うりゃぁぁぁぁーーーー!!」
「だがーーーー。」
公平の目の前から一瞬で消え、真横に立ち
手刀で公平の背中をチョップする。
ダンッ!と言う音がなり公平は床に叩きつけられていた。
「甘い、隙だらけだ」
「いってぇ…何すんだよ!」
「それはこっちのセリフだアホ、お前には知識とかないのか?」
「数値ゼロ」
「なら、基礎と人生やり直せ」
「言われたくねぇよ!」
そうこうしてるうちに、公平にはある意思が芽生えた
「ぜってぇ、仮面を剥がしてやる…!」っと馬鹿な発想が芽生えた。
それからというもねの、公平は座禅と床ふきなどを課せられ…修行じみた光景が広がる
それから数日後、山に連れていかれ…武者修行となった。
その頃、夏希は…露店を眺めながら探索していた
短剣、夏希は戦闘不向きでリーチ範囲も短めである
そうなると、サブとして何か使える様にならないといけないのである。
そこで、目にしたのは「呪符」である
半妖でも簡単に扱えるものである
念力で呪符を扱い、弱体化などが出来る様になるが…そもそもただの紙っきれ。
破れやすいのが難点であった
白夜は扱い方を教えられ、この数日でようやく札を飛ばせるようになった。
「扱い方はまだ未熟だけど上出来」
「白夜ちゃんありがとう!(むぎゅっ)」
「こ、こら抱きつかないでよ!?」
それぞれの時間が過ぎーーーー
12月31日、年越しと年明けの頃合
深夜零時、夏祭りの風景は…変化するーー。
「去年と今年の夏祭りは違うみたいね」
「でも…こんなのってあった…?」
見るからにして、断頭台にしか見えないものが複数設置されていた。
「これは…祭壇にあったものかしら」
「祭壇?」
「えぇ、神隠しを無くすために生贄として殺される為に使われた物よ。でも、それは100年前に滅んで使われなくなったはず…」
「白夜って何歳なのよ?」
「女の子に年聞くのはデリカシーがないわよ?同性だとしてもね」
「んーなるほど」
見上げる度に、夏希は目拒ませた
それはまるで拒絶反応近いが…顔をつねりながら眺めてる。
「なにしてんのよ?」
「何かわからないけど…悲しい気持ちともう見たくないって体が反応してる」
「無理してみるものじゃないわよ、それにあんた自身に何かあるかもね?」
「へ?」
「…まぁ分からないなら大丈夫よ」
白夜から言われた一言は意味ありげだった
だが、断頭台の数が日を数える内に増え始める。
すると、サクラが再びこの神社に訪れた
この状況に、獣耳をピクピクさせて言う
「暁が動き出すのかしらね?死を持って導く筋が消えて、それがまた宿るとしたら…。どうやら、時間の問題かしらね?」
「……お母さん」
「白夜起きてたの?」
「うん」
「私達の世界も崩れかけてる、このままだと暁も一緒に滅ぶわ」
「暁も?」
「えぇ、封じられたものが今目覚めそうなのよ。かつて暁と妖の間に生まれた子の目覚めがーーーー。」
「それって!?」
「えぇ、また起きるわよーーーー「妖と暁の祭壇」がね」
時は一刻を争うものだった
1月の中旬、夏希はまた増えてる断頭台のせいか熱を出して寝込む。
白夜とサクラは、呪符で抑え込むものの…あまりの膨大な力に抑え込むのも難しくなってきていた。
それは、街並みにも影響し始めていた
妖の世界は、和風系の民家で構築されている
だが、理由もなく民家が崩れ…更地となる
そして…刀や剣などが地表に突き刺さってるのがちらほらと目立ち出す。
そして、その影響は妖だけではなく…ごく普通の世界にも伸び始める。
原因不明の死が流行りだしていた
それは、若年層から高齢者まで範囲
そして、村の人々は…百年前と同じく神崇めを行う人もではじめて来てた。
そして…千棘はバンダナの男性とある図書館へと向かっていた。
その男性は、公平の友達だったらしい
名前は雪冬で暁の一人だそう
暁側にある図書館には、妖には無い文や書が沢山あり、流石隣町って言うだけある。
「これを調べるとしたら大変…」
「だろうな。さ、お嬢さん頑張ってくれな…俺はどうやら向かわなきゃ行けねぇ」
「…どうやって行くのよ?」
「決まってんだよ、寝る」
「は?」
「嘘、こいつを使う」
黒塗りの小さな玉である
「何それ?」
「妖と違って暁は、霊体になれる物がある。ただまぁ、時間制がネックだが」
「はぁ…」
「まぁそんなこった、せいぜい頑張れよ」
雪冬は、そう言って図書館の外へと行った。
(不思議な人、でもせっかくだし…読まなきゃねこれ)
千棘は片っ端から本を手に取り読み始めた。
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