凛咲さんは、いちかちゃんになら本当の自分を見せられるのですね。それは他の人には言えない言葉だけではなく、他の人には見せない行動も。いちかちゃんをほとんど無意識に抱きしめること、同じことを初香さんに無意識にする姿はなかなか想像がつかないのだから不思議です。自分の行動を意識する人、しない人の差って一体なんなのでしょうね。意識するのは恋をしているから?意識しないのは心を許しているから?そのふたつの差ってなんだろう。
でも、一歩前進出来たことはとてもうれしいですね。わずかな一歩でも、踏み出す勇気はきっと相当なものですから。
作者からの返信
桜様、コメントありがとうございます。
恋愛面だけでなく、絵の面でも、凛咲が一歩前進しました。
凛咲がいちかに向けている姿は、限りなく素の自分だと思います。それはこの数ヶ月をかけて築いてきた信頼関係以上に、いちかのスタンスが影響していることでしょう。抱きしめることを「好き」という一つのボールだとすると、いちかは同じサイズの「好き」というボールを返せるのだと思います。だから、心地よい。
一方、初香に対しては恋愛感情が先立って、なかなか自然体でいられない。輝かしい道を行く初香が相手だからこそ、承認欲求もあるかもしれません。
ところで、いちかのボールに例えたコミュニケーションを、萌黄に当てはめると……?
ユキさん、御返信ありがとうございましたm(__)m
お話の続きを失礼します。確かに一歩間違うと省エネに見える技術。しかしユキさんの場合「繰り返しの時間にあっても進んでいく季節」が効果的に(私には)伝わりました。偶然ですが『カンパニュラの恋』の原型のショパンの夜想曲20番、この曲も冒頭のフレーズが繰り返される名曲で、同じフレーズなのに違うんです。ユキさんの小説から、ベルフラワーの揺れる音(すなわち少女たちの心の揺れる音)が、伝わったように思います。
ユキさんのレビューのおかげでしょうか。ひそかに『白百合の病』を読み進め、ご評価くださった方が居られました。過去作品に注目してもらえる機会は、そうそうないので、とても嬉しく思いました。
「絵」は描いている人の心が、分かる人には分かってしまいますね。「遊んでるのか、迷ってるのか、縛られてるのか」……この部分が非常に「少女」らしく感じられました……黙って読み進めようと思いながら、いちいち立ち止まってしまい、すみません。それほどに機微が伝わる作品です。
作者からの返信
ひいな様、コメントありがとうございます。
こうして表現のお話を交わせるのは何とはなく胸が熱くなります。
『白百合の病』を拝読した時も思ったことなのですが、ひいなさんは音楽への造詣が深いのですね。しかも、曲をよく理解した上で、読み書きの感性へと昇華させていらっしゃる。わたしはクラシックに明るくはないので、非常に感心しております。
『白百合の病』は評価されるべくして評価されている作品だと思います。それがわたしのレビューから辿ってこられた方だったとしたら、この上なく嬉しいですね。
花は盛りの少女たちの中でも、凛咲の感性は絵に向いているのですが、ある意味で一番少女らしいのかもしれませんね。また、「わかる人には分かっちゃう」のは音楽にも通づるのだろうと思います。
立ち止まるほど作品に感じ入ってくださって、ひとえに嬉しいです。カクヨムの平均からすると一話一話が多少長く、話数も嵩んできました。ごゆっくり、お楽しみくださればと思います。