第322話 マリーさんのナマ乳

「ハル殿、やっぱりいい腹筋してますね〜……えへえへ」


 そう言って下心丸出しのゲス顔で俺の腹筋を撫で撫でしてくるのは、幼馴染にして恋人でもうじき結婚する予定のメイだ。今、俺達はハイトブルクの屋敷の大浴場入り口にある脱衣所にいる。俺はすべての服を脱いで完全なるすっぽんぽんであり、俺の腹を撫でてくるメイもまた生まれたままの姿なのであった。

 鍛えているので俺の腹筋はなかなかに綺麗に割れており、我ながら男性的魅力に満ち溢れている自信はあるんだが……なんというか、こういう感じで幼馴染の劣情を思いっきりぶつけられると微妙な気持ちにならないわけではない。

 ただ、やはり恋人の俺に興奮してくれるのは嬉しいし、何より前世の記憶もあって女性に見向きもされない悲しみを知っているので、全体的には喜びのほうが大きい俺である。


「メイはぷにぷにだな」


 メイの腹を触り返すと、柔らかくて滑らかな感触が返ってきた。うーん、柔らかい。


「わ、私はインドア派だから別にこれでいいんであります!」


 まあ確かに腹筋バキバキのメイってのも違和感ありまくりだからな。メイは柔らかくてふにふにの今の姿が一番可愛い。


「わたしにも触らせて」


 そんな俺達の様子を見ていたイリスが、下着姿のままこちらに近寄ってくる。彼女もまたすらっと引き締まっていながら女性的な柔らかさを留めた理想的な体型をしており、実に抱き心地の良い素晴らしい身体の持ち主だ。


「ふんっ! どうだ、カッコいいだろ」


 ボディビルダーのようにアブドミナル・アンド・サイと呼ばれるポーズを取って腹筋と胸筋に力を入れて見せると、イリスの目の色が変わった。


「とてもエッチ」


 イリスの手の動きが急にねちっこくいやらしいものに変わる。なんだか凄くこそばゆい。


「はわわわ……、お、大人です! 凄くいかがわしいやりとりですっ」


 そう言って両手で顔を隠しつつも指の隙間からばっちりこちらを見つめてきているユリアーネ。流されるままに脱衣所へとやってきた彼女だが、まだ服を着たままだ。流石に脱ぐのは恥ずかしいらしい。その割には俺達のやりとり及び俺の股間を凝視しているので、ユリアーネはむっつりであることが確定した。


「皆、私の旦那にメロメロのようね!」


 虹色に輝く金髪をかき分け、惜しげもなくナイスバディを見せつけながらなんだか嬉しそうにそう言うリリー。嫉妬するのかと思いきや、どうも皆にモテモテの俺が自分の旦那ということが誇らしいっぽいな。かくいう俺もリリーのような素敵な女性が嫁に来てくれて、誇らしくてしょうがない。


「お、おい、ちと待て。この流れはもしかして、妾も一緒に入るのか?」


 そんな一連の流れをずっと見ていたマリーさんが、ここでようやく言葉を発する。彼女はまだ白ワンピを着たままだ。ユリアーネ同様、恥ずかしがって服を脱いでいない。


「入らないの?」


 逆にそう訊き返すと、マリーさんはみるみる赤くなっていく。


「お、お主。わ、妾の裸に興味があるのか?」

「まあ無いと言えば嘘になるかな」


 別に俺がロリコンだから……というわけではない。というか別に俺はロリコンではない。他ならぬマリーさんだからこそ、興味があるのだ。だってマリーさんちっちゃくて可愛いし、お肌綺麗だし、そのくせ俺なんかよりよっぽど歳上でお姉さんとしての魅力があるし。これで興味が湧かないなどと言えば、大嘘だろう。


「自分で言うのもアレじゃが、割と特殊性癖じゃと思うぞ」

「客観的に見て、そこは自覚してるよ」


 何度も言うが、俺はマリーさんだから興奮するのだ。そのへんにいる幼児体型の人間に発情したりすることはない。それに、同じチビ枠のメイとユリアーネは巨乳だから幼児体型とは言い難いしな。


「というかそもそも、マリーさんは合法だから」


 御歳おんとし二〇〇(+α)歳だぞ。これでロリコンとか、言葉の使い方を間違えてるだろう。もっかい小学校から国語勉強し直してこい!


「いや、むしろ妾のほうが不安になってきたの……。二〇〇も年下の教え子じゃぞ、良いのか妾よ……捕まってしまうやもしれんのだぞ……」


 何やらブツブツと独り言を呟き出したマリーさん。まあその懸念はわからないでもない。マリーさんから見れば俺は教え子、生徒なのだ。いくら俺が成人した既婚者だとはいえ、彼女的には俺は背徳の権化である。


「さあさあ、いつまでも服なんて着てないで。ここは風呂だよ、脱ごう!」

「あひゃあ! おっ、お主何をするっ、あひんっ」

「おお、久しぶりの師匠のおパンツ様だ」


 ずっと昔、マリーさんの下で修行をしていた時に見えたパンチラ……否、あれはパンモロだったな、ワンピースの下から覗き込んだし……を思い出す俺。俺はあの頃から随分と成長したが、マリーさんは当時からまったく変わっていない。相変わらずの脱法ロリ体型だ。


「お師匠さま、ノーブラ派だったのですか?」


 ワンピースを剥かれて生乳なまちち(ほぼ無い)を曝け出したマリーさんに、そう訊ねる元修行仲間リリー。憐れ、同じく教え子のリリーのほうがはるかに大きなお胸様をお持ちである。


ものは仕方がないじゃろう! このたわけっ」

「ほぼ無いとはいっても、まったく無いわけじゃないんだね。成長期入った?」


 具体的には、桜色の部分が胸のサイズ感に比べて若干大きめな気がする。これは明らかに二次性徴が始まっている証だ。

 傾斜のほうもまったくの絶壁というわけではなく、僅かにではあるが膨らみも感じられる。つまり、マリーさんのお胸はちゃんとエッチだった。


「随分前から変わっとらんわ、ぼけ!」


 長命種の彼女がいう「随分前」だ。それこそ一〇年とか二〇年ではきかないかもしれない。そんなことを思いながら、俺はマリーさんのおパンツ様を脱がせる。はい、足上げてね……ありがとう。


「まあ、でも予想通りではあったけど……そっちはまだなんだね」


 視線を下のほうに向けてそう呟く俺。俺の発言につられて皆の視線もに集中する。


「仲間であります!」


 嬉しそうにそう言って飛び跳ねるメイ。おお、揺れる揺れる……。


「うっさいわぼけ! あとお主らも見るでない! 若造の分際で立派に茂らしおって……」


 まあ皆、大人だからな。あと、この中で下の毛事情が不明なのは……。


「次はユリアーネが脱ぐ番」

「ひぃ!」


 空気を読めない天然娘のイリスが無慈悲にそう告げた。ユリアーネは涙目になって一歩後退あとずさりする。

 さあ、ユリアーネは生えているのか、いないのか!? これぞまさしくシュレディンガーの陰毛である。






――――――――――――――――――――――――

[あとがき]

 いつもお世話になります、常石です。

 毎度恒例の宣伝タイムです。応援よろしくお願いします!


『SFオタク建国記』

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