第2話
さて、ここまでくると半分くらいは残っててくれてるかな?
まあ、そんなことは置いといて、
「行って来ます」
というがこの言葉は時に恐ろしい。
「行って」
まではいいのだが、問題はその後だ。
何故にその日に安全に帰れるのかわからないのに、戻ってくることを約束できるのか。
何故そこまでして自分を縛るのか。
自分の職業上、そんなことをたびたび考えられずにはいられない。
そう。言い忘れていたが、俺は高校生でありながら既に職に就いている。だから、高校に行く意味もなく、実際週5のうち3〜4日は休んでいる。
本当なら、5日休みたいところを、1〜2日行ってやってるのだから、許して欲しいところだ。
留年になるのは悪くないし永遠の高校生というのも憧れないことはないが、年は偽れない。年下にバカにされるなんて溜まったもんじゃない。
怒りでうっかり殺し兼ねない。
というのは流石に冗談だが、怒りを溜め込むタイプなので、実際にやらないのかと問われれば、自信を持って首を上下に振ることが出来ないのも確かだ。
はっきり言って退学しても、仕事に支障はないのだが、コミュニケーションが取りやすいし、連絡経路の手軽さも考えると、少しは
効率がいい。ザ・高校生っていう顔をしているので、逆に外をふらついているとやたら警察のおっさんに絡まれるし、視線はやたら
気になるし。こういう点も踏まえたところも取り入れて、今の仕事環境はちょうどいいと言える。
と、そんな下らない与太話を少々したところで、後ろの方から気味の悪い、というか気持ち悪い声が飛んできた。
「わーお。今日は珍しく登校かい?通学中に出会うなんて。私たち、運命の人なのかもね?」
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