第8話結局は・・・

本吉はテレビの取材など全く受けるつもりなどなかった。

 テレビの取材で何かへんなことがおきれば、あっという間に全国に広がってしまうからだ。それをふまえて、本吉は両親にでたくないと言ったのだが、二人はそんなこと全く気にせず、取材にオーケーの返事を出してしまった。

 「なんで嫌だって言ったのに、取材引き受けたの?」

 少し怒った風に言ってみた。

 「少しでもお金がたくさんあった方がいいじゃない?」

 二人は口を揃えて言った。

 この時、本吉は初めて気が付いた。いや、本当はもっと早くから気が付いていたのに目を逸らしていたのだ。

 結局両親は、本吉を金のために利用していたにすぎなかった。

 本吉は目の前にある上辺だけの幸せのために頑張っていたのだ。

 「そうやって自分たちのために僕を利用するんだったら、もうお父さんとお母さんの助けはいらない。自分で全部やるから。」

 「ごめんよ本、お父さんも悪かったよ、だからそんなこと言わないでくれよ。」

 「いや、もう決めたから、ブログも自分で書くし、動画の編集だって自分でやる。」

 本吉の決心はかなり固いものだった。

 そのあと、物でつられたりもしたが、全く応じることなく、話を終わらせた。

 本吉は心の中で少しすっきりした気持ちになった。

 テレビのことに関しては受けてしまったものはしょうがないので、出ることにした。

 ちなみに取材は一週間後でテレビの人たちが家に来ることになっていた。

 それからというもの、ブログは自分で書くようになった。時間はかなりかかったが一日分は二時間程度で書けるようになった。Itube に関しては、撮るのは簡単だったが、編集を勉強するところからはじめて、マスターした。その勉強しているところを動画として投稿するとなんと百万再生以上になり、一躍人気Ituberの仲間入りをした。

 そんなこんなで取材後の何か月か一日も外出をせずに過ごした。

 取材の外出はと言うと、最初に公園で適当に遊び、そんな一見普通の幼子が実は、天才Ituberだった的な感じでテレビで紹介されていた。

 その印象がかなり良かったおかげか、ブログとItubeの収入は両親の二倍近くの値になっていた。

 本吉はそれなりに幸福だったが、父と母は違った。

 それもそのはず、ある日銀行から帰ってきてから、急に態度がかわり始めたのだ。その日は母が念のためにと、本吉の収入を確認するために銀行へ行ったのだが、額が八桁だったことから、少し嫉妬をしてしまったようだった。

 それから何日間は本吉に冷たく当たっていたのだが、それが演技だということに本吉は気付いてしまった。それはある出来事からだった。

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とりあえず 伊勢燈雅 @jayokawa1028

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