しなものや
安良巻祐介
春鬼坂の途中にあるその
組み合わされた品々の模様を目で追うだけでも、慣れぬ客なら頭が変になりかけて、無事に済んでもその日は起きられないだろう。
それほどにその店にある階の数々は尊く、はろばろと不可思議であった。
その組み縞を盗むために忍んでくる偸盗も少なくなかったが、それも結局は縞を写し見る前に階の内側へと迷い組んで、縞の一部に織り込まれ、二度と帰ってこないのだった。
こんな恐ろしい
しなものや 安良巻祐介 @aramaki88
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