『ベーシック通信添削コース』公式テキスト

日本ノベルアーツアカデミー

はじめに

 日本ノベルアーツアカデミーの『ベーシック通信添削コース』へようこそ!

 みなさんと学べる日を楽しみにしておりました。


 純文学や一般向けの大衆文学と比べ、これまで若者向けのライトノベルには文章力や表現力、構成力といった小説の基礎的な技術はあまり重要視されてきませんでした。

 また、近年急速に市場を拡大させているウェブ小説に至っては、ライトノベルよりもさらに技術を必要としないものだと思われています。


 しかし、それはもう過去の話です。


 2020年現在、ウェブ小説からプロ作家デビューすることはすっかりメジャーなものとなりましたが、その流れで「実力の可視化」という現象が起きているのです。

 ウェブ小説はその多くがインターネット上に無料で公開されています。そこで多くの読者に読まれて実力が認められた作品のみが、各出版社から拾い上げられる形で書籍化されて書店に並ぶ仕組みとなっています。


 つまり、出版業界は旧態依然とした「買うまで中身の分からないもの」ではなく、「買う前に中身の分かるもの」を売る完全なる実力主義構造に移行しつつあるのです。


 またウェブ小説においては、新人がアイデアやインパクトのみで勝負することが一層厳しくなっています。

 同時期にあまりにも膨大な作品が書かれたため、いわゆる「テンプレ」や「ネタ」といったものは既に使い尽くされ、すっかり手垢まみれとなってしまったからです。

 ましてや、ネットに溢れる無数の作品群の中で、基本的な小説のルールさえ押さえられていない作品は、残念ながら見向きもされなくなりつつあるのが現状です。


 そんな時代だからこそ、一旦立ち止まって確かな技術と実力を身につけることが、今後みなさんが活躍の幅を広げていく上でより重要となってきます。


 また、小説家という職業について、世間のみなさんが勘違いをしていることが2つあります。

 1つ目は「小説家というのは一部の才能ある人間にしかなれないものである」というもの。

 2つ目は「小説を書くことに必要なのは才能とセンスであって、技術は必要ない」というものです。

 これらの勘違いがいまだに根強いように感じています。

 しかし本当のところはというと、


 小説家というのは一種の職人業であり、小説を書くということは特殊技術である。


 ――ということです。

 小説家というのは、音楽家や画家、その他様々な分野の芸術家たちと根本は同じです。初めからピアノを弾ける人がいないように、勉強もトレー二ングもせずに初めから小説を書ける人はいません。

 つまり裏を返せば、


 しっかりと学んで、地道にトレーニングを積めば誰でも必ず書けるようになる。


 ――ということになります。


 本講座では、小説を書く上で必要とされる技術と方法について一から学びます。

「より面白い小説を書きたい」「もっと多くの人に読まれたい」という高い志を持つみなさんを、我々が全力でサポートすることをここにお約束いたします。


 これから、受講生のみなさんはいよいよ「本物の実力」を、時間と手間をかけて作り上げていくことになります。

 本講座の最終課題をクリアするまでに、ぜひ多くの技術を身につけていってください。



※本テキストは『日本ノベルアーツアカデミー公式ウェブサイト』にて無料で公開していますが、全10回の『添削課題集』につきましては『ベーシック通信添削コース』をお申込みいただいた受講生の方にのみ配布しております。ご了承ください。

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