間章1 希望ノオワリ

「…コ…ドコカ……ルカ?」

声がする。聞いたことがありそうな声だ。

「ココガドコカワカルカ?」

わからない、そう答えようとするが、声が出ない。

「ワカルワケガナイヨナ。ダガ、ソレデイイ。」

俺は何を聞かされているんだ?

「イイカ?オマエハコレカラジゴクヲミル。ゼツボウノフチニタタサレル。」

何を言っているんだ?絶望の淵に立つ?俺がか?これから俺は最高の異世界生活を送るんだぜ。そんなわけないだろ。

「シンジテイナイナ。オレガソウダッタカラシカタガナイ。ソレデモオボエテオケ、オマエガゼツボウスルトイウコトヲ。」

絶望絶望うるせえな。俺は今夢を叶えつつあるんだよ。異世界チートライフだぜ。お前に何がわかるんだよ。俺の人生を邪魔しようとしてんのか?

「ソロソロカンショウガデキナクナル。サイゴニアドバイスダ。クロ…クハ、…ニ…クダ。ソウ…ノルジン…ツ……キヲ……」

ピシュン。

音がして声は途切れた。最後にはノイズがかかっていてよく聞こえなかった。俺は、一体何を聞かされていたんだ?何を伝えたかったんだ?わからない。


◻︎◻︎◻︎


これは俺が忘れていた物語だ。終わる寸前の物語だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

フードファイター笹中 石水 灰 @ca_oh21

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ