第6話 俺はモテようとする その1
振られた日の翌日。
「おはよっ」
華怜が教室に入ってきた。そう、何を隠そう俺の狙う相手は上草 華怜だ
。忘れている人のために説明するが、コイツは俺のクラスメイトであり、数少ない女子の友人でもある。なんか今どきの可愛い女子高生みたいな感じか。
要するにtheリア充。
というわけで俺はコイツに優しくしまくり、ラブコメを訪れさせてやるぜ。
ヒャッハー!失礼、梨の妖精的な声が出てしまった。
まずは、爽やかに挨拶をし、好感度を上げてやる。俺は席を立ち、華怜の元へ向かう。華怜は、席に着き教科書などを机にしまっていた。
「おはよっ」
俺の白い歯が輝き、かっこよく見えるはず。俺はイケメンじゃないため、昨日鏡の前で、2時間練習し、一番かっこよく見える角度を研究した。
妹に見られたときは、死を覚悟したぜ。
だが、これは決まった。好感度が相当上がった筈。お、華怜が体を震わせているぞ?そんなにかっこよかったか~。
しかし、ここで満足する俺ではない。追い打ちをする。
「どうした?体が震えてるけど大丈夫か?」
この発言によって俺は華怜を心配していることと、喜んでいることに気が付かない鈍感主人公をアピールしたのだ!これは、ファインプレーだな。
車に轢かれそうな子を守ったぐらいのファインプレーだ。
「ねえ」
華怜が頬杖をついている。不機嫌そうな顔に見えるのは、きっと恥ずかしさをごまかしているのだろう。
「お、どうした?」
「キモイよ」
「いや、俺なんかした?」
普段と態度を変えすぎると、不審に思われるだろうからばれない程度に留めておく。あと、このキモイはツンデレだろう。
お前ツンデレはツインテールが基本だぞ。お前全然違うじゃん。
それにコイツにキモイと言われたところで、大したダメージには・・・なるわ。普通に傷つくわ。
「おいーす」
イケメンの大河が入ってきた。
「おはよっ」
人によって挨拶は変えない。全員にこの挨拶で行く。
「お前今日オーラがなんか違う!」
さすが親友、だが・・・とぼけ続ける!
「え、そんなことないぞ」
「なんか違和感、普段ナメクジみたいなのに今日は、口から粘液が出てる気がする」
コイツ・・・くそ毒舌だな。普段から俺のことをナメクジだと思ってたのかよ!
何て反応していいか分かんねえから場が静まり返ったしな。
「おい、お前ら席に着け~」
ナイスタイミング!先生が入ってきてくれたぜ。
背が低く太いから普段は心の中でドラ〇もんと呼んでいたが今日だけはドラ〇ちゃんにしてやるぜ。
「なんか嫌だな・・・」
背後から華怜の声がした気がしたが、きっと気のせいだろう。
顔面偏差値平均以下の俺にラブコメは訪れない 冴えないkitoki @kai_tunndere
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