第2話

祖母は寂しい人だった。

誰も自分の事をわかってくれないと思っていただろう。実際にわからないけど。

すぐに人を信用して、すぐに怒って絶縁するというのを繰り返していた。

自分の別荘に招待して、あの人はあつかましい!と怒るのだから、招待された人もたまったもんじゃない。

孫の私達にもよく、ブチギレて電話をかけてきた。

そこから半年一年会わない事もザラにあった。

私は友達のおばあちゃんが羨ましかった。

おばーちゃーん!と家に行けば、おー○○ちゃん来たのー。と迎え入れてくれるのをみて、私も真似ておばあちゃーん!と家に入ると

「お邪魔します、やろ!!」

と怒鳴られた。孫まで他人なのか、ATフィールド貼りすぎである。

何か気に食わない事を言ってしまうといけないピリピリとした空気に、アスペの母がぶちかます、人間に無関心な祖父は冷淡で話口調はエセ大阪弁の敬語だった。

それでも若くしておばあちゃんになった祖母は、孫に色々としてくれた。

美味しいごはん、所持している船で釣りに出かけたり、別荘で夏休みを過ごしたり、今思えばとんでもない贅沢をさせてくれていた。

でも同時進行で一升瓶をかかえて据わり切った目をしている祖母もいるのだ。

そんな時、カレー食べ。と出されたカレーに、しめじがたっぷり入っていた。

ほぼ生で。

恐ろしい祖母の前で私は無理矢理しめじを食べた。

じっくり煮込まれて高い牛肉がホロホロになった美味しいカレーに、生のしめじ。

吐き気しかない、サクサクギシギシというしめじの食感。

姉にその話をすると、姉はシフォンケーキワンホールを食べろと言われて食べていたらしい。

もちろん食している時は監視付きで、目はギロ、トロン、としている。

日本昔ばなしにでてくる三枚のお札の山姥にそっくり。

こんな事を繰り返しながら私達は、どこかおかしいと感じながらも贅沢で、恐ろしくて、ソワソワする日々を過ごしていくのである。

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うちまだオナニーしてるで @keiko0629

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