第12話 速攻バレちゃったし………
「げげっ!なんでここに………!?」
まさかの白百合に遭遇。しかもこっちに気づいていない。
「おぉ!やはり神様は俺に味方してくれている!」
「ちょっ………!お前待て!」
まずい。俺は瞬時に脳みそをフル回転させた。
ここで雷太がアプローチして、俺が手伝ってることがバレたら………
(「はぁ~ やっぱり羽田君もそういうことする人だったんだ………」
「ち、違うんだ!こ、これは………」
「あなたに家庭教師を頼んだのが間違っていたのね………」)
俺は息をゴクリと飲んだ。あぁ~!即刻クビだ。これはかなりまずい。しかも嫌われる。友達として嫌われるのは今はまずい。うん。もちろん恋愛感情では一切ない。
これはなんとしても雷太を止めなければ!
「よっしゃ~!早速アプローチだ!」
「だからお前はちょっと待て💢~!」
■◆◇
「いいか?こういう時のアプローチっつうのはなぁ………」
俺はなんとかこの場を穏便に済ませようと、必死に雷太を説き伏せようとした。さっきの状況が目に浮かぶたびに、冷や汗が流れ落ちる。
「あのな……… 言っちゃあ悪ぃが、お前こういう経験ねぇだろ?」
「うっ………」
イタイところを突かれた。
そう。俺は恋愛経験ゼロの、まさに彼女いない歴=年齢ってやつだ。
俺だって憧れなかった訳ではない。
ただ4年の時………
「羽田ってさぁ。恋愛経験なさそうだよね~」
「そうそう。まるで女子が苦手って感じ?」
「好きな人とかいないわけ?」
「ははは。一生独身って感じ?」
「はは………」
俺は苦笑いをし取り繕ったが、ここで俺のガラスのハートが砕け散り、もはや鉄のハートへと進化してしまった。
その時からというもの。女子に話しかけられるたびに怯え、恋愛感情などというものは皆無となってしまった。
「で、でもだな………」
「ははは。ここは恋愛プロの俺に任せたまえ」
やばい。ここ一番に雷太が危険に見える。ここで雷太と白百合の関係を悪化させる訳にはいかない。
「も、もうちょっと待たねえか?」
「嫌だね。じゃあいっちょ行ってきます」
「だ、だから待て〜!」
俺は気づけば立ち上がって叫んでいた。
「は、羽田君!」
「おっ!羽田じゃん!」
顔中から冷や汗が吹き出る。
やってしまった……………
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次回の更新は3月29日となります。
隣に座っている美少女が実は偏差値35のおバカさんなので家庭教師することになりました GOD9999 @GOD9999
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