KAC2020皆勤賞は滅亡する。ナ、ナンダッテー

新巻へもん

あるカクヨム作家の日記

 >2月29日15:01

 ちょ。なんかイベント始まってる。お題は4年に一度。まあ、順当かな。2月29日ということであれば、誰だって思いつくだろう。俺だって上司に何か案を出せと言われたら提案する。まあ、5つある内のひとつだからということで、あっさり企画会議でも通りそうだ。だよねえ、外せないよね、ってなもんだ。


 お題の消化だって難しくはない。何かを4年に1回にすればいいのだ。4年に一度、全世界の人類がトランスジェンダーする呪いでもいいし、4年に一回だけ定休日がやってくるパン屋の話でもいいだろう。イベントの始まりの難易度としても適当だ。誰もが参加できる。


 >3月2日 12:00

 最高のお祭り。イベントの仕掛け人としての願いが込められているのをひしひしと感じる。おめーどんだけ予算がかかってるか分かってんだろうな。ああん。上司が眼鏡を光らせながら、手にしたボールペンのキャップをぐりぐり回す姿が目に浮かぶようだ。


 KAC2020 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2020~が最高のお祭りになりますように。担当者の悲痛な叫びを感じたね、俺は。よっしゃ、微力ながらも協力しようじゃないか。ま、所詮はカクヨムの底辺作家なので枯れ木も山の賑わいにしかならんけどな。前回の時同様に自縄自縛で連作にもチャレンジしてやろうじゃねえか。


 >3月4日 12:02

 Uターン? おいおい。これはどういうことだ。意味が分からねえぞ。上司に圧力をかけられ過ぎて、このままだと退職して実家に帰っちゃうぞ、っていうメッセージか? そんなわけはないな。うーん。分かったぞ。サイトを立ち上げた頃の初心に戻って一からやり直そうってことか。


 まあ、4年も経つとフレッシュさが無くなってマンネリ化するよな。うんうん、分かる分かる。事業を立ち上げたのはいいけど、迷走しちゃってどこを目指しているのか分からなくなるやつ。でも、やめられない止まらない。どこかのお菓子のキャッチフレーズになっちゃう事業。カクヨムも大変だな。


 >3月6日 12:00

 拡散する種? なんじゃそりゃ。うーんうーん。なるほど。そういうことか。皆勤賞狙いの参加者が想像以上に多くなりすぎちゃって、なんとか難しい題にして数を減らせって上司に命令されたんだな。お気の毒に。きっと28時ぐらいまで会議室で企画会議をやってて、あーでもない、こーでもないってやったんだろうな。


 疲れて柿の種の袋を開けたら、ざざーってこぼれちゃって、それを見た声のでかい人が拡散する柿の種とか言っちゃって自分でウケて、これでいこうみたいな感じだったんだろうな。それぐらいの時間に会議するとそういう事故は良く起きる。最後に他社の商標はマズイっすよってなって、拡散する種になったと。


 >3月8日 12:10

 そして、最終回。どんでん返し。これはさっぱり分からないな。この俺をもってしても見抜けないとは……。やるな、カクヨムの担当者よ。


 >3月10日0:00

 おわた。


  ***


 【カクヨム運営事務局からのお知らせ】

 KAC2020 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2020~は好評により3年間延長します。毎日12:00にお題を発表して締め切りは当日の24:00。皆勤賞は全部のお題をクリアした場合に授与されるという条件は変わりません。引き続きチャンピオンシップ2020をよろしくお願いします!

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