第5話 俺はオタクだった
親に挨拶もせず自分の部屋に向かう。
部屋は真っ暗だから電気のスイッチを手探りで見つけ、明かりをつける。ベッドにダイブ。本棚にある本を取り、読み始める。
その本は黒髪美少女が表紙のラブコメのライトノベルだった。
一時間近くかけ読破した。その後読み終わった本を立ち上がりベッドに叩きつけた。
「何がラブコメだあああああああああああああああ」
ラブコメの主人公みたいに俺はなれねえのか?顔がよくないとだめですか?ふざけんな!
皆大してイケメンじゃねえ扱いじゃん、ラブコメの主人公どもはよぉ。それなのに現実は結局顔じゃん。
というかじゃあ何で料理とか食わせたんだよ。あの先輩はよお。
あんなでかい胸で俺を惑わせやがって。
思春期男子の性欲なめんじゃねえ。勘違いするに決まってんだろおおお。というか、あの振られ方は酷すぎるだろ!
俺のトラウマランキング二番目だわ!
ちなみに一番は妹に俺のパソコンの履歴見られたときな。いや~あれはビビった。ちなみに妹の紹介はしないぞ。
絶対に俺のこと大っ嫌いだし。まあその話は置いておこう。
心の中で発狂すること二時間。
ようやく落ち着いてきた。さて、ここで説明しよう。
実はこの俺、オタクである!部屋の壁一面にはポスターが、棚の上には大量のフィギュアがあり、押し入れの中に抱き枕が眠っている。
学校では、中学時代に色々あったため、隠させてもらっている。
今は結構オタクは受け入れられるようになっているが、それでもまだ偏見が強いことは否めないだろう。
だから俺は隠して初恋を成就させようとなんとか頑張ってきた。この結果がこれか。
少し落ち込むこと一時間。結構初恋の傷は深い。手術しても治らないくらい。
だが俺の野望がこの程度で終わるはずがない。俺は絶対に何があろうと、
ラブコメを体験したい。
だから、屑だと思われるかもしれないが俺は好水さんを保留し、、誰かを落としに行く。
しかも一度距離を置くことによって、好水さんも俺の魅力に気付くかもしれない。
俺の鍛え抜かれたコミュ力を見ろ!
キャッキャッ!狙うは、アイツだ!
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