馬鹿の音階

花札の鹿が一枚増えていることにだあれも気づかずにいる


中二病的だろ世界の創造をしてみたいとか生きたいだとか


大切な他人は苦い キスをする前には俺のプリンを分ける


傘の柄がぽろぽろ落ちて、青空が崩れる時もこんな感じか


マスク越しに歌う神様 陽炎と喉ぼとけだけきゃらきゅる動く


折り鶴は尻ポケットに入れておく 祈りぐらいは救済になれ


讃美歌が歌えないままバス停で生まれたばかりのかさぶたを剥ぐ


炎天に踵を鳴らす  生きている! ほら見ろ僕の音階を知れ!


フィクションに痛みがあると知ったとき影踏みだけをやりたくなった


僕たちは渇望なのだ 夕景に満ちた線路をつくり続ける

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賛美歌が歌えない 桜枝 巧 @ouetakumi

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