世界亡命政府会議


世界亡命政府会議とは1年に一度旧国連加盟国や独立を宣言していた地域あるいは地方が一堂に会する世界会合である。

今回の議長国はイタリア亡命政府であり、烈火の如く怒っていたため、今回の会議が緊急で執り行われることになった。


「今回、集まってもらったのは他でもないアメリカ亡命政府が勝手に旧イタリア領内にて極秘施設の建設及び核兵器の使用をした件についての制裁決議である。アメリカ亡命政府外交代表部首席代表は申し訳があるのであればここで言うように!!」


「アメリカ亡命政府は言い訳があるのか!!」


「そうだ。そうだ。」


「我らアメリカ亡命政府はこの件について一切関わっておらず、自治政府の陰謀と批難します。」


「自治政府外交代表部首席代表及びシベリア支部支部長エレナ上級元帥からはこの反論について反論はありますか?」


「アメリカ亡命政府外交代表部首席代表が言ったことは全て嘘になります。証拠として映像と元兵站部長を買収し、現地テロ組織との資金援助についての資料をここに提示し、更にアルファ及びベーターの個体確認についても報告させていただきます。」


「自治政府外交代表部首席代表はこの件についてどこまで知っていたのですかな?」


「はい、アメリカ亡命政府及び中国亡命政府及びロシア亡命政府の3カ国が共同もしくは個別にアイランドパトロール本部と学園を襲撃したと判断し調査を進める過程で旧イタリア領内において極秘施設建築をしている可能性があるという情報を確認しており、自治政府としては国家共同亡命政府条約違反だと経済制裁及び軍事力の制限に関しての制裁を決議致します。」


「反論はありませんか?」


「はい、反論の余地もありません。」


「今回のような行為を見過ごすわけにもいかないためイタリア亡命政府側からも制裁を科したいと思います。いいですね?」


「中国亡命政府及びロシア亡命政府についても同じような制裁決議案を提出し可決 大人しくしていてもらいたい。アイランドパトロールとしての活動を妨害するなら面と向かって来い。だが、タダで済むと思うなよ?」

アイランドパトロール本部からの代弁書である。

今回の件でアメリカ亡命政府及び中国亡命政府及びロシア亡命政府が一時的に大人しくなると考えるがまた動く可能性を考慮し、しばらくの間はシベリア支部へ滞在することとなった。


「エレナ支部長だけじゃなくアイランドパトロール本部長のシャルロッテ・バレンタイン最高元帥も怒らせるとはな。」


「今回の件でアメリカ亡命政府及び中国亡命政府及びロシア亡命政府の3カ国が暗躍し、アルファとベーターを攻撃しようとしていたことと過去の人体実験についての資料を消そうとしていたことからブチギレたみたいだけど大丈夫かね?」


「ただでは済まないだろうな。世界亡命政府会議を動かしたからな。」


「流石、本部長っていうところですね。」


「ただ、アメリカ亡命政府か素直に認めるのは変だ。何かしら裏がありそうだから調査してくれる?」


「了解 なにか分かったら情報を送るとするよ。」

天照大御神様を調査に向かわせ、クラスメイトやシベリア支部の幹部と談話を楽しむ姿を見てほっと息を撫で下ろす夏姫がいた。


「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。」

ラレリーナ副支部長が現れる。


「何のことですか?」

涙を拭うが目元が赤くなり泣いていたことが分かった。


「彼が初めて来た時、あの子はくすりとも笑うことも無く泣くことも無く感情が無い。まるでロボットのような感じだった。お母さんの件もあって怖かったんだと思う。私たちが」


「えっ!?」

驚いたいつも笑って誰かのことを気遣って私が出会う前の潤くんはどんなのか知らなかった。


「そんなある日、エレナが風呂場に閉じ込めて泣くかどうか試した。案の定、泣いていたけど声も出さず、ガクガク震えながら怯えていた。あの子はお風呂に入る度にそんな感じだったからだんだん周りが焦り始めちゃってあやすのが大変だった。」


「どうやってあそこまで笑顔を見せれるようなったんでしょう? 私が出会った時はもうあんな感じだった。」


「うーんっとね。エレナや私、バレンタインが交代交代で親のようにあやまかし、一緒に寝て、怒って、笑って色々した結果、あんな感じまで戻ったっていうよりは戻らないと困らせてしまうからっていう潤くんなりの気遣いと優しさだったんだと思う。」


「優しいですもんね。他の人が困っていれば助けて、いつまで寄り添ってくれる。あの子が辛い過去を持ってるなんて知ってたフリをしてただけなのかも。」


「あの子はそんなこと気にしないよ。」

下にいる潤たちに笑顔で手を振る。 手を振り返してくれる潤。


「彼は彼なりに克服しようとしてる。それを見守るのも私たちの役目なんじゃないかな?」


「そうですね。」

笑顔を見せる夏姫には守る者が出来た気がした。

そう 彼ら達が…

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魔法男子は、最強の神様に愛されてチートの力を手に入れた件について ミントグリーン @mintogurinn

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