おっとり巫女のひと時~雅華神社物語3~

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おっとり巫女・小百合

 霊力の取り込みと呪術行使の為に最適化された巫女装束に身を包む、倭国わこくの首都・華蓮かれんの守護者ともいえる雅華神社まさはなじんじゃの巫女達。その装束は胸の谷間やお腹が丸出しになり、横に太ももから膝まで大胆に入った切れ込みのある緋袴と言う非常に際どいものである。

 このような装束に身を包み、尚且つ異性との交遊が禁止されているが故に、この神社に住んでいる巫女達は同性に恋愛感情を向けることが往々にしてある。


 そんな雅華神社の中でも、今年二十歳になったばかりの巫女・小百合さゆりは、そのおっとりとした性格と豊満な身体で後輩達から姉のように慕われている巫女である。栗色の肩まで届くふわふわした髪と、桃色の瞳と言った美しい外見もまた、彼女の人気の一つである。


「す~す~」


 この日も午前中の巡回を終えて昼食をとった彼女は、境内の縁側に腰を下ろし、暇な午後の時間帯を昼寝で過ごしていた。


「みて、小百合お姉さまよ」

「またあそこでお昼寝されてるわ~」

「ねぇねぇ、ぐっすり眠られてることだし、ちょっと、ねぇ」


 通りがかった十八、九歳ほどの四人の巫女達が小百合の姿を見つけると、ひそひそと談笑し始め、何かを決定して同時に首を縦に振ると小百合に近づいてきた。


「ちょ、ちょっとだけです、ごめんなさい……」


 一人の巫女が申し訳なさそうに、しかし興味津々な表情で小百合の巨乳を触り始めた。


「きゃ~、やっぱり小百合様のおっぱいは大きいわ~♡」


 感激した様子で胸を揉み始める巫女。


「わ、私はお姉さまの太ももを……」


 別の巫女は小百合の緋袴の切れ込みからはみ出る彼女の柔らかい太ももを揉んだり撫でたりし始めた。


「私はおなかを……」


 また別の巫女は、小百合のお腹を触り始めた。巫女達は小百合が寝ていることをいいことに、身体のあらゆるところを触り始めた。


 小百合はおっとりとした性格で人気があるのだが、同時に雅華神社でも特に隙だらけな巫女なので、彼女に興味を持っている巫女達からお触りの対象になるのだ。


「こらっ!」

「「「ひっ!」」」


 直後、巫女達の背後から彼女達を叱る鋭い声が聞こえた。振り向くとそこには、腰まで届く美しい真紅の髪を靡かせた、水色の瞳の巫女がいた。


「あ、あかねっ⁉」

「こ、これはその、私達は……」

「分かってるわよ。また小百合様にお触りしたくなったんでしょ? だからと言って許可もなく、ましてお昼寝中にこのようなことをなさるのは、失礼に当たるでしょ?」


 あかねはそう言って巫女達を窘めた。彼女は今年で十八歳になる巫女だが、同期の中でも有数の実力者であり、また規則や規律、礼儀に厳しい巫女として同期や後輩達から恐れられる存在である。


「小百合様なら後でいくらでもあなた達に身体を触らせて下さるでしょうから、今この時にそんなことをするのはよしなさい」

「「「は~い」」」


 あかねに窘められ、巫女達は気怠い挨拶を返しながらその場を後にした。とは言え、規則や礼儀作法に厳しいあかねですら、小百合の身体へのお触りに対して咎めるようなことを言っていないのは、そう言う部分を含めて小百合の魅力であるということを理解しているからだ。彼女が小百合がらみで厳しく言うのは、寝ている最中と言う最も隙だらけな時に際どいお触りをすることのみである。


「う、うう~ん?」

「お目覚めですか? 小百合様」

「あかねちゃん? どうしたの?」

「どうしたの? じゃないですよ。また後輩の子達にあなたの身体が弄ばれてたんですよ?」

「そうだったの? 全然気づかなかったわ~」


 まだうとうとしている小百合はそう言いながら装束を正した。


「後輩達から身体を触られるにしても、無防備すぎますよ?」

「いいじゃない~。あの子達が私に触りたいから触ってるんでしょ?」


 そう言いながら小百合はすっくと立ち上がってお尻をポンポンとはたいた。


「私はあなたの護衛役ではありません。誇りある雅華神社の巫女であれば、自分の身は自分で守るのが基本ですよ?」

「そうだけど、せめて神社の中ではあかねちゃんみたいな凛々しい子に守ってほしいわねぇ~」

「小百合様ったら……」


 能天気な声を上げる小百合に、あかねはやれやれと言わんばかりの表情で頭を抱えた。


「ごめんごめん、ちょっとからかいが過ぎちゃったわね」

「お気になさらず、小百合様のそういうところは、私が新人の巫女としてここに入ったばかりの頃から知ってることです」

「うふふ、あの頃のあかねちゃんは本当に可愛かったわね~♡」


 上品に笑いながらそう言った小百合。実はあかねは小百合の直属の弟子で、同年代でも小百合の趣向や性格をかなり把握しているのだ。そして小百合もまだ未熟で右往左往していた昔のあかねのことを知っている。


「……三年前、初めて雅華神社の巫女としてこの装束に身を包んだときは本当に恥ずかしかったです。見慣れていた光景だったとはいえ、いざ自分が着るとなると、露出が多くて……」

「女の子しかいない神社とは言え、最初は抵抗あるわよね~。あの時の恥ずかしがるあかねちゃんは可愛かったけど~♡」


 そう言いながら小百合は、自分の装束の裾を摘まんだ。


「本当に恥ずかしかったです。こんな格好を自分がするなんて……ですが、小百合様はそんな私達と積極的に触れ合って下さり、装束への抵抗もなくなり、あなた方との任務を通じて神社の巫女達の仕事の難しさとやりがいを教えて頂きました」

「ふふっ、そう言ってもらえると嬉しいわ~」


 そう言いながら小百合はあかねを静かに抱きしめた。


「さ、小百合様っ⁉」

「うう~ん、あかねちゃんって本当に可愛い~……♡ ねぇねぇ」

「はい?」

「昔みたいに、また私に甘えてみる?」

「そ、そんなことを今更……」

「うふふ♡」


 にっこりと微笑む小百合の可愛らしさに、あかねは徐々に押されていた。


「……そうですね、た、たまには//////」


 あかねは遂に折れ、照れながらも久方ぶりに小百合の愛撫を受けることにした。心なしか頬を赤らめながらも微かに笑みを浮かべており、満更ではなかったようだ。


「じゃあ、膝枕で寝てみる?」

「は、はい……」


 縁側に腰を下ろし、ポンポンと膝を叩く小百合に誘われ、あかねは静かに彼女の膝に頭を乗せた。


「どう?」

「……昔を、思い出しますね」

「じゃあ。私がこんなことをしてたのも思い出す?」


 そう言いながら小百合はそっとあかねのお腹に手を伸ばして撫で始めた。


「小百合様っ⁉」


 突然のことに戸惑いの声を上げるあかね。しかし小百合は構わずお腹を撫でる。


「あっ、あっ、さ、小百合様……」

「うふふ、あかねちゃんのこんな反応、久しぶりだわ~♡」


 嬉々として指を動かし続ける小百合。おっとりしている小百合だが、じつは年下の可愛らしい巫女達を触る趣味があるのだ。あかねもまた、かつて小百合に何度もこのようなことをされた一人である。


「小百合様、まだこんなことをなさってるのですか?」

「ええ。今年入った子達も可愛くって、慣れない装束に恥じらう姿を見ると、ついからかいたくなっちゃって♡」

「も、もう//////」


 照れるあかねだが、嫌な気持ちはなかった。寧ろ懐かしさすら感じ始めていた。


「それにぃ~」


 そう言いつつ、小百合はあかねの緋袴の切れ込みに手を入れて太ももを触り始めた。


「きゃん‼」

「こんなことをして驚かれたわね~」


 突然のことに戸惑うあかねを笑顔で見つめつつ手を動かす小百合。緋袴の切れ込みからはみ出る太ももを弄るのは、雅華神社の巫女達にとっては挨拶のような行為なのだが、流石に不意討ちは驚かれるのだ。


「さ、小百合様、あなたって人は……」

「ふふっ、戸惑ってるあかねちゃん、可愛いわ~♡」


 流石にここまでされるとあかねとしては少し反抗心が芽生えてくるものがあった。そこであかねは、すっと右手を伸ばして、白衣からはみ出す小百合のたわわな胸に触れた。


「あら?」

「し、仕返し、です……」


 ささやかながらも大胆な仕返しである。だが小百合は特に驚くこともなく、寧ろ赤面しながらもそんなことをするあかねが可愛良く思えたのか、優しく彼女の頭を撫でた。


「いっぱい触ってもいいのよ~♡」


 軽く受け流されたことで悔しがったあかねは、続けて彼女のお腹をくすぐり始めた。


「うふふ、くすぐったいわ~あかねちゃん。そんないたずらっ子にはぁ……」


 そう言いながら小百合はあかねの太ももをくすぐり始めた。


「きゃんっ⁉」

「可愛いわね~、あかねちゃん♡」

「ううっ、これだけやっても勝てないなんて……」


 どうやっても小百合の余裕な態度を崩すことが出来ないあかね。しかしそんな彼女の心に不快感はなく、寧ろ昔よく小百合とやった戯れを久しぶりにやれて懐かしいという気持ちがあった。


「あかねちゃん、またいつか、こんな風に戯れられればいいわね」

「……たまには、いいかも、です//////」


 素直になれないあかねだが、小百合とのこんな幸せな時間を、またいつか過ごしたいという気持ちも確かだった。


 


 

 


 


 








 


 

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