第十四話 人生3度目の死の危機

「ギャォォォォォォ!!!」


フェニックスが俺たちに威嚇する。


俺はスキルの『みやぶる』でフェニックスを調べる。



フェニックス Lv71


HP:36000 MP:1200


攻撃力:382 防御力:1090


魔力:2650 運:9



ヤバい。


絶対に勝てない。


運以外高すぎるだろこれ。


俺はスキル『超加速』を使って戦闘から逃げようとする。


ゴンッ。


俺は何かにぶつかる。


しかし、俺の目の前には何もないのだ。


どういうことだ?


すると、俺の前にウィンドウが出る。


そこにはこう書かれていた。


【ボスとの戦闘では逃げられません。戦闘者は見えない壁で囲まれています】


終わった。


完全に詰んだ。


俺は絶望感に襲われる。


「ウォール!」


ミルが俺たちに何かの魔法をかける。


「諦めないでください! 全力で抗って、この場を切り抜けましょう!」


ミルが俺たちを勇気付ける。


「あぁ、そうだな。 ユウキ、お前はそこで見ていろ。 すぐに終わらしてやる」


そう言うとガイコスは手から氷系の魔法を放つ。


しかし、フェニックスはひるむどころか、まったくダメージを喰らっていない。


ミルはありとあらゆる支援魔法をガイコスにかける。


それでもフェニックスまったくダメージが通らない。


「ギャォォォォォ!!!」


フェニックスは火炎系の魔法をミルとガイコスに放つ。


「ぐわぁぁぁ!」


「きゃぁぁぁぁ!」


二人は大ダメージを受ける。


ガイコスの残りHPは32、ミルは12になってしまった。


何か、何か策は無いのだろうか?


こんなに二人が頑張っているのに俺は見殺しにするのか?


また罪を犯してしまうのだろうか?


勇樹は必死に二人を助ける方法考えていると。


「カオス・ブリザード!」


誰かがそう叫ぶ。


「ギャォォォォ!」


フェニックスは氷に包まれ、大ダメージを受ける。


「シャイン・クロニクル!」


先程の人とは違う誰かがそう叫ぶと、高く飛び上がり、フェニックスを剣で思いっきり斬り裂く。


「ギャォォォォォ!!」


宙を飛んでいたフェニックスは地面に落ち、『誰か』の経験値となりながら消えていく。


俺の右腕を落としながら。


俺は先程の『誰か』の事が気になり、『誰か』の顔を見ようとする。


それは、見覚えのある顔だった。


先程のフェニックスを剣で斬り裂いた『誰か』の正体はもう一人の俺、『勇者ユウキ』だったという事が判明した。


俺はミルとガイコスを体で『隠れろ』とジェスチャーして隠れさせる。


「やったわね!」


勇者ユウキの仲間の魔法使いが言う。


先程の魔法を放ったのはたぶんこの魔法使いだろう。


「よっしゃ! じゃあさっそく鳳凰の剣を手に入れようぜ!」


仲間の盗賊の男が言う。


なんだ鳳凰の剣って?


「ヒデン・パシッジ!」


盗賊の男がそう叫ぶ。


なんだその変な呪文。


小学生かよ。


いや小学生でもそんなこと言わないわ。


そんなことを思っていると、突然、祭壇の近くに地下通路が現れる。


勇者ユウキ達はその地下通路に入っていった。


5分後。


勇者ユウキ達は地下通路から出てくると、赤い大剣を持って俺達がいる場所から出て行った。


「はぁ…。 なんとかなったぜ…。」


俺は安心して地面に座り込む。


「なぁ、なんで急に隠れたんだ?」


ガイコスが俺に質問をする。


「え? だって俺達モンスターだし、まぁなんか会ったら気まずいって感じかな?」


「なんだそれ。 まぁいい。 早くお前の腕を治すぞ」


そう言うと、ガイコスはフェニックスが落とした俺の右腕を拾い、祭壇に置く。


俺は祭壇に近づく。


すると突然、俺の右腕と俺の体が赤く発光し始め、眩しい光に包まれる。


俺は、あまりの眩しさに目を閉じる。


目を開けると、いつの間にか俺の右腕は治っていた。

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異世界転移したらゴブリンだったので、とりあえず魔王討伐を目指してみる @tonkatu3510

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