時の流れに抗う者へ

柊 鍵

第一章 始まりと記憶

プロローグ 8月31日

「今日も暑いな〜。」

 俺の日課は散歩をすること。外の景色を見ながら歩くととても落ち着く。いつもは公園に行き、ベンチに座って休んだり、曲を聞いたりなどしているが、今日は明日から学校ということもあり久しぶりに学校の方へと行くことにした。俺の家は学校から徒歩十五分くらいのところにある。この学校にした理由は単純で、家が近いからだ。

「夏休みもそろそろ終わりなのか〜、そろそろ本当に進路決めないとやばいな。ふぁ〜、ん?」

 そこで俺は不思議な光景を見た。そこには女の子が立っており、夜なのに、光っていた。その光景はまるで夢のようだ。しかし女の子の顔は見えない。でもなぜか、こっちを見ている気がした。それも泣きそうな顔で。

「あれは、いったいなんだったのだろう。」

 俺は不気味に思いその場を立ち去った。まったく、夏の夜にあんなものを見てしまって、ついてないな。

「帰るか。明日から学校だしな。」

 そう言って俺は家に帰った。

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