第15話 感情と欲望
小吹ちゃんは着痩せするタイプなのかなと思いつつ私は華憐の下着探しへとまた目を下着にむける。すると目に止まったのは青い花柄の下着。私はそれをつけている華憐を想像してみることにした。
透き通った白いスベスベながらも掴むと手に吸い付くような感覚に陥る肌そこに大きなお椀がひとつ、ふたつ、つつみこまれ、、
「なにを考えてるんだ私はー!!」
どうやら私は自分に対するツッコミを口にしてしまったみたいだそれもかなりの声で。他人から密かに注がれる冷たい視線、「未来さん、、?」と心配そうに見つめる華憐。
(あぁ、穴があったら入りたい)
私は苦笑いを浮かべながらもその青い下着をそっと商品ラックにかけ直した。
それをみた小吹ちゃんがその青い下着を見るや否や奪うように手に取ると目をキラキラさせていた。
「これっ!すっごく可愛い!!未来ちゃんセンスあるじゃん!」
その笑顔が今の私には眩しく、少し痛い。小吹ちゃんは華憐に下着を当てながら片目を瞑ってとてもご満悦だ。
「華憐!これいいじゃん!未来ちゃんの選んだ下着だよ!?」
小吹ちゃんはずずいっと華憐に詰め寄る。その勢いに押されるかのように華憐の身体は一歩、また一歩と後退する。そんな華憐の顔は紅潮しているようだった。
(そりゃそうだよね。こんな店のど真ん中で下着を当てられてるんだから、、)
私は華憐に少し同情したが、あの下着を買ってくれるのではないかと思う自分が確かにいる訳で心のどこかで「いいぞーもっとやれー」と小吹ちゃんを後押しする声も聞こえているようだ。
「も、もう小吹!やめなさいって!買います。買いますから!」
(あ、今言ったね?買うって言ったね?)
私はその言葉聞いて現実で小さく。心の中では大きくガッツポーズをした。
その後、頬を赤らめた華憐とご満悦そうな小吹ちゃんと私とで会計を済まし、誰のせいとは言わないが遅めの昼食を取ることになった。
君がそこにいるのなら RinG @ring-
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