真実の台湾の悲劇


前回、シベリアでアルファと旧アメリカ陸軍が激突 大きな戦闘が繰り広げられることとなった。

そんな中で旧アメリカ陸軍が放った核ミサイルがアルファの頭部に直撃 大爆発を起こすも怒ったアルファの口に体力のエネルギー玉がそれを見た潤はその場で倒れてしまったのだった。


「あのことも思い出してしまうのか… あの忌まわしい過去を・ 」


「うん、そうだろうね… 記憶制御魔法の解けた影響と負荷を掛けすぎたことによる疲労で倒れたんだろうけど毎晩、うなされ続けている…」


「我らがひた隠しにしてきたことを説明せざる負えまい… 我ら神の大罪を…」


「潤に苦しみを与えないように記憶制御魔法を使った。 だが、余計に苦しめてるのかもしれない。それも我々、神々の大罪なのなだ。」

そうして神々はシベリア支部のエレナやラレリーナ、夏姫、そしてクラスメイト全員に真実を告げることにした。


「今、これから話すことはアイランドパトロール本部 自治政府 そして亡命政府も知らないこと 覚悟を持って聞いてください。」

日本の最高神であり太陽の神様の天照大御神様の口から衝撃の事実を聞かされることになる。


「聞いてください。これは今から11年前のこと台湾の悲劇が起きた頃の話です。我々、世界の神々はこの悲劇を何とかしようと手を尽くしてきましたが最終手段という形で潤くんの父親であり日本の魔法大臣でもあった紘にダチュラという禁忌の果実と呼ばれ、神と同等の力を得ることが出来るもの与えてしまった。」


「ダチュラって有毒植物なのでは?」


「ええ、有毒植物ですが人間界に自生するものとは違い心水という水を使い育てているものなので毒性はなく紘にも食べさせることは出来ました。」


「その後、どうなったんですか?」


「想像の範疇を超えていました。ダチュラを食べたことによる副作用によって自我が崩壊し始め、手当りものを壊し始めました。前の記憶も失われたことよって台湾国内で暴走し始めました。神々は台湾国土だけで被害を抑えるべく特殊な魔法を結界「|大多重氷龍城壁結界(だいたじゅうひょうりゅうじょうへきけっかい)」で事なきを得たと思われました。

なのですが、張り終わる前にどこかへ瞬間移動し中国本土にて暴れ、潤くんを狙ってるように見えました。」


「ゼウスやそこにいるポセイドンなどの名だたる神々によって潤くんを守ることにし日本本土以外は全て捨てる覚悟で世界の神々は動いていました。

その頃、潤くんのお母さんはダチュラを無断で食べ元夫にあたるアルファに激突 中国本土内にて大暴れ 死者約1億人 重軽傷者約8億人

合わせて死傷者9億人もの人々を出し、中国政府は朝鮮支配をやめ日本に避難することに… 」


「おばさんもおじさんもどうなったですか? 何故、元に戻そうとはしなかったのですか!!」

泣いてるのか怒っているのかどちらにでも見えるような表情をする夏姫を見てクラスメイトの中にも同じような表情をして子達がいた。


「えぇ、元に戻そうとしました。潤くんの力によってお母さんもお父さんも元に戻そうとしましたが… 結果はご覧の通りの大失敗 お母さんは目の前で完全に解けて死んでしまい、お父さんは手の半分が解けてしまいました。それをまじかに見たのですから相当のトラウマになった… それが世界の神々の大罪になります。」

世界の神々も後悔をしていた。本当にあの力で元に戻すことは出来るのか本当にやって良かったのかもっと他に方法がなかったのか後悔してももう遅いことはわかっていた。だから…

神々潤くんをどんなことからでも守ることに決めた。


「神の覚悟に免じてお母さん代行の私が許そう。過去のことをくよんでも仕方が無いしな。前を向こうぜ。天照大御神様、彼もそうしてるように」

医務室の別に寝ているはずの潤が現れ、いつもと同じ笑顔を見せた。

気づいていたようだったアルファが父親であることに… だから自分手でこれ以上暴れさせないように誘導をしていたようだった。

会場はおおいに盛り上がり、お開きとなった。


「エレナ いつから母親代わりになったの?」


「11年前からに決まってるだろ。あの子のあの顔は一生死ぬまで忘れやしないさ。」


「だね。あの子来た時は寝るのもお風呂に入るのも怖がって一緒に寝たり入ったりしたっけ? いつ間にか大きくなっちゃったよ… ホント」


「んで、報告書を持ってきたか? やっぱり旧アメリカ陸軍は核ミサイルを何発か用意してる。ベーター用だろうな。」


「トパーズの話では、要塞を立てるつもりだったようだよ。この件はイタリア亡命政府国防省次官のアドリーヌに伝えておいたから問題視されて変な動きは出来ないはず。」


「これで一件落着か。あの後、潤くんが倒れて気がそれた時にはもうどこかに行っていったし、オロチが世界中の蛇に探させてるけどまだ見つけられてないみたい。」


「とりあえず、ヨーロッパの異変は解決したことになる。だが、潤くんをあの状態で八名島に輸送するのはさすがに危険だ。しばらくの滞在を許可しモフドッグルと遊ぶがいい。」


「分かった…」

夏姫は従弟でさえ知らされていなかった衝撃の事実を知り、潤がものすごく嫌な思い出を作り経験しでも、あそこまで笑顔で誰に対しても優しいそんな彼をどうしたら少しでも楽にさせられるのか彼女 いや 神々ですら分からなかった。


「知らぬが仏ということわざがある。知っていればお前、殺してたろ?天照大御神様を」


「うっ… それは…」


「神殺しなんて似合わねぇよ。それに潤が喜ぶと思うか?」


「思わない… だけど…」


エレナは詰め寄った。

「悲観するなとは言わない。だが、潤の前にだけはそんな表情をするな。」


「分かった。」

膝から崩れ落ち、そのまま気絶した。


「軽い記憶制御魔法を使った。しばらくは大人しいはずだ。

一徹さんにはこのこと言うのか? 自治政府首相にして更屋敷財閥総裁のオヤジに」


「自治政府首相はこの件について知ってる。おじいちゃんとして何もしてあげられなかったからね。この学園に入れることにしたみたいだよ。ここで普通の高校生活なんて無理かもしれないけど笑顔が絶やさないようにしたいんじゃないかな?」


「だろうな。さて、アラスカ支部の支部長と会談だ。イタリア亡命政府大統領が烈火のごとく怒っているようでアメリカ亡命政府に対しての議員席の取り上げと国家賠償金請求を行うらしい。」


「うわぁお おかんむりか… こりゃアメリカもしばらくは大人しいかな?」

次回、世界亡命政府会議

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