第2話 ミカ視点

アーニーと寄り添うように倒れたソフィアを見つめる。

馬鹿な子。でも、そんなところも好きだった。

悪女に騙され、恋に溺れて、最後には信じていた仲間に殺される。

なんて悲惨な死に方なんでしょうね。

ソフィアの髪にそっと手を伸ばす。撫でたり、くるくると弄んでみる。

綺麗な金髪。太陽の光に当てたらどれほど美しいことか。月光のに照らせれるのも幻想的で素敵ね。なんて。

「はぁ」

こんなこと無意味だ。ソフィアの髪の毛から手を離すとそのまま部屋を後にした。


「あ、おかえりなさい!!」

「ただ今」

おかえりなさい、そんな何気無い言葉無性に嬉しく感じる。

「あれ、意外。血がいっぱいついてる」

ひょこひょこと近づいてきたエマがミカの服を見て驚く。

「何かおかしいかしら?」

さっき人を殺してきたばかりだ。血が付いていてもなんらおかしいところはないはず。どういう意味だ、とコテンと首を傾げる。

「えっと。おかしいって言うか、ミカちゃんってザ・賢狼って感じだから、スマートに食べちゃうのかなーって思ってたの」

はにかむように言いながら、エマがタオルを手渡してくれる。

「ありがとう」

礼を言って血のついた場所を拭く。

といってもどうせこれだけでは落ちないだろうし、匂いも残ることだろう。

あとでお風呂に入ろう、そう思った時だった。

「……ところでミカちゃん。なんでミカちゃんからソフィアちゃんの匂いがするの」

ピタッと動きが止まる。目線だけでエマを見ると、困惑しているようだった。人狼は人間の血の匂いに敏感だ。やはり隠せないか。

バサっとタオルを床に落とすとエマを抱きしめた。

「エマ」

「……ミカちゃん、大丈夫だよ」

エマは何かを察したようにミカの背中を撫でる。

大丈夫、大丈夫とあやす声。ゆっくりと子供をあやすように撫でる手。そのどれもがミカの気持ちを吐き出させるのには十分だった。

「…うっく……ぅ」

本当はただ幸せになって欲しかった。殺すつもりなんてなかったのだ。

でも、アーニーが悪女だと知っていてもいられなくなった。

ソフィアに傷ついて欲しくなかった。

もっと他にいい方法があったはずなのに、ミカはアーニーを、ソフィアを、殺してしまった。悔やんでも悔やみきれない。

「……ひっく……」

エマは泣き続けるミカをさらに強く抱きしめた。

ミカちゃんは強く賢い。けれども誰よりも仲間想いで優しすぎる。

エマはね、そんなミカちゃんが大好きで守りたいんだ。

「…エマが、いるからね」


アーニーと寄り添うように倒れたソフィアを見つめる。

馬鹿な子。でも、そんなところも好きだった。

悪女に騙され、恋に溺れて、最後には信じていた仲間に殺される。

なんて悲惨な死に方なんでしょうね。

ソフィアの髪にそっと手を伸ばす。撫でたり、くるくると弄んでみる。

綺麗な金髪。太陽の光に当てたらどれほど美しいことか。月光のに照らせれるのも幻想的で素敵ね。なんて。

「はぁ」

こんなこと無意味だ。ソフィアの髪の毛から手を離すとそのまま部屋を後にした。


「あ、おかえりなさい!!」

「ただ今」

おかえりなさい、そんな何気無い言葉無性に嬉しく感じる。

「あれ、意外。血がいっぱいついてる」

ひょこひょこと近づいてきたエマがミカの服を見て驚く。

「何かおかしいかしら?」

さっき人を殺してきたばかりだ。血が付いていてもなんらおかしいところはないはず。どういう意味だ、とコテンと首を傾げる。

「えっと。おかしいって言うか、ミカちゃんってザ・賢狼って感じだから、スマートに食べちゃうのかなーって思ってたの」

はにかむように言いながら、エマがタオルを手渡してくれる。

「ありがとう」

礼を言って血のついた場所を拭く。

といってもどうせこれだけでは落ちないだろうし、匂いも残ることだろう。

あとでお風呂に入ろう、そう思った時だった。

「……ところでミカちゃん。なんでミカちゃんからソフィアちゃんの匂いがするの」

ピタッと動きが止まる。目線だけでエマを見ると、困惑しているようだった。人狼は人間の血の匂いに敏感だ。やはり隠せないか。

バサっとタオルを床に落とすとエマを抱きしめた。

「エマ」

「……ミカちゃん、大丈夫だよ」

エマは何かを察したようにミカの背中を撫でる。

大丈夫、大丈夫とあやす声。ゆっくりと子供をあやすように撫でる手。そのどれもがミカの気持ちを吐き出させるのには十分だった。

「…うっく……ぅ」

本当はただ幸せになって欲しかった。殺すつもりなんてなかったのだ。

でも、アーニーが悪女だと知っていてもいられなくなった。

ソフィアに傷ついて欲しくなかった。

もっと他にいい方法があったはずなのに、ミカはアーニーを、ソフィアを、殺してしまった。悔やんでも悔やみきれない。

「……ひっく……」

エマは泣き続けるミカをさらに強く抱きしめた。

ミカちゃんは強く賢い。けれども誰よりも仲間想いで優しすぎる。

エマはね、そんなミカちゃんが大好きで守りたいんだ。

「…エマが、いるからね」


ミカ→賢狼

エマ→強欲な人狼

ソフィア→一途な狼『本命』

アーニー→悪女


役職紹介

・賢狼→狼陣営。襲撃した相手の役職を知ることができる。

・強欲な人狼→狼陣営。一度に2人襲撃することができる。

・一途な人狼→狼陣営。本来は噛めない者(例えば狩人に護衛されている人間、妖狐など)を襲撃できる。代わりに自分も死んでしまう。

・悪女→恋人陣営。『本命』と『手玉』を選択できる。

悪女が死んでしまった場合『本命』は道連れに死んでしまう。

『本命』が死んでしまった場合も同様。

ただし手玉が死んでも悪女や本命が死ぬことはない。

狼や市民が勝った時に『本命』と生き残っていれば勝利する。

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人狼ジャッチメント 「愛してる」 @tomomo520

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