第五十五魂

古傷を癒す


お盆も明け、夏休みも残すところあと僅かとなった今、木葉このははほとんどの宿題を終え、残すところは、美術のクロッキーや家庭科の料理レポートなど、特殊なものばかりとなっていた。つい先程読書感想文を書き終えた木葉は、まだ日も上りきっていない窓の外をぼんやりと眺めながら、午後をどう過ごすかを考えていた。

両親は共働きであるため今は家におらず、自分の立てる物音以外は、秒針の刻む音やエアコンの稼働音程度。リビングのテーブルに広げていた原稿用紙が、時折エアコンの風に煽られてめくれ上がるのを見ながら、一度筆箱に筆記用具を仕舞う。そうして立ち上がると、また端がヒラリとめくれた原稿用紙を半分に折って、その上に筆箱をおもしがわりに乗せた。


「……絵と料理か……うーん……。」


木葉は、運動が苦手であることを除けば、どれも大して苦手とも、得意とも言えない程度のものだった。強いて言えば理系科目よりは文系科目の方が得意、という程度だろう。ひかりと出会ってから、彼女に教える機会が出来たからなのか以前より成績は良くなっているとはいえ、基本的に勉学は人並みで、一方の芸術面もさして秀でているということも無い。そんな彼にとって、残された課題は、ただ淡々と問題集を解くよりも高難易度な物に感じられたのである。特に、料理のレポートに関しては、ほとんど母の手料理や作り置きを温めて食べるだけの彼にはほぼ無縁で、一体何をしたら良いやらさっぱり分からなかった。

まだ二週間程度は残っているので焦る必要は無いのだが、何かしらイメージは掴みたいものだ。そう悩んでいた時、静かだったリビングに、ピンポーンと軽快なチャイムの音が鳴り響いた。


「ん、宅配かな?」


すぐに玄関には行かず、扉横に取り付けた小さなモニターを覗き込む。玄関先を映し出しているそれを見てみれば、そこに居たのは郵便配達員でもなく、町内会の誰かでもなく、少し小柄な黄髪の少女だった。来訪者の正体が晄だと気づいた木葉は、モニター下のボタンを押して、画面越しの彼女に話しかけた。


「晄?」

『あ、木葉!久しぶり。』

「うん、久しぶり。どうかしたの?」

『昨日帰ってきたから、お土産渡そうかなって思って。』

「お土産?わざわざいいのに……今行くね、ちょっと待ってて。」


里帰りから戻ってきたらしい彼女は、モニター越しに見ると以前より少しばかり日焼けしたように見えた。外は快晴で、丁度陽の当たっていたその左腕は、健康的な小麦色を彼の目に焼き付けていた。木葉はもう一度モニター下のボタンを押すと、その傍の扉から廊下に出て、真っ直ぐ玄関に向かった。

玄関扉にかけられたチェーンを外し、扉を押す。すると、画面越しではない、本物の雷電らいでん晄が、その手に紙袋を携えて立っていた。


「えっと、粗品ですが……。」

「粗品なんて、そんな……!わざわざありがとう。」


晄は少しよそよそしい態度で紙袋を差し出すと、何らかのロゴがプリントされた青いベースボールキャップを被った頭を深々と下げた。そんな彼女らしくない真面目な態度に、木葉は少し自分の身も引き締まるのを感じながら、紙袋を受け取る。と、彼女の紙袋を持つ手を見れば、妙に生傷が多かった。


「あれ。晄、バケモンと戦って来た?」

「え?」


戦士という身の上が故、彼自身彼女が怪我をしている所は何度も見てきたし、そこまで気にするほどのことでは無いとは思った。しかし、変身を解くと戦闘中の怪我が幾分か治る、という仕様を考えると、戦士として戦ったにしてはその怪我が多いように思えたのである。

ただ、戦う以外にそこまで怪我をする機会がどれほどあるのかと言われれば心当たりもなく、木葉は彼女にそう問いかけたが、そんな彼女が頭を上げた時、彼は言葉を失った。頬、顎、首元、額……顔のあちらこちらに、不自然なほど沢山の傷が浮かんでいたのだった。


「な、何!?どうしたのそれ!?」


目玉が飛び出てきやしないかというほど目を見開いて、木葉は晄の顔の怪我を指さす。その動きに、晄も彼が言わんとしていることを理解したらしい。キョトンとした顔を苦笑いに変えながら、彼女は気まずそうに右頬のかさぶたをポリポリとかいた。


「いやぁ……実は一昨日、結構な怪我してさ……」

「一昨日……ってことは、里帰り中?」

「あはは、そう……死ぬかと思ったよ。崖から落ちちゃってさぁ……」

「がっがががっ、崖から落ちたぁ!?」

「えへへ……あっ。」


予想外のシュチュエーションを前に固まる木葉。相変わらず苦笑いのままの晄だったが、いじっていた右頬のかさぶたをポロリと外してしまったらしい。やってしまった、とその目が言うやいなや、その手で血を拭ってはその量を確認した。


「崖っ……て、よく無事だったね。」

「うん。咄嗟に『フルミネ』出せなかったら、あたしホントに死んでたんじゃないかなぁ。」

「……『フルミネ』って、雷になるやつ?」

「うん。生身で転がって下まで行ったら、少なからず病院送りだったってエレッタに心配されちゃって……」


ははは、と不器用な笑顔で笑いながら、晄はまた右頬の傷に触れる。かさぶたが剥げたばかりのそこに、晄の指で擦られた血がケチャップのように伸びて拡がった。

戦士となってからは幾分か耐性はついたものの、やはり木葉は血を見たくはない性分だった。そんな彼には、晄のそんな行動がとても堪らなかった。


「いや、そんなの、心配するに決まってるだろ…!てか血やめて!血!絆創膏貼ろう!?持ってくるから!家上がって!」

「え?そんなしなくても……」

「もう、傷口触らないで!……一旦そこに座って待ってて。取ってくる。」

「え、わっ、ちょっと……?」


濁流のように、混乱と心配と焦りの集合体が背中に襲ってきた。木葉は、玄関の扉を開けて式台に彼女を座らせると、急いでリビングに置いてある救急箱を取りに向かった。普段は受動的とも言える木葉の思い切った行動を前にして、晄がその後ろ姿を唖然として眺めていることも、今の木葉にとって気にしてはいられなかった。






「かさぶたはいじったら駄目だって言われたことない?」

「……ごめん。」

「いや、謝ってもらいたいわけじゃなくて……もうやっちゃ駄目だよ、傷口が広がるし、傷口触ったらバイ菌が入るかもしれないし。」

「う、うん……」


数分後、先程かさぶたを剥がした所以外の怪我も思う存分手当し終えた木葉は、最後に貼った絆創膏の殻を握りしめて言った。しょんぼりと申し訳なさそうに項垂れる晄。保育園の先生に叱られた後の園児のような表情が、ベースボールキャップに翳って暗く沈んだように見えた。それを見ていると、何も悪いことをしていないのに申し訳なさが募って、木葉は少々居づらさを覚えた。


「崖から落ちたって言ってたけど……」

「ああ、うん、えっと……ガードレールが歪んでて、そこから落ちた。」


崖から落ちた、と漠然とした概要だけ知らされていた木葉は、彼女の話す詳細に、唖然として目を丸くした。


「……ガード出来てないレールじゃん。」


そう口に出してから、木葉はもっとまともな事を言えばよかったと後悔した。なんだ今のは、何も面白くない。なんだか急激に恥ずかしくなった木葉は、文字媒体ではないが故に撤回出来ない分、挽回出来ないかと頭を回転させようとしたが、そんな中で耳に入ってきた笑い声に、それをやめた。


「クスッ、あははっ……!」

「え……っと。」

「ははっ、そうだね……!昔っから歪んでたんだけど、こんなことになるなんて思わなかったなぁ……」


そう言って笑ってみせる晄は、しかしどこかスッキリしない表情に見えた。それは、帽子の作る影のせいなのか、それとも里帰りの移動で疲れたのか、それとも他の理由なのか、木葉には分からなかった。それはそれとして、今日は酷い猛暑だった。人の体温として提示しても問題ないと言われそうな程の高い気温は、田舎帰りの彼女には毒だったのかもしれない。互いの家がそれなりに近いとは言えど、辛い時は辛いのだろうと。


「いや、あたしの怪我なんかどうでもいいんだ。お土産の話していい?」

「……あ、そうだ、お土産……。」


彼女の表情一つであれやこれや想像を膨らませていた木葉は、そんな彼女が急に話を切り出したので、それについて行くのに少し遅れを取ってしまった。そもそも、彼女が彼の家に訪れたのは、里帰り中のお土産品を届けるためだったのだ。ひとまず、ズボンのポケットに絆創膏の殻を押し込めると、先程渡された紙袋を手に取って、中をのぞきこんだ。


「……お菓子?」


まず目に付いたのは、稲穂のような絵が描かれた包装紙だった。どうやら、ありがちな箱に入った菓子のようである。紙袋から取り出してよく見てみれば、その包装紙には、青空の下に広がる田んぼと、へのへのもへじが顔に書かれた案山子が描かれたデフォルメの効いたイラストがプリントされていた。空の絵に被るような形で、『お米の想い人』と書かれていた。

……どこかで聞いたことのあるような、無いような名前である。恐らく、何かには影響を受けていそうなそのネーミングに、まずそれは間違いなく菓子だろうと、木葉は思った。


「あたしの住んでたとこ三葉町みつばちょうって言うところなんだけどさ、まあ、そこだけじゃないんだけどお米がいっぱい取れるとこでね……」

「それでこの……お米の、想い人?」

「あ、ちゃんと美味しかったよ!サクサクしてた!なんかお米のかたまりみたいな煎餅で、なんかクリーム挟んでるやつでさ……!」

「へぇ、美味しいんだ!」

「あ、でもあれだよ?独り占めしないで家族で食べてね?美味しいけど。」

「さ、流石に一人で食べないよ……!」


苦笑いで木葉はそう答えて、その菓子の箱を紙袋に戻そうとした時、箱がなにかにつっかえて中途半端に頭を出してしまった。何か、まだ入っていたのだろうか……?そう思ってまた菓子の箱を引き出そうとした時、その様子に気づいた晄が声をかけてきた。


「あ、あともう一つあるよ。」

「もう一つ?」

「お菓子じゃないけどね。」


絆創膏に歪められた笑顔で晄が言うと、木葉は紙袋を覗き込んでその正体を確かめた。そこにあったのは、ただの真っ白くて手のひらほどしかない箱だった。手に取ってみれば軽く、振ってみればカラカラと音が鳴った。


「これは、お菓子じゃないね……」

「でしょ?」


蓋のシールを剥がしてから、隙間に指を滑らせて開封する。無理に力を入れて箱の一部を歪ませてしまったが、そんな彼を迎えるように姿を現したのは、二匹の金魚の絵が描かれた淡い青色のガラスの半球だった。そのちょうど頭の辺りに紐がつけられている。さっと引っ張りあげてみれば、チリンチリンと涼し気な音を立てて揺れた。


「風鈴だ……!でも、なんで風鈴?」


持ち上げた余韻で揺れる風鈴が、玄関に涼しさを演出する。その姿を面白そうに眺めた木葉だったが、何故晄が風鈴などという選択をしたのか、見当もつかなかった。正直、彼女のセンスが悪いとまでは言わないが、とてもじゃないが、風鈴なんていう粋な選択を下せるとは思えなかったのである。同行者のエレッタの発案だろうか、とも考えたが、それにしても、菓子一つあれば土産として十分成立しそうなものである。

それにしても、随分と丁寧に作られた風鈴である。そうしてくるくると回して見入っていると、にやにやと楽しそうに笑う晄の笑顔がガラスに映りこんだ。


「すっごくキレイでしょ?」

「うん……涼やかだね。」

「えへへ。あたしの友達のお父さんが作ったんだよ。」

「……えっ?」


そう、晄が誇らしげに言えば、木葉は一度風鈴から彼女の顔に目を移した。それから改めて風鈴を見れば、やはりその細部に至るまで美しく、粗のひとつも見当たらなかった。


「……職人さん、だよね?」

「そう!ずっと風鈴作ってるみたいで、木霊こだまに帰るなら宣伝代わりに持ってけって、ちょっとお安くしてもらったんだよね!」

「へぇ!伝統工芸品みたいな感じなんだね……。」

「えーと……多分!」


伝統工芸品の意味も正確に分からなかったらしい晄だが、木葉がすっかりその風鈴に魅せられているのを感じて、少しばかり心が晴れた気分だった。食い入るように風鈴を見ている木葉をよく見たくなって、晄は上体を捻ってみせる。途端、その脇腹辺りからビビッと、雷が走ったような痛みが広がった。


「あ゙っ。」

「晄?」

「……ごめ、ん。だいじょぶ……。」


咄嗟にそう答えるものの、痛みを逃がそうとその顔は酷く歪み、身につけていたTシャツの裾は右手によってしわくちゃにされていた。しばらく荒い息を吐き、呼吸を整える。その額から脂汗が滲んできたのを見て、彼女の言葉が嘘であろうことに木葉は気がついた。


「そんなわけないよね。」

「……。」

「傷口、広がった?」

「……気ぃつけてたんだけどっ。」


風鈴を箱に適当に戻して木葉は立ち上がると、晄の前で止まってしゃがみ直した。帽子で見えずからかった顔は、やはり苦悶しているようで、僅かに見開かれた目と視線がかち合っても、余裕なさげに降りてきた瞼にすぐ遮られてしまった。

彼女が握りしめるシャツ。見てみれば、それは握りしめると言うより、引っ張っているように見えた。どうやら、肌と服の間に空間を作って守っているように見える。もしかして、彼女の苦悶の原因はそこなのかもしれない。木葉は、まだ置きっぱなしにしていた救急箱を手繰り寄せると、その中を漁って、その中で最も大きい掌ほどの絆創膏を取り出した。


「見せて。」


普段より一つ低いトーンで出た声に、木葉は自分では気が付かなかった。晄は一瞬それに驚いたものの、多少の羞恥心より痛みから逃げることを優先した頭が、掴んだシャツを引っ張りあげてその生傷を晒すことを良しとした。

Tシャツの下に着られていた下着のシャツが、幾つか血を吸って赤く染っている。しかし、患部はそれをかすませるほどに血と滲出液しんしゅつえきで汚れていた。


「うわっ……」


思わず漏れたその声が、その傷の酷さを物語っていた。元から状態も良くなかったようだ。そもそも、怪我をした直後に治療の一つもせず放置していたのだから当然ではあるのだが、傷口周辺の皮膚が赤く腫れているのを見て、これは絆創膏をすぐ貼るのではなんともならないことを理解した。

まずはガーゼか何かで傷口を拭こう。その後消毒をして……と色々考えてまた救急箱を手繰り寄せる。しかし、ガーゼはあったがその中に消毒液らしきボトルは見つからなかった。


「……切らしてたか。」

「ごめん、迷惑かけて。」

「え?」


その声に顔をあげれば、晄は先程よりはいくらか落ち着いた顔で言った。視線は下に下がり、玄関床のタイルに落ちていた。木葉が聞き返せば、晄はその目を持ち上げてから答えた。


「木葉、苦手でしょ……?」

「……うん。あんまり好きじゃない。」

「さっきも、色々やってもらったし、後は家帰ってから……」

「こんなので帰せるわけないでしょ。」


鋭い矢のように、その言葉が晄に刺さった。穏やかな普段の彼とは、明らかに違っていた。驚いて目を見開く晄を木葉はキッと睨むと、すぐ視線を逸らして、先程手にしたガーゼを彼女の傷口にあてがった。


「い゙っ。」

「……血は見たくないし、怪我も見たくないけど、晄の怪我ほっといて帰すのはもっとやだよ。」

「フゥ、フゥ……ッ。」

「……ごめん、もうちょっと我慢して。」


ガーゼを当て始めてから、彼はこれをピンセット等を介してするべきことであると理解した。滲出液が手に触れて、ベタベタと汚れていく上に、自分の手に着くということは、彼女の傷口に自らの手から雑菌が入ってしまっているかもしれないとも思った。

木葉は保健委員になったこともなければ、専門的な怪我の処置の仕方も知らなかった。自分が最後に怪我らしい怪我をしたのも小学生の時で、少なからず一年半は怪我の治療もされていなかったので、今の処置が本当に正しいのかさえ分からなかった。それでも、木葉はこのまま晄に何もせず帰らせる気はなかった。大切な友人に、傷の痛みに耐えさせながら帰路につかせるなど、自分が許さなかった。

拭いても拭いても、傷口からは血や滲出液が止まらずに溢れてくる。これでは埒が明かないと思った木葉は、手に持っていたガーゼを一度置くと、取り出していた絆創膏の封を開けた。


「貼るよ。」


木葉がそう言うと、晄はシャツを少し上にあげてみせた。絆創膏の横幅と同じくらいの怪我に、大凡の貼るイメージを固める。そうしてから、先程使ったのとは別のガーゼでもう一度傷口を拭うと、できるだけ速やかに絆創膏を貼り付けた。

粘着面が心配になって、もう一度絆創膏を抑えると、痛かったのかその体がビクリと跳ねて、木葉はサッと身を引いた。


「……お、おわった?」

「う、うん。」


彼がそう言うと、晄はその怪我を軽く見下ろしてからシャツを下ろし、下着をズボンに仕舞った。


「ありがとう。助かった。」

「……どういたしまして。それより、そのまんま帰ろうとしたでしょ?」

「っ……はい。」

「もう、そんな無茶しないでよ?多分、迷惑だと思って気を使ったんだろうけど。」

「ごめん。」

「そのまんま帰られると心配だし、それに……」


言葉を言いかけて途中で止まった木葉を、晄は困った様子で見下ろした。しばしの沈黙。木葉は救急箱の蓋を閉めると、ポツリと、呟くようにして言った。


「晄に頼られなかったって、寂しくなる……」


消え入りそうなその声も、静かな玄関にはゆったりと響いて、晄の耳にはっきり飛び込んできた。思ってもみなかった言葉に、晄は唖然と彼を見下ろす。しばらくして、木葉は自分が一体何を言ったのか、ゆっくりその意味を咀嚼する余裕が出来て、徐々にその顔を赤らめ始めた。


「木葉、それって……」

「て、手洗ってくる!休んでて!」


ろくに考えず口に出してしまった本音とその場から逃げるように、木葉は洗面所へと足早に去ってしまった。放置された紙袋と風鈴の箱、そして救急箱が、規則性も無く辺りに寝転がっていた。

明らかに不本意ながらも出た、しかし本音であったのだろうその言葉が、晄の頭の中にリフレインする。そんなたった一言で古傷が癒えたような気がして、晄はふんわりとした温かさを感じ、気づけばその口元が綻びていたのだった。

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轟け、二筋の雷よ 螺良 @Mihoshi_Kaname

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