第7話大スター?
ブログを始めてかなりたった。
最初の方は書くことが見つからず、なんとか一日分を書き終わることもあったが、今ではかなりスラスラと記事が書けるようになっていた。ちなみにフォロワー数も記事をあげるたびに増えていき、今では五千人弱くらいの人数になっていた。
なんせ、生まれて一年たつかどうかの赤子が記事を考えているのだから、赤ちゃんがよっぽど嫌いな人以外は興味をそそられるであろう。
もちろん収入もそれなりに稼げるようになっていた。
たまにアンチコメントなどもくるが、それに関しては無視することで、対応していた。
そんな中、一通の興味深いコメントが届いた。
「こんな面白い家族のブログを読んだのは初めてです。一つ提案なのですがこの日常をItubeに載せてみてはどうですか?絶対人気になると思います。頑張ってみてください。」
というものだった。
ちなみにItubeとはItuberという動画配信者が動画を投稿したものを見られるサイトである。Itubeの良い所は誰でも動画を投稿できるというところである。
本吉はこのItubeというのが盲点だったことに気がついた。
本吉は行動力世界一の赤子である。瞬時に母に話した。
「いいわよ。それも収入が入るんでしょ?」
「もちろんだよ。ブログよりもたくさんはいるよ」
母は目をキラキラ光らせながら言った。
「やりましょう。」
両親は本吉の言う事だったら、大体のことはなんでも聞いた。なんせ、本吉家で今一番収入があるのは本だからである。ブログの収入のおかげで父はブラック企業から転職できたし、母も一割のお小遣いで自由なお金ができたので万々歳なのである。
父が帰ってくると、すぐにその話をした。答えはもちろん二つ返事の許可だった。
ということで、週末から本吉はItuberデビューすることになった。
もちろん動画の内容を考えるのは本吉だ。父が撮影し、母は元OL
だったことから、編集になった。
やってみてわかったことは、動画というのはかなり難しいということだ。
最初の動画の内容はチャンネルのサムネイルを考えようみたいな感じで、本吉がパソコンで絵を描くという動画になった。
再生回数は三日で二万回を超えてしまった。
ブログで告知をしたので、フォロワーの人たちが見てくれたのと、Itubeの急上昇にのってしまったらしかった。
特にコメントが熱く、「天才」だの「神童」だの褒めまくりだった。
これには、本吉家は大喜びだった。いや、それ以上の超喜びだった。
一週間で十万再生を超えたころ、テレビで本吉が報道されることになってしまった。
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