最終話
あれから5年…。私たちは今日、結婚式を挙げる。ウエディングドレスを着て鏡を見る。
「星来、きれいだよ~。」
「こんな日が来るなんて…うっ、うっ…」
「天野さん、泣くのは早いですよ。」
控室には私、お母さんと南十星くんのお母さん、愛良ちゃんがいた。
「ありがとう、なんだか恥ずかしいね。」
「そんなことないよ!私もいつか着てみたいな…。」
「愛良ちゃんはすぐだよ。ほら、凛久くんと。」
そう、いつの間にか凛久くんと愛良ちゃんはお付き合いを始めていた。最近それを知ってすごくびっくりした。
「あ、そんなこと言う?いいよ。なら男性陣呼んじゃうから。」
「わー!待って、待って!!」
「待ちませーん。…おーい、入っていいよー!!」
「はーい。」
そう言って皆が入って来た。
「…」
お父さんは泣き出し、それをお兄ちゃんと南十星くんのお父さんがなだめて、凛久くんは目を輝かせて南十星くんは固まってた。
「おい、南十星。ここはお前が何か言うところだぞ!」
凛久くんに肘でつつかれて南十星はこっちに来た。南十星くんの白いタキシード、かっこいな…。
「その、えっと…。き、きれいだな…。」
「そ、そう…?その、無理して言ってるわけじゃない?」
「そんなことはないぞ!!その、あんまりきれいでびっくりした…。」
「あ、ありがとう…。南十星くんもかっこいいよ…。」
「あ、ありがと…。」
お互いに照れ合って中々言葉が出てこない。そんな私たちを凛久くんと愛良ちゃんはニヤニヤしながら見ていた。
コンコンと控えめなノック音が聞こえる。
「そろそろお時間です。」
「はい!」
式場の人にそう言われて返事をする。
「さて、じゃあ、行くか。」
そう言って南十星くんが手を差し出してくれる。
「うん!」
その手を私はしっかりと握る。
そして私たちは、未来に向かって歩き出したんだ。
夏の夜空に流れる星 雪野 ゆずり @yuzuri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます