第四幕 蠍座の女とスルメが良い女の違いを原稿用紙3枚で説明しなさい。って課題です


 戦艦はこの「想像国家」の港に入港する。工事はもう終わっている。

 新人賞を取った小説へのファンになる予定の観光客のツアーが予定されているのだが、政情不安定を理由に渡航延期命令が出ているのだ。皆港に足止めをくらっている。港はそれを書いた小説家の魂。

 葛木麿実とゴレイザー、六人の『始末屋イレイザー』は、教育大臣の指令待ちで待機している。

 僕達は羅王尼様に見送られて内部に潜入した。軍の将校アルバス=バマック大佐が案内役となり、軍差し回しのヘリでこのコロニーの北部にある羅山の頂上へと向かう。

「愛王流花のリコールを狙っているとの噂もありますし、この国家の想像主である彼女を追い落とそうとしている一派がクーデターを起こすとの情報もあります」

「そうですか」と言って、編集長が後部座席を振り返る。

 新人賞を受賞したこの小説を絶対存続させろと命令が出ている。皆愛王流花さんに同情して彼女を救いたがっているのだ。

「乃白瑠君。今日は『威羅主斗霊陀》』の龍善氏我王君がいない。もし剣皇を召喚するなら、微細な特徴まで『剣皇文庫』に書かなければならないぞ」

 今日は再オーディションの日だった。この小説の登場人物のロールプレイをする役者を決める為のものだ。

 しかしこれはゲームではない。修行なのだ。道筋を作ってくれたオリジナルを信じた人達。その人のファン。オリジナルは引退して、次の未来の人生に行かねばならない。しかし過去では、その人の人生を送る本体がいなくなるのだから、どうしても人は自分の弟子、次の自分を創造する。自分の獲得した人生の奥義を受け渡すに足る人物を見つけて、バトンタッチしなくてはならない。その為のオーディションだった。

 明らかに神ヴァロアのモデルは甲乙龍之介だ。その役をやる事になっていたのは、男性を愛王流花さんは拒絶している。それほど愛王流花さんは甲乙龍之介を愛していた。

 そしてこの会場に、獣化した愛王流花さんのさ迷える魂が来るだろうと踏んでいるのだ。

 僕達の乗る軍用ヘリはヘリポートに到着する。オーディションは既に始まっていた。後は神ヴァロアの役を決めるだけだった。現場に着いた僕達は頂上の地下にあるコンピュータールームに入り、事の成り行きを見守っていた。既にタータン役、ロゼリア=ファミーレル役、端役まで決まっていて、彼らは此処に集められていた。

「僕にアイデアがあるんですけど」

 僕は編集長に自分のアイデアを言った。

「楓さん。ちょっとこの『想像思惟娘そうぞうしいにゃん』と手を繋いでくれる?」

「あ、はい」



「編集長、上手く行きますかねぇ」

 僕の声に反応する編集長と小桜さんが観衆に紛れ込む。

「持ち場についたか」

 アルバス大佐のトランシーバーに各自応答する。

 観衆のどよめきがウェーブとなって感情を襲う。舞台で誰かが登場したのだ。

 一体誰が? そう、その正体は。

「甲乙龍之介さん?!」

 僕の隣に居た楓さんが声をあげる。

 甲乙龍之介の姿を見て驚愕する観衆の中で一人、フード付きのローブを纏った男がその鋭い眼光で舞台の上にいる甲乙龍之介を見据えていた。

 甲乙龍之介。『象魔大戦』を引き起こした伝説のファンタジー小説家だ。

 その大戦は甲乙龍之介が率いる『悪化想像国家』側の負けで終わった。だが、どうして此処にその甲乙龍之介が現れたのだ?

「乃白瑠さん! どういう事ですか?!」

「実はあの人偽者なんだ。楓さんには知らせなかったけど。あの人、『想像思惟娘』が変化した姿。そう。羅王尼様から貰った形状記憶スライムは、その人の記憶から取り出した人間になる事が出来るんだ」

「で、誰の記憶から取り出したんですか?」

「あなたのよ。手を繋いだでしょ」と、小桜さんが眼鏡をくいっと上げる。

「きっと流花さんは、この映像を見たら此処に来る筈なんです。楓さん。目を瞑って甲乙龍之介さんの映像を思い浮かべてくれますか? あなたは流花さんの双子の妹です。テレパシーが同調する筈ですから」

「あ、そうか!」

 楓さんは目を閉じ、精神集中をして心の中に甲乙龍之介さんの姿を思い浮かべた。

 僕の予想通りの展開になったのは、そのすぐ直後だった。

 それほどまでに流花さんは龍之介さんの事を愛しているのだろう。


「龍之介さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」


 絶叫交じりの声が、此処に住む全ての人間の心に響いてきた。

 心の糧。愛という感情が持つ全てのカルマが一点に集約し、強烈に好きだという思い出となって心理の表層に現れては消えて行く。忘れる事は出来るか。いや出来ない。

 初恋? そうだ。愛王流花さんにとって甲乙龍之介さんは存在全てで愛したいという至高の想い人なのだ。純愛と言っていい。

 盲目の愛王流花さんにとって現実に見た事はない恋人。自分の想像力と同調させて、妹である楓さんのビジョンを通じてしか見る事が出来ない存在だったのだ。その思いを、此処の住人は皆知っている。だから、皆想像主である流花さんに協力しているのだ。

 僕達はまず、愛王流花さんとの対話を試みる。

「楓ちゃん!」

「はい!」

 楓さんを連れて僕達は舞台に上がった。その時だった。鬼神化してしまった流花さんの巨大な霊体が突風を引き連れて現れた。何処から?! 楓さんの心の中からだった。

「姉さん!」 

 甲乙龍之介さんの姿をした『想像思惟娘そうぞうしいにゃん』の側にいる楓さんに襲いかかる流花さん。

「私の龍之介さんに近づかないで!」

「姉さん! 私よ! 楓よ!」

「楓?! 私の龍之介さんを取るつもり?!」

 僕は龍之介さんを姉妹で取り合っていた事は知らない。ただの勘違いなのかもしれないが、明らかに流花さんは龍之介さんを妹に取られると思っていたようだ。

「楓さん下がって!」

 カレンな姿の楓さんの流麗な双眸に涙が滲む。

 僕は懐から『剣劇文庫』を取り出し、胸にぶら下げておいた剣型のペンをペンダントから引きちぎる。そして『剣劇文庫』の白紙のページに文字を書く。

 『剣劇文庫』。それは書いた登場人物が自律的に殺陣の流れを現実化してゆく剣術の仕合の流れ。細部まで殺陣の流れを書き込まなくても、その流派同士の仕合の中で相応して太刀筋が描かれてゆく。剣劇文庫……。

 筆記 「右刀に阿、左刀にも阿。そを統べるは宮本武蔵! 出でよ!」

 剣皇の召喚。

 筆記 「右刀の武士もののふ、半身に緋甲冑! 左刀の武士もののふ黒甲冑! 緋色と漆黒、兜を纏う剣劇の王に告げる!」

 今日は『威羅主斗霊陀』の龍善氏我王君がいないから、単に「剣皇! 出でよ」と言う言葉だけじゃダメだった。故にどんな相貌をしているかを書かなければならない。

 色まで指定した。

 剣皇の輪郭が完成し、色塗り妖精が出現して色を塗り始めた。

 校閲 「認めましょう!」

 承認 「追承認しよう!」

 小桜さんが校閲して編集長が承認する。この手続きを取って現れるのが『剣劇文庫』に宿っている聖霊、剣皇だった。

「若! お呼びで!」

 出現した剣皇に僕は楓さんを守るように命じた。


「キャア! 姉さん! 止めて!」


筆記 「剣皇! 巨大な霊だ! 如意刀を使え!」

校閲 「そうね! 認めましょう!」

承認 「OKだ!」


「はっ!」

 説明すると、如意刀とは本体である宮本武蔵の持つ左と左の刀が人型をし、その人型が持つ刀をから人型が生えてというように、どんどんどんどん伸びていく刀の樹。 

 より巨大な敵と戦う事の出来る機構を言う。これが魔剣の樹。剣の樹系図だ。剣術流派の弟子から弟子へ……。

 その剣の樹から分離した武士もののふ達が流花に襲いかかる。

 獣化した流花さんの鋭い鉤爪の攻撃を刀でしのぐ剣皇。

 流花さんは泣きながら楓さんを襲おうとする。

 心の中で泣いている? 理性が明らかに憎悪を抑止しようとしている。

 だが体が言う事をきかないのだ。

 今度は楓さんを襲おうとする流花。


「止めて、姉さん!」

「止めるんだ、流花!」


 姉の流花さんは、甲乙龍之介さんに変化した「想像思惟娘」に襲いかかる!

「龍之介さん!」

 いや、襲いかかったわけではない。憑依合身だ。霊体である流花さんが、「想像思惟娘」と合体した。

 流花さんと楓さんという双子の姉妹が、一人の男を取り合う。

 剣皇は両者の間に割って入り、何とかその悲劇を止めようとした。

 『想像思惟娘そうぞうしいにゃん』と合体した流花さんは、その体を変化させる。想像力の塊のような流花さんの思考は、一番強いと思われるモンスターへとその体を変化させた。

 会場は大混乱に陥り、右往左往していた。蜘蛛の子を散らすように逃げ去る観衆。

 だがその流れに逆らって一人の男が舞台上へと向かう。フード付きの茶褐色のローブを纏っていたあの男の事だ。

 モンスター化した『想像思惟娘そうぞうしいにゃん』の攻撃は凄まじかった。いたるところから角が生え、抱きつき攻撃を行う。

「ぐはっ!」

 本体の宮本武蔵が刀を落とす。

 此処は山の頂上だ。逃げ出す事の出来なくなった観客が人間雪崩となって滑り落ちて行く。そのせいでアルバス=バマック大佐達、軍隊も中々舞台に辿りつけない。

 体中に傷を受け、片膝をつくのは剣皇だ。

 楓さんを守るのは、僕と小桜さんと編集長の3人だ。前に立ち塞がったが、鉤爪のついた手刀のひとなぎで、僕達はもんどり打って倒れ込む。震える楓さん。泣きながら、流花さんに許しを乞う楓さん。


「姉さん! 許して! 結末を変えてしまって!」

「駄目! 許せない!」

「御免なさい!」

「絶対、駄目!」


 楓さんを前にして興奮した流花さんが、手刀を振り下ろそうとする!

 その瞬間だった。一人の男の手がそれを受け止めた。


「だぁれぇだぁっっっっっっっっっっ!?」


 臓腑から絞り尽くした内液でドロドロに溶かしたような腐臭を匂わす言葉が憎しみを増長させて現れた。


「・・・・・・私だよ。流花…」


「龍之介さん?!」


 途端に嬉々とした声色で男の名前を呼んだ。

 そしてその後ろ。フードを取る男の声に反応したのは、小桜さんだった。


「り、龍之介……」


 知っている。小桜さんは彼の事を知っている……。


 甲乙龍之介。伝説のファンタジー小説家。そしてこの『想像世界』では忌まわしい名前。

 そうだ。『象魔大戦』を引き起こした張本人だったのだ。

 しかし甲乙龍之介さんの魂は消滅してしまった筈だ。だが、どうして此処にいるんだ?

 小桜さんと龍之介さんとの事は聞いている。交際していた事があるという事実をだ。


「龍之介! あたしよ! 小桜よ!」

 小桜さんが絶叫交じりに嘆きの声をあげる。だが、それを聞いた流花さんが、


「誰よぉ!?」

 そして、今度は小桜さんに襲いかかる。

「止めろ!」


「はい……」


 素直に従った流花さん? 『想像思惟娘そうぞうしいにゃん』は少女の姿に戻る。


「久しぶりだな。流花」


「はい!」

 泣きながら縋り付く流花さんと龍之介。


 だが、時代はこのラブシーンを許してはくれなかった。


「っ! 危ないっ!」


 流花を庇って前へ出る龍之介。一発の銃弾が龍之介のハートを貫く。

 アルバス=バマック大佐。クーデターの首謀者。

「クッ!」

「龍之介さん!」

「危ない! 流花! 私の中に入れ!」

「はい!」


 流花さんは僕達の前で甲乙龍之介の体に憑依合身した。途端に龍之介の身体が光り輝き始める。

 ガンマ光子の光。陽電子を放射する如来の肉体に合体して対消滅する。その浄化の光り……。正と負の粒子がプラズマとして格子状に並列する時、時間は停止する。分子運動すら停止する時、時間は永遠となってしまう。

 キリスト教が永遠の天国を謳いながら、その肉体がそのまま永遠でいる事を拷問とする人たちもいる。果たして人間は、天でキリストが即位した時に停止した時の姿で永遠に存在したいのだろうか……?

 見る見る内に、呪いが外れ、流化さんの肉体が元に戻り始める……。 


「うわぁッ!」


 そして、龍之介の胸の傷も治癒してゆく。

「大佐! どうして撃ったんだ!」

 大佐の事をカーネルと言うが、サンダース大佐がカーネル・サンダースの意味だ。

 アリーナ席でまだ銃を構えているアルバス=バマック大佐を僕は問い詰めた。

「政権を愛王楓様に委譲して貰う! 彼女が主人公ルル役だ!」

 この山の頂上に向かって、軍用ヘリがバラバラと迫って来た。

 愛王楓さん。『魔法がきこえる ~南風の足音~』を書いたもう一人の想像主。


「えっ?! どういう事ですか?!」

「主の山には備えがある。その予備とは楓様の事だ。双子こそ主の備え!」


「楓!」

 龍之介が楓さんを引き寄せ、抱擁する。


「っ! 離れろ!」

 僕は怒声をあげた。楓さんも龍之介の胸に手を当てて、無理矢理引き剥がした。


「私はあなたじゃなく、この人が好きなんです!」

 楓さんが僕の許に走り寄って来た。

「えっ?! 僕!」

「……と、いう事だ。流花。わかったな?」

「信じられない! じゃあ、どうして楓から産まれた『想像思惟娘そうぞうしいにゃん』が龍之介さんの姿に変化したの?!」

「知ってたんですか?!」

 僕は声高に叫んだ。

「この想像国家に来た人の心と会話は全部私に伝わるわ!」

「そんな! 確かに私は龍之介さんを好きだったけど、今は乃白瑠さんが好きなんです!」

 想像思惟娘は手を繋いだ人の一番好きだった人の姿に変化出来る。

「大丈夫だよ! 流花さんが楓さんに取り憑いていて、龍之介さんを産んだんだから!」

 僕は必死に説得を試みる。

「あっ! そうか!」

「安心か? 流花!」

 甲乙龍之介は薔薇色の微笑みを浮かべた。

「はい!」

 安心した流花の涙交じりの声がこの『想像国家』の全ての住人に聞こえたそうだ。


「ありがとう。バマック大佐……」

「いえ……。これでよかったのですね」

 意味深な会話を交わす龍之介さんとバマック大佐だった……。


 龍之介が自分の姿をした『想像思惟娘』と握手をする。すると全く同じ姿になった。

「見分けがつくか。流花! 楓!」


「つきます」

 流花が答えた。双子を見分ける。姿は同じ。ユダヤの太祖ヤコブの二人の妻、レアとラケル。レアは間違え、ラケルは間違えなかった。

 楓さんの思いに触れた、澱みない白い清浄なる空気の爽やかさが、全員に伝わり、このドラマの行く末を見届けたいと泣いた。

 僕に手を差し伸べる甲乙龍之介さん。


 握手。


 この握手が歴史を変える事になろうとは、その時はまだ僕も皆もわからなかった。


 それを見つめていた編集長が龍之介に訊く。

「龍之介! お前の魂は消去された筈だ!」

 その問いに答える龍之介の瞳に侮蔑の灯火が浮かび、憎悪の荒ぶりに紅蓮が泣き叫ぶ。二人には浅からぬ因縁があった。

「それは私の荒霊だ」

 神道の教義に四魂一霊という理論がある。和魂と荒魂と奇魂と幸魂の四つの魂が人間の魂を形作っているというものだ。

「そして、私は今新たなる魂を得た。これで私もま完全体になれる!」

 その魂は、愛王流花さんの魂の事だった。

「もう一人の私も貰って行く」

 甲乙龍之介はそれだけ言って、愛王流花さんと一緒に突然消えた。トリップ・アウトしたのだろう。意識が実際の肉体に戻ったのだ。

 羅王尼様から貰った、甲乙龍之介に変体した『想像思惟娘そうぞうしいにゃん』も一緒にいなくなってしまった……。

 楓とはメープル。カナダの国旗の楓の葉。

 樹々の樹皮を恣意的に傷つけると、そこから樹液が滲み出す。木々の樹皮を傷付けると、その木の実は完熟し、糖度を高くする。

 鞭と飴。痛さと快感を交互にする事で、人の感情を引き留めようとする行為はある意味勘違いもされてしまう。

 冷たくする感情は、冷たくする人に気に入られようとする感情の流れを生むが、それは恣意的な恋愛戦略でない場合が多い。

 紅葉する秋。黄色や赤へ呈色する葉。

 昼夜の時間で、夜の時間が長くなり始める時節は秋分の日……。

 イエス・キリストの誕生日とされる時節が秋であったという説と、9月29日が聖ミカエルの祝日とするフランス・カトリックの暦で、太陰暦であったヘブライの暦で、9月29日が秋分の日であった年が恐らくイエス・キリストの本当の生年月日であろうという特定方法は、一年を春分の日の過ぎ越しの祭りと秋分の日で二分する暦と、夏至と冬至で二分する、春夏秋冬を一年のグランドクロスとして固定する事で、暦道とする時、太陽と月の昼間の合体である日食を基準とする。

 夏至の6月24日頃、洗礼のヨハネの祝日が6月24日であり、冬至の12月23日頃の12月25日のXmasは、X=10のmasであって、トマス=双子を意味するギリシャ語。

 デドモ・ユダ・トマスとされるイエスの弟と目された使徒トマスは、ヘブライ・アラム語で双子を意味するデドモの名前を持つ。

 デドモ・ユダ・トマスはインドまで伝道し、そこで槍で刺されて死んでいる。

 カシウス・ロンギヌスとは、7月の皇帝だったジュリアス・シーザーを裏切った男。カシウス・ロンギヌスの裏切りは想定していたシーザーも、ブルータス! お前迄裏切ったのか?! とブルータスの裏切りは想定外だった7月の皇帝ジュリアス。

 オウギュストであって、アウグストウスであって、オクタビアヌスである8月の皇帝とジュライの皇帝=ジュリアス・シーザーとユリウス暦。

 クレオパトラ7世がローマへ太陽女王として入京した時、エジプトの女性太陽が、ローマの太陰暦で満月の興奮の狼男を鎮めたのは、狂犬病が水を怖がり、洗礼の儀式で水をトンスラ(頭頂部の月代さかやき)に水を注ぎ、狼男の流涎症を鎮める時、悪魔祓いは完成する。異常な精神状態を鎮める医学的な対処療法が、悪魔祓いとされたのだ。

 嚥下障害。飲み下す事を嚥下と言うが、狂犬病に罹患した存在は嚥下を恐怖する。飲み下す時の喉で違和感を覚える時、その感覚の主が自分の唾液を惚れ薬として混入させている時、異質な唾液が別の存在が消化する固有のアミラーゼとして、食物アレルギーを個別に持つ存在同士の消化物不一致が流涎症として膵炎の兆候に診断される時、唾液で感染するピロリ菌と、胃潰瘍と胃癌の関係をピロリ菌と関係づけた医学者のノーベル賞通りに、ウレアーゼ酵素を持つナタマメ等の植物と、ウレア=ユリアージュリアとしての尿素回路は、酸を中和するアルカリ性の反応として、正と負を中和する。だから胃液が強酸でなくなり、消化不良のまま喉を逆流するのだ。

 胃液で消化出来ないものが胃の洗浄で元に戻り、また胃の中の物を吐瀉物として吐き出せるなら、それは牛が二つの胃を持ち、一度咀嚼して食べた物をまた吐き出してまた戻す事をする動物であって、ユダヤ教が食べてもよいとする動物類なのだ。

 尿素回路が機能せず、肝臓が窒素化合物をアンモニアとして、またアンモニアから尿酸、尿素へ変換する事が出来ないと、脳内にアンモニアや窒素化合物の影響で、脳は委縮し、運動機能障害を持つ。尿路結石で牛が尿素として排泄出来ない排泄障害があった時、恐らく牛の脳は異常プリオンとして遺伝子のないたんぱく質を作り出し、正常プリオンとは違う脳内にスポンジのような空洞構造を作る。酸素をエネルギーとする脳内で血液中で二酸化炭素濃度が高くなる時、牛が運動機能障害から反芻出来ない状態が口呼吸障害を生み、血中の二酸化炭素濃度が高くなる時、血中の尿素の数値が低くなるのは、アンモニアから尿素への変換が出来ないから。

 クロノスに石を食べさせて、ハデスとポセイドンを吐き出させたゼウス。ゼウスは牛の姿を取る場合もあり、ジュピターとゼウスが牡牛の姿でエウロパと交わったとされる。エウロパとはヨーロッパの事だ。

 牛が石を飲み込むのは、胃の中で消化活動を助ける為だ。異物がある時、胃は消化しようと胃液を盛んに分泌する。

 ローマのペテロ。世界の最後に現れる最後のローマ法皇を、聖マラキ予言書ではリーマのペテロと予言する。

 12世紀のアイルランドの大司教、マエル・マエドック・ウル・モルガイルと言う大司教が残したローマ法皇に対する予言。

 12世紀のセレステイン2世を初代としてカウントした時、110代目が労働者の太陽と予言されたヨハネ・パウロ2世猊下であった。

 共産主義の国ポーランド出身で、労働者の天国とされたその国から生まれた法皇は共産主義に理解があった方だった。

 戦後共産主義との融和を図ろうとしたヨハンネス23世からヨハネ・パウロ1世の不可解な死を受けて即位したヨハネ・パウロ2世猊下。

 オリーブの栄光とされたベデイクト16世猊下を経て、イエズス会出身のフランチェスコ法皇と、フランシスコ・ザビエル(シャビエル)はバスク人だった。

 鳥インフエルエンザがスペイン風邪として死者を出したスペイン。共産主義国家として第二次大戦には不参加だったスペインだが、そのスペイン料理と烏賊墨。

 流涎症と竜涎香。鯨の腸内で見つかる竜涎香は、烏賊の嘴が病的変成をしたものだとも言う。

 烏賊の嘴。フェロモンは性的に人を感化する。竜涎香。炙った烏賊のスルメが口の中の唾液を戻すのか、それとも梅干し殿下が戻すのか?

 大空の梅干しにパパが昇る時。トンボとカエルが結婚するのがどういう暗号なのかと、真剣に考えたら、赤塚不二夫さんのギャグは、何かトンデモナイ暗号として、世界的に出版されるかもしれない……。

 テクマクマヤコン テクマクマヤコン。 

 ラミパス ラミパス ルルルル。

 スーパーミラーで戻る時、ミラーニューロンが脳内で誰かの存在を脳内でコピーsる時、その自分に生じる別の人格の元を糺せば、他人格を乖離させ、本来の自分に戻る。

 誰かになりたい・・・・・。誰かに同化したいと思う他者を自分から追い出す為に、ミラーニューロン回路を遮断出来ればいい。

 目を合わせない。また画面上の写真を見つめる時の現象が、その目を通して他の画面に伝染するなら、その画面をひっくり返せばいいのだ。

 普段自分を映す鏡を水で洗う。手鏡を見て、その手鏡を洗えば、他人の顔が自分ん上書きする事もされる事もなくなる。

 本来の自分の静寂な心になれば、平穏な心的世界が戻ってくる。

 双子の場合のシンクロを除いて・・・・・・。

 片一方は肉食をし、片一方は菜食となった、エサウとヤコブの双子。ヤコブが争った相撲相手が独り相撲なら、姿の見えない精神的葛藤の相手は、双子のエサウだったろう。

 流花と楓。双子の姉妹。風で木の花が流れる……。

 同じ男性を好きになった双子の姉妹が、入れ替わる時、一人は二人で、二人は一人。一人芝居になっていても、Wの悲劇を演じる女優が、誰かの不倫をもみ消す新進女優だったとしても、最後の幕が上がる時、そこで演じる主演女優が、アダルト的か、貞淑なのか? 

 アフロデイーテとアテナの関係が、性的奔放で唾液を交換する美女なのか、それとも金星の処女神として、美人でありながら貞淑であったパラス・アテナが求める男性が、太陽の存在なのか、それとも……。

 蠍座が鷲座でグランドクロスのその後で、アンタレスを意味するアンチ・アレスは、アフロデイーテと浮気をしたマルスであって火星の男のアレスを抑えるアンタレスは蠍座だから、蠍座のスコーピオン・デスロックで、喉をチョークする時に、喉の違和感治るのかしら……って、書いてみた。

  

















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