カボチャの約束が、ハロウィンの夜を照らす

ハロウィンは、杏子にとって特別な日。
別れの日であり、出会いの日。
忘れたい日であり、忘れたくない日。

十月三十一日に絡み合う茨の奧にしまいこんだ感情を引っ張り出すのは杏子にとってとてもこわいことで、ずっと見ないフリをしてきた六年間。
引っ張り出してくれたのはハロウィンムードの魔法?
それとも、あの日から連れ出してくれた可愛いジャック・オー・ランタン?
その答えを杏子はもうわかっている。

ハロウィンは、杏子にとって特別な日。
きっと来年は、きっと再来年も、
ずっと希望に上書きされていく、大切な日。



カボチャを隔てて表現する想いが、とても胸キュンでした。