お金に困って下宿屋さんをはじめました
@oomorigohan
第1話 あたらしい生活がはじまる日
「ここがブラックストーン邸よ。こっちは勝手口。正門のほうは大通りに面しているけど、こっちの出入口のほうは裏通りに面していて、商店や学校には行きやすいから。」
お城の正門からつづく大通りには名家の豪邸が建ち並ぶ。ブラックストーン家もその名家のひとつ。今日からわたしはここで下宿することになった。
「いらっしゃい。待ってたわ」といって出てきたのは赤い髪をみつあみにしたかわいいおんなの子。たぶんここの娘さん。母とわたしを迎え入れてくれた。
「マリアさんから聞いてるわ。ユリアちゃんね。わたしはアリス。よろしくね」
マリアは母の名前。ユリアはわたし。
母から聞いた話では、ブラックストーン家の現当主、考古学者でトレジャーハンターのアリスお嬢様のお父様が失踪したらしい。3ヶ月ほどで帰ってくると出て行ったきり、もう1年ちかく帰って来ないのだという。
だんだんお金に困ってきて、従業員には紹介状を書いて辞められるひとにはできるだけ辞めていただいたり、生活をできるだけきりつめたりしたのだけどいよいよいきづまり、なんでかうちの母に相談したらしい。
うちの母は、「じゃあうちの子たちあずかってくれる?家賃と食費払うから」ということになったらしい。
ブラックストーン邸は立地が良く、春から通うことになってる学校に近い。再婚した新婚の母にも好都合。義理の弟とわたしを追い出すことに成功した。義理の弟は、このあと馬車で荷物とともにやってくることになっている。
そして母は、あと何人かこのお屋敷に下宿させようとたくらんでいて、ピックアップしているらしい。
お金に困って下宿屋さんをはじめました @oomorigohan
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