雨と冬と夜

手袋もせず自転車で

凍る世界を駆け巡る

雨が外套に染みても

書類が皺だらけでも

赤く節々が滲んでも

気にもせずただ走る


私の大切なこの指が

あまりの冷たさ故に

ばらばら散らばって

取れてしまったらば

そしたら私にはもう

今後何も書けぬのだ


想像することその力

何と悲しい物語でも

熱意のこもるその心

私を突き動かすなら

何度雨が濡らそうと

決して冷たくならぬ

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詩集・文集 雨と冬と夜 もなか @monakalover

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