第2回 【色眼ノ使命】―《黒幕》を探し出せ、《赤眼》に狩られる前に―/音乃 様 前編
※イベント内容にもあるようにこれは「分析→評価」の結果であり、決して作品を否定している訳ではないのでご了承ください。
【色眼ノ使命】―《黒幕》を探し出せ、《赤眼》に狩られる前に―
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892320791
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1、物語の総論
●まず、募集要項に書いた通り、作者様がどれくらいの長さで書くことを想定しているかがわからないので曖昧になりますが……
各章にわかれているので、各章ごとに盛り上がりが必要だと思い、それを元に分析しました。(シリーズ物でも単行本一巻毎に物語は盛り上がりと収束があるので)
仮にこの作品が(文字数的に)四~五章くらいの構成だとしたら現在二章ですからまだ序盤も序盤なので的外れな評価になりますが、上手く全体として保管して頂けると幸いです。
・ターゲットとしては「一般的なラノベ層」ですね。そのような印象を受けたので、その観点から分析をしていきました。
・簡単な要約
「平穏な人生を送りたい主人公が、血筋からくる使命に翻弄されつつ、自らの未来を模索していく物語」
と言う印象を受けました。(物語がまだ完結していないので曖昧ですが)
これだけみると主人公の行動原理は明確に作りやすいと思えます。
・全体的にちょっとテンポが悪いのと、シーン(場面)の順番が勿体ない印象を受けました。そしてシーン毎の目的を明確にしていないのかも、と感じました(この場面ではこれを読者に見せる、と言う計画。文献より)
・主人公の内面にもっと葛藤を作って、序盤にちょくちょく出てくる「青眼の僕」をもっと出した方が良いと感じました。もう一人の自分に怯え続ける方が克服した時と、克服しようとする姿、そして覚醒した時にカタルシスあります。
主人公はどちらかと言えやれやれ系統ですが、能力出現条件が「絶望、退廃」がキーワードなので、もっと落ち込みやすいめっちゃ面倒くさい性格にするほうが扱いやすいかなと思いました。
トラウマがあって、ちょっと無気力で、臆病で、日の目を見ない少年。これはそこそこ居るレベルなのでそんなにすぐ絶望するのは説得力が足りない、かも(「絶望」って所謂かなりの極限状態なので、若いとはいえ人間そんなすぐには絶望しないので……)
・物語的に逃れられない「枷」が色目族の使命ですね。
使命なのはいいのですが、何故それが使命たる所以なのかがわかった方が良いと思いました。もし明確な理由があるなら勿体ぶらず、一章の何処かで示せると説得力が増すと思います(シーン的には先生との死闘が適切かも)。
・キャラが凄い能力を得てしまう場合、大まかに「調子に乗る」、「利他的行動」、「隠したい」に分かれると思います。主人公は後者ですね。
主人公の「欠落」は内面は特殊能力がバレたくない(そして恐らく本当は青春を普通に謳歌したい)で、それから来る外面の理由が「静かに目立たなく暮らしたい」でした。(余談ですが、青眼を見られない――つまりマイナス思考にならないようにするだけなら、目立たない様に生きる事への説得力に繋がらない気もしました)
・0ツ眼(プロローグと解釈します)を見る限り能力はそこそこ強力っぽいので(家を破壊する等)、バレたら学校生活が……よりも発現したら「人を殺してしまう」くらい緊張感があった方が葛藤もあるし隠す説得力になると思いました。よくあるコントロールする為の修行イベントも作れますし。
ちなみに主人公はひたすら巻き込まれるだけではダメで、行動する目的が必要ですがそれがもうちょっと早く出てきた方が良いと思います(文献より)。
・殆どの物語には主人公に対する「援助者」が出てきますが、この作品の場合は如月ですね。
援助者は主人公を助ける理由が必要なのですが、ちょっと理由が弱く思います。
過去の失敗からもう青眼を殺させないと言う信念は分かるのですが、緑眼の「相手に信頼」を置く事で能力が出るなら、名家なら余計に「そう育てる(妄信しやすい)」はずで、失敗したからと言ってすぐ勘当って言うのはちょっと強引な気もしました(親に失望されるのは信じるも何もなくなると思うので……)。色目族はマイノリティなので恐らく人手不足だし、失敗したからと言ってさようならはちょっと変だなと(伏線なら別)。
・主人公の日常は学校ですね。定石ならば主人公が血筋の戦いに巻き込まれて、それが壊される展開になります(文献より)そしてそうなっていました。
それには予兆が必要で、ここでは「青い目の自分が見てる」と言うのがそれに当たります。
日常を破壊する具体的なトリガーは「能力の暴発」で、それを持って来るメッセンジャーは「不良の須磨」or「スマホを隠した奴」と言う事になります。
そして物語が転がって行く前には、主人公がその世界に入るのをためらう必要があります(文献より)(この作品の場合、須磨や先生に対して能力を使いたくない、と思うなど。その場合やはり使うととんでもない事が起きる、と言うリスクがあった方が物語にしやすいと思います)
・ここまで来ると、この後主人公は物語的に「禁忌」に触れていくのがプロットの骨組みなのですが(文献より)、三章の始まりまでにそれを見つける事は出来ませんでした。(鶴の恩返しで言う「覗いたらいけない」的な物を除いてしまうシーン)
・少し前後しますが、一章で何がしたかったかが明確に出来ていないように感じました。
設定やキャラも大事ですが、まず「この物語はこういう話です!」と分かりやすく読者に知らせる必要があります(文献より)。それがない限り、読者はいつまでたってもストーリーの主軸がわからず、宙ぶらりんの状態です(結局なんの物語なの?と言う疑問が続いてしまう)。
一章ではキャラ紹介なのか、主人公の能力覚醒なのか、世界観紹介なのか、はっきりしませんでした。キャラ紹介なら後半ほとんど置いて行きぼり、能力ならもっと主人公に絞って内面を掘り下げる(能力について悩む等)、世界観紹介なら如月との絡みや喫茶店の爺さん、不知火、敵(先生)との絡みがもっと必要、など……)
その為、結局主人公は何がしたいのか→物語の方向性(誰かを守る話とか、復讐の話など)が掴めず。長い時間をかけたただの情報提供になってしまいました。
一章では恐らく作者様的にクライマックスは先生との死闘を描きたい、って感じだと思うので、とりあえず一章は主人公の覚醒(血筋の戦いに完全に足を踏み言える)を軸にストーリーを展開した方が読者的に分かりやすいと思います(次章から細かいキャラクターや世界観の設定を小出しに、物語のゴールを設定していく)。
例えば二章は割と不知火メインなので、一章で出す必要がありません。同じ理由で御子柴や委員長も登場させず、できれば存在を臭わす程度で良いと思います。理由はそのシーン(場面)の目的や、物語に出てくる情報は次の情報に繋がっていなければならないからです(文献より)。(一章は主人公の内面や先生との死闘が「山」なので、その他が出てくる必要があまりない)
・先生について「サイコ」と書かれているので一応、サイコ=ヒャッハーみたいな表現はよくありますが、現実にいないのでちょっと引いてみてしまうし、安っぽくて小物に見えます。「羊たちの沈黙」のレクター博士や、最近の漫画だと「メイドインアビス」のボンドルドみたいな「絶対敵に回したくないマジでヤベェ奴」と言う印象=強敵、と言うようなキャラにとっての壁(葛藤要因)に相応しくない気がしてしまいました。
・一章の「閉幕ノ後」はエピローグと考えさせて頂きました。そうすると、情報量がちょっと多すぎる気がします。そして物語終盤(盛り上がりの後)で新情報(喫茶関連)を出すのはあまり好ましくないとされます(文献より)。
盛り上がりが先生との対決だとすると、前半に少しボリュームが足りない為、喫茶店は序盤に織り込む方が良いかもしれないと思いました(主人公が元々通い詰めていた喫茶店で、実は如月の家だった。の方がいきなり出て来てもすんなり受け入れられます)
・一章が終わった時点で主人公がこれからどうして行きたいか明確になっていないみたいです。せめて二章の冒頭にあると良いと思います。読者が物語の終わりを想像できなくなってしまうので(例えばジャンルが「恋愛物」だとしたら主人公を最初から如月と仲良くさせておいて、この子を絶対に傷つけさせない、みたいな具体的な目標があると「如月が危険な目に遭うんだな」とか展開を予想しやすい)
・これは余談ですが、赤は青を殺したい訳で、それを守る緑がいる。つまり青は種族的に「弱い」か「貴重」か「重要」と言う事が予想出来ます(そうでなければわざわざ緑が居る意味がない)。となると、赤的に青の殲滅が優先なのは分かりますが、警戒すべきは戦闘力が高いであろう「用心棒」である緑なので、その描写がもう少しあった方が自然かなと思いました。(げ、緑眼かよ……みたいな)
・一章終わりで物語の敵は恐らく赤眼族なのだろうと漠然に予測が付きますが、物語のゴール(まだない。主人公の目的がまだ知らされていないので)を遮る明確な敵ではなく、ただの脅威で終わってます。勿体ない!
・二章。
不知火の正体を明かす前に、もっと絡みが欲しいと思いました。
せっかく図書委員と言う肩書があるので(ほとんど使われなかった)二章の初めはその路線で行った方が不知火に自然と繋げやすかった気がします。そこからちょっと仲良くなって……からの放課後デートですね。
不知火は結構重い過去があるので、もう少し挿話を組み込んで感情移入させてから、戦闘に踏み込んだほうが良いように思います。ちなみに、私がこの作品で一番好きなのは不知火です(どうでもいい)。
・二章の終幕まで来て根幹の話が全く進んでないのはちょっと不味い気がします。
ちなみに物語はシーンとシークエルの連続らしいです(文献より)
シーン(場面。出来事や行動、葛藤部分)はつまりイベントで(この場合先生との死闘)シークエルはシーン後の心理描写です。
長期に見れば一章が動的なシーンで二章がシークエルですが、ちょっと次のイベント(不知火との戦闘)までが長すぎる気がします。(長すぎるのが悪い訳ではなくて、読者が別の作品に行ってしまう可能性が高くなるので勿体ないのです)
・そして最終的に二章で物語的な進展はほとんどなしでした。(主人公の内面的な成長はある。こっちは死ぬ程称賛します)スマホ事件も不透明のまま……。この時点で十万文字以上経過しているので、さすがに主人公の確固たる目的(もうちょいで定まりそうですが……)や、物語のゴールが示されていないと読者が離れるかもしれません。
・初期のスケッチブック設定はあまり使われていない+伏線もないっぽいので、いらないかもしれません。
・烏丸は主人公の特殊能力を知っているので、もっとアクションや絡みが欲しいです。ほんの少し絡んできますが、二章が終わるまで出番がないのは少し不自然に思います。(きっといい奴なんでしょ?知ってる)
・これはプロットとは関係ないので、どうでもいい事かもしれませんが……文献で見た気がするので一応。ネタとして「固有名詞」を出す場合、安っぽくなるのでやりすぎない方が良い、とされます。
シェイクスピアとかシャーロックホームズみたいな世界中で知られているネタは良いのですが、SIROBAKO等はちょっとサブカルすぎる気がします。知らない人は「?」となる危険もあり、置いてきぼりにされる事があるので……(ちなみに私は矢野が好きです。映画見に行きたかった……)
・さらにもっと関係ないので記載するか迷いましたが、ご存知かはわかりませんが、恐らく意識して奇数で用いている「…」ですが、これは偶数が基本で、奇数で使用する事は普通ありません「……」とか「…………」みたいに。(個人的にどうでもよいルールですけど、一応……)個人的にはこういう自由の場(WEB)で信念があって奇数を用いているのであれば、全然構わないと思います。
あと「」内の文の最後に句点は必要ありません。「~である。」ではなくて「~である」と、するのが一般的です。
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2、各論
・恐らく0ツ眼(プロローグ)はもっと短く終わらて良いかもしれません。(うんこ漏らすエピソードなどは後のストーリーにかかわらないのでカットして、怪奇現象がある的な話から烏丸に見られるシーンに飛ぶ、くらい)
理由は主軸の物語が始まる前の事前情報(プロローグ)は無くていいか、めちゃくちゃ短い方が無難だからです(文献より)
●3話
伊達、日向、最上とクラスメートの名前が出てきますが、今後ストーリーに関わらない場合完全に「モブ」ですので、名前を付けてあげる必要はありません(文献より)。
●4話
>「…水無月、どうしたの…、その『眼』。」
ここは主人公がめちゃくちゃ慌てるくらい「青い」のに、烏丸は落ち着きすぎな気がします。いくら落ちる居ている「ゾンビ」でも、さすがに十二歳の中学生ですので……(伏線ならありです。そして私は伏線っぽいと思ってる)。
●5話
・主人公の性格が良く分かる回です。能力を見られたくないと言う「秘密」から心を閉ざし、平穏に生きる事を目標とする。後に出てくる「完膚なきまでの平穏」をこの時点で完璧に成しています。「どこのコミュニティともそこそこに付き合う」と言う、実はコミュ力抜群でめちゃくちゃ器用な少年です。顔色を伺い続けて生きて来た賜物とも言えるかもしれない。
秋が好きだ、と言うのも心情を良く表しています。現状は春の様に温かくも、夏の様に盛っても、冬の様に冷え切っている訳でもない、切なさを感じさせる季節が好きと言うのは頷けます。
そして、実際は後に出てくるキャラ「不知火」と関わった時に「自分と同じだ」と主人公は共感するので、内面では「受け入れられたい」と思っている事が発覚します。能力がなければ僕だって……と言う等身大の高校生が現れて、とても人間味のあるキャラクターになります(もっと後の話ですが)
・恐らく、この冒頭の文で主人公の「平穏」は壊されて非日常に誘われるのだろうな、と予想出来ます。定石通りの導入です。
●6話
・ここで神代が出てきますが、三章が始まってもまだほとんど関わりがないので出すタイミングが早すぎる気がします。一章の軸となるストーリーにまるで関わって来ないので、神代が大きく関わってくるときにがっつり出すべきで、「元気な委員長が居る」くらいの存在を臭わすだけで良いと思います。物語に出すのであれば小道具一つだろうが意味がある物でなければならないみたいです(文献より)
・>「――先週の金曜日、水無月君は風邪で学校を休んでいただろう? その日帰りのホームルームで、文化祭の出し物のアンケートをみんなに書いてもらったんだ。」
ちょっと説明的な喋りで、不自然な気がします。「この前休んでただろう。その時のアンケートだ」くらいがスマートです。理由はキャラには極力喋らせない方が美しいからだそうです(文献より)
休んだ事、金曜日、これも何か意味がないと構造上必要がなくなります。読み進めた所、特に休んだ理由がなかったので(あるとしたら十万字以上後に出すのは遅すぎるかも)主人公に休ませる説得力のある理由が必要です。
不知火と神代に共通点を持たせる、キャラ紹介するため「だけ」に休ませたのであればご都合主義になってしまうので、別の方法を取った方が良いと思います。
そして文化祭ですが三章よりまだまだ後になる伏線だと思うので、ここではなく文化祭が出てくる手前の章のエピローグとかで出すと丁度良いと思いました。
・須磨、藤原、難波
のゴロツキが出てきますが、藤原と難波はほぼ物語に関わって来ないので(今後もないのであれば)この二人も名前はいらないです。
・さらにここで不知火も出てきます。一章では関わりがないので(ミーティングもないので)、神代同様存在を匂わせるだけで良いと思いました。この回はキャラ紹介、と言う作者の意図が見えてしまう気がするので一話に新キャラを詰め込むのはあまり得策ではありません。(文献より)(例外的に、出したキャラがちょくちょく活躍するなら大丈夫みたいです)
・ここで登場する「青眼の自分」が本当はもっと出すべき、超超超重要な存在だと思います!!
主人公にとっての悩みの種、もう一人の自分、影の自分、本当の自分、主人公が成長し変わって行くのに物語全編通して理解、受容しなければならない枷であり真の乗り越えるべき壁です。
何かアクションを起こそうとするたびに「彼」が邪魔をする「敵」であり、使命からの困難を打開するには結局「彼」に頼らなくてはいけない「味方」でもあります。
使命(物語のテーマ)に関わる重要な部分では絶対に出して、青眼の自分(運命)と対話する必要があります。その方が物語の方向性や主人公の変化を描きやすいと思いました。
今の「彼」は「ただ、こっちを見ている」だけですが、今後どんどん行動を変化させていく方が面白いと感じました。(事実、していきますね)
・担任教師が入ってきますが、神代や不知火と違って一章では重要キャラなので逆にもう少し描写が欲しいです。後に出て来た時に描写が入るので、ここで紹介しておかないと不自然かもしれません。
・アサクラ、イチジョウ、オリベと名前が出てきますが、これも同様に今後出てこないなら書かない方が無難です。構造上削っても問題ないですし、わざわざ書いてしまうこの書き方は伏線のように見えてしまうので……。
せめて如月の前の人だけで良いと思います。
●7話
・如月の遅れた理由ですが、「家の仕事を手伝っていたら、少し遅れました」とあります。後に家を追放されているのでこれは嘘になる訳ですが(もしくは嘘でないとしても)その理由や経緯が一向に出てきませんでした。あるとしたら物語に関わる事である必要があるし、せめて一章で完結させておくべき話題です。
もしかしたら如月を際立たせる演出なのかもしれませんが、説得力のある遅刻の理由がないとご都合主義になってしまうので……。
●8話
>僕のミッションは赤子の手をひねるよりも簡単だ。
主人公の「完膚なきまでの平穏」の、常に細心の注意を払っている中の「唯一の慢心」です。このたった一行が次に起こる事態の伏線になっていて、巧いなと思いました。
・スマホ事件が勃発します。これが所謂物語が始まって行くキーイベントになる訳で、つまりこの「スマホを誰が隠したのか」は物語の主軸になって行くはず……なのですが、ストーリーの中であまり触れられていない為主軸になり得ていません。
しかも後に出てくる「先生にチクったやつ」が黒幕、と何故か話がすり替わっているので、スマホ事件の犯人を常に話題に出しながらサブ目的で「チクったやつ」を探すべきに思います。
この時点からスマホ事件をずっと追うスタンスにしておけば、総論で書いた主人公の外的な目的と物語のゴールが読者に伝わっていたと思います。
ただし犯人が出てきていないのでわかりませんが、スマホを隠した理由がかなり謎です。仮に主人公の能力を確かめる為だった場合、いささか理由が弱いですし……(盗難の容疑だけで絶望はしないかな、と)。
●9話
・これまで見て来た主人公の性格的に、常に顔色を伺っているがそれは臆病と言うよりは秘密がバレたくない為。達観していて少し無気力だが器用に立ち回っている。なのでやれやれ系ではあるが不知火のように内向的と言う風には見えません。なのでここはやっぱりまず「ぼ、僕じゃない!」と言えるキャラクターだと思えます。
仮に言えない場合→トラブルにかなり弱く、超かなり流されやすい性格、等を解釈に入れる事にしました。が、やはり違和感が残ってしまう展開でした。
●10話 くそエモい回。ここをみて作者様天才かよ……って思いました。
・まだまだ早い気がしますが、神代の初登場はここでも良い気がします。存在を匂わせて置けば「あぁ、さっき言ってたキャラだ」と読者がわかるので。(その場合一章に絡めていく必要がありますが……)
神代程の熱血漢なら二人が言い争っている時点で止めに入りそうですが「あえて見ていた」んでしょうか(スマホ事件の犯人か仲間か!?)。伏線ならありですが、そうでないならばもう少し早めに介入してくると思います。
・ここで「影の自分」はじっとみているだけではなく、「ニタニタ笑っている」訳です。この後「彼」が何かしでかすのだろう、と言う予兆を与えてくれるので緊張感が出る良い演出だと思いました。
・須磨ですが、カっとなったくらいで襟首を締め上げる猪野郎かと思いきや、引き際をわきまえる冷静さ(一旦怒りを抑える)を持ち合わせているのでただの馬鹿じゃない事が伺えます。狂暴なだけならまだしも狡猾さが加わると厄介極まりないので、悪役としては適任ですね。(後にいやらしい敵として出てきたりしそう)
・これはキーイベントなので本来ならこのまま能力を発現するべきなのですが(持ち越すべきではないシーン)教室では状況的に厳しいと思うので最初から舞台を変えるべきでした。(文献より、各シーンは目的にそって適切な舞台で行われる必要がある)
長さ的にも三幕はいる前にここで能力発動くらいが丁度いいので(一章での起承転結で言う、起が終わる辺り)、少なくとも次章からいきなり校舎裏のシーンに飛んだ方がテンポが良いと思います。(文献より)
・>実際、僕は烏丸に対して怒りも失望感も何も感じていなかった。
これ、ここが現代文の教科書に載るくらい深いです。明らかに主人公は「何も感じなかった」と「自分に嘘をついて」います。
小さい頃から自分を見捨てなかった理解者、他人に踏み込まないと決めつつ心の底では唯一信頼している存在が「傍観していた」訳で……本当は助けてくれなかった事にそれこそ絶望するくらいショックを覚えているはずです。強がっているのです。でも絶望やマイナス思考を抑え込む事に慣れているからこそ、平静を保てたのでしょう。偉い。
>逆の立場だったら、僕も同じことをするだろう。
この文から見ても「しょうがないよな」と思う事で、無理やり納得しようと思っています。
踏み込んでほしくないから他人に踏み込まない、でも本当は踏み込んで欲しい、理解されたい、したい。でも嫌われたら……と言う主人公の普段からの葛藤が垣間見えます。
そしてここで烏丸との壁を感じる事で、今後踏み入って来る如月がすんなりと主人公の心を埋めてしまう訳です。この心理描写はマジで巧いと思いました。
(余談。烏丸がどういうキャラクターかはっきりしていませんから彼がどう考えていたのか分かりませんが、彼なりの葛藤があったと思うとそれはそれでエモい)
・神代の武勇伝が語られますが、須磨が引いた理由の為だけに書くのはご都合主義になってしまうので、何故引いたんだろう(伏線)くらいに留めて置いて、神代が関わってくる章で出した方が際立つと思います。(強キャラ設定を忘れちゃう可能性もあるので……)一章でそれを体現する様な出番もないので、省いていいかもしれません。
●11話
この辺りの妄想は伏線でない限り全部削って大丈夫かと思われます。「マイナス思考にならない術」もこの後あまり出てこないし、構造上ここで紹介するのは不自然で、能力の紹介と共に最初に出した方が自然かなと思いました(主人公の思考も示せるので)。
この後さらに新キャラが出てくるので、「青眼」も出て来たせっかくの緊張感が跡形もなくなってしまっているので、勿体ないと思いました。
●12話
御子柴の登場ですね。このキャラも同様の理由で、ほぼ絡みがないので一章では存在を臭わす程度が良いです。このシーンで出て来なければならない理由もないので……(ここで彼女の詳しい説明が始まると、彼女とのストーリーが始まるように思えてしまう)。(個人的には二章最後の納豆のシーンで初めてがっつり出すくらいでいいかなと……)
目的があってどうしても出すのであればここは如月とか、烏丸の方がキャラを掘り下げられるので良いと思いました。(キャラが多いので、初見では正直この時点で不知火の名前、忘れていました……)
御子柴は悪戯好きらしいですが、その説得力ある理由が必要です(おもしろそうだから、だけでは薄っぺらい。後で出てくるのであれば聞き流してください)
キャラの性格は「過去の逸話」ではなく「現在の逸話」で出す方が印象に残るらしいです(文献より)。過去の話だと読者が「へぇ」で終わってしまう可能性が高いので、破天荒である事だけ書いておいて、この後の展開でそれを魅せる方が衝撃的です。(目の前で煙草を食べてみせるとか)。
●14話
・本当はもうこの辺りでそろそろ物語の明確なゴールと、主人公の目的、行動理由が欲しくなります。(主人公はまだふらふらしていて、キャラもたくさん出て来て、話が何処に向かおうとしているのかが知りたい)
・御子柴ですが、おもしろいことが好きならその場に立ち会わせる事の方が自然で、やはりこの場で退場させてしまうと何をさせたかったのか意味不明でした。(どうしても一章で人物紹介したいならタイミングは教室で、須磨に絡まれている主人公にぶつけるとか、でしょうか……クラス同じなので)
・須磨が一人で来たので、取り巻きの二人について考えさせられました。
いくら不良とは言え、人を呼び出し機嫌が悪い程度でリンチするのはかなりヤバいやつです。災害に近いです。その友達である二人は同じくらいヤバいやつか、付き合いで一緒に居る可能性が高い。
そして一緒に来ないって事は、やはり付き合いで一緒に居るのかなと思いました(同類なら一緒にリンチしてきそう)。
今頃教室でお昼ご飯を食べながら「あいつマジでボコりに行ったよ。ついて行けねぇわ」と言う取り巻き二人の会話が頭に浮かびます。そう考えると須磨がちょっと可哀想(クズだけど)。
●15話
・待望の能力発動。しかしここですんなり能力を出してしまうと勿体ないと思いました。ここで先ほどニヤニヤしていた影の自分の出番です。
不良で最悪な奴とは言え相手を傷つけるのは不味い(できれば殺してしまうくらいヤバい)と思う自分と、この絶望を解放する為に俺を使えとせまる「青眼の自分」を対話させるチャンスでした。一人称なので時間軸気にせず葛藤を書き放題です。
そして悩みに悩み抜いた結果、意図せず能力が漏れ出てしまう、の方が緊張感があるかなと思いました。(力が欲しいか――!的なベタな展開ですが)
・>「…て、てめぇ……、『何しやがった』……ッ!」
この不可解な状況でボタンがはじけ飛んだ時に「相手が何かをした」と判断するのは不自然な気がしました。(細かすぎる気もします……)
・覚醒の影響で冷静な主人公ですが、やっぱり青眼の自分(影の自分)との対談後にこうなった方が「特別な変化」と言う感じが大きく出ると思いました。
そして一章中盤~終盤にかけての覚醒なので、ギリギリ遅いかもしれません(文献より。盛り上がりは一つの物語に三つくらい必要)。
●16話
・ちょちょ水無月君凹みすぎ!凹みすぎ!能力を開放してしまった事でどんどん落ち込んでいく訳ですが、これだけではちょっと沈みすぎな印象を受けます(めちゃくちゃ精神不安定なキャラ設定だったらありですが)。
それこそ須磨をぐちゃぐちゃにして殺してしまったくらいの絶望が欲しい場面です。
>『守りたいものがある』からこそ、『いつか失ってしまうのでは』と
沈んでいく中で主人公がさりげなく呟く台詞ですが、二章まで読むと完全に伏線になっているとわかります。何も求めない様にしていた主人公に、今後「守りたいもの」が現れ(如月なのか、烏丸なのか、色眼族なのか、別の何かなのかは分かりませんが)それを「失ってしまうのでは」と恐れる日が来る事を暗示しています。
日常を脱するキーイベントとして完全に目的を果たしています。
●17話
>――残念だけど、あなた、殺されるわ
このセリフですが、読者の気を引く為だけの台詞に感じます。緑眼の使命を遂行しようとする如月としては不適切で、如月は青眼を二度と殺させない、という強い信念があるので「あなたを絶対にが殺させない」等、強い台詞を使う気がします。
●18話
・一時的に如月が居なくなりますが、主人公の命が狙わる危険性があるのにもかかわらず行方を眩ます説得力ある理由がありません(のちにストーカーまでしているのに)。これについての理由が弱い(後に服を取りに行っていた、とあるが昼休みから放課後まで戻らないのは不自然)ので、主人公と先生を二人で会わせる為に欠席させたご都合主義になってしまいます。
・下校時間をとうに過ぎての呼び出しはちょっと不自然かなと……もっと別の方法で対峙しようとすると思います。それと、先生は殺そうとしているので校内で大々的に呼び出せば犯人がモロばれです。ここは下校途中にいきなり襲い掛かる、等の方が確実に仕留める意味でも無難な気がします。(担任なら両親が居ないと言う家庭状況も知っているだろうし)
●19話(ここは全体的にちょっと揚げ足取りみたいになってますが、一応整合性も分析に入っているので……参考程度に見て下さい)
・体育館にはバスケ部もだれもおらず、「今日はどちらも休みなのだろうか、やる気の無い学校だ」
これは早く帰る様に、と言う放送があったとか、部活が停止する理由がないとさすがに変です。野球部はやっているみたいですし……。この後戦わせるために無理やり生徒を捌けさせたと言う、これもご都合主義に見えてしまいます。
・ここでスマホ事件に触れますが、重ね重ね、やはりちょっと触れるのが遅い気がします。主人公的にはいっぱいいっぱいでも、体感の速い読者的には「あの件は?」と言う疑問がずっと続きます。歯の奥に物が挟まったまま食事を続ける感じです(どうでもいい比喩)。
・担任教師なら下校前のHRで会っているはずですが、ここでジャージに気付くのはちょっと不自然です。
・烏丸も神代も(特に神代は頭が良い設定なので)プールが張っていない事に二人とも気付かないと言うのは、もしかしたら変かもしれません。
●20話
・ポルターガイストっぽい現象と、第三者の告げ口だけなので、この時点で青眼であると判断する事、そして青眼が須磨の可能性も考慮すると正体をばらすのは尚早すぎる気もします。(読み通した感想的に先生ってちょっとアホの子の感じありますよね)
●21話
・>不思議と恐怖は無かった。
つい数行前まで「『生』を求める僕の本能が、砕けた腰を超高速で接骨する」とめちゃくちゃ生き延びようとしているので、ここでいきなり諦めてしまうのはちょっと変です。
できればここでも、青眼の自分が出て心の声と葛藤するのが良いと思います。
炊飯器を投げつける訳ですが、折角の色目族同士の初戦闘なので、できれば能力を出してポルターガイストで攻撃した方が良かったかもしれません(一度能力を発動しているので、ここで嫌々ながら能力を出してもそこまで違和感はないと思います)。
逆に能力を出さないのであれば、やはりここでも須磨の時は能力を抑えようとしていたが、逆に先生の時は出したいけど出せない、的な内面の対比が欲しい気もします。
●22話
・後を読むと先生は実は刃物を持っているので、殺傷能力が低いバスケットボールをわざわざ武器に使う理由はないかなと感じました。
・体育館が結界になっているので、如月がどうやって侵入したかを描写した方がいいかもしれません。
●23話
・如月が緑目なら、初見の主人公も先生もうちょいリアクションある方が自然です。多少は驚きますが、あたかも知っていたような感じで流れて行くように感じたので、如月が緑眼だったことの読者の驚きが薄れてしまうように感じました。
・やはり、公になってはいけない存在(色眼族)が体育館で戦うのは違和感が……。やはり先生が阿呆すぎるように映ってしまいます(文献で言うと適切なシーンの舞台)
●24話
・>「プログレッシブ・メタルとミクスチャー・ロックを混ぜたみたいな」
主人公が水無月が音楽に詳しいと言う情報はないので、いきなり一般的でない表現はちょっと微妙かもです(一般の高校生はプレグレ聞かないですよね……?多分。ちなみに私は好きです)
趣味で絵を描いているのでどうせなら一般人が見た事のないような絵画とか、色の名前等を混ぜるなどの表現の方が納得いくと思います。
●26話
ここは非常に勿体ない展開です。
・主人公は須磨に「僕じゃない」と言えない程度には臆病で、かつ流されやすい性格っぽいので、この場で無謀にも飛び出すには説得力に欠けます。逆に死ぬかもしれない状況でこの積極的な行動ができるのであれば、スマホ事件の時に「盗んだのは僕じゃない!」と怯えつつも言えると思いました。
ここではその場でブルブル震えたまま「何もできない僕はなんてダメなんだ」とマイナス思考を続けて……須磨の時とは違った価値観を持って、完全に青眼に力を委ねる形で、能力を発現。それで戦いに行く方が熱いし(ようやく主人公の出番!って感じで)、説得力がある気がします(でもこれは主観)。
このあと結局主人公は能力を使わないまま終わりますが、さすがに拍子抜けする気がしました。ここはキーイベントからの、日常には二度と戻れない、非日常に飛び出した記念すべき初戦闘なので、主人公が勝利で飾るのが定石な気がしました。内面が変わっていくきっかけにもなるので。
如月はあくまで「賢者」的立場(文献より。ジブリで言えばトトロや湯婆婆、知恵とか力、技術を与える、教える役割)だと思いますし、メインはやはり水無月なので、彼の活躍をもっと描いた方が良いかな、と感じます。
●28話
>そのままCDアルバムのジャケットに出来そうなくらい。
ここも絵で例えた方が良いかもです、主人公絵描き設定なので……(細かすぎるかもしれない)。
●29話
・ここで結局学外に出るなら、二十八は丸ごとカットできる場面です。シーンの目的が見当たらないので……(文献より)。
・>「…言ってなかったかしら」
二人は前から親しい感じではないので、明かに言っていないと思われます。ので、如月が男の子を家を呼ぶ事への、もしくは喫茶店に住んでいる事への照れ隠しかなと判断しました。可愛い。
●30話 はいここも現代文の教科書に出ます。
・>基本的に『アイサツ慣れ』をしていない僕はしどろもどろになりながら、
どのグループにも顔を出す器用さ(コミュ力)を持ち合わせているので、初対面でも上手に挨拶出来そうな気もします。
・ここの喫茶店のシーンの目的がキャラを立てる事であれば正解なのですが、プロット的にここでやるのは明らかに遅すぎます。これがもっと序盤~中盤にある方が如月に感情移入できるので、先生との死闘の際にもっと緊張感を生み出せると思いました。ここは如月が可愛いシーンなので、ほんとに勿体ない。
・『人には踏み込んでいけない領域がある』と、改めて、学習した。
教科書と言うのはここ。
これも実にエモい台詞ですね。最後の行に持ってくる辺りも、余韻を含んで素晴らしいと思いました。
これは言葉の裏腹に「この子なら踏み込んでも良いのかもしれない」と言う事を本人は意識していませんが、徐々にそう感じている気がします。
これより前に主人公は「>の体温に包まれるみたいに、張りつめた心が綻んでいく――」と、言ったり、如月の天然さに調子を狂わされつつ(烏丸意外との突っ込んだ会話)この場を明かに居心地よく思っています。
如月へ「趣味?」と踏み込んで行くことが、なによりの証拠です。以前ならあり得ない行動、これはイベント後の主人公の成長を表しているので、定石通りだと思いました(文献より)
これは余談ですけどせっかくの喫茶店なので、ゴスロリ意外にもメイド服とか来てもらって店員さんをやって欲しいですね。如月がご主人様って言うの見たくないですか?(誰に言ってる)
●31話
・「…あなた、『何故、何も知らないの』?」
この疑問がある場合、前の「色目族よ」より先に来るのが自然かと思われます。
・>僕は、『小さい頃』の記憶が無いんだ。
これは結構重要な過去なので、せっかく序幕もあるのでできればそこで暗喩したいところです。暗喩して「記憶がないのかな?」くらいに読者に思わせておいて、ここで「あぁやっぱりな」となった方がぽっと出感がなく説得力あります。
ここまでは「能力について悩んでいた主人公象」の為、『不幸な出で立ちの人間』については「大したことのない悩みなのかも」と読者に思われる危険がほんのり漂う気がします。
●32話
・――口の周りにチョコレートのクリームを付けながら。
きゃわたん。
・>『フツウの眼』を持つ人達に紛れて、ひっそりと生活をしているわ
やはり色目族の方々はそう言う事(マイノリティ)らしいので、先生のあの暴走はちょっと現実味がありません。須磨くらい狡猾な振る舞いをするべきかと思いました(赤眼族では異端児だっただけで、あれだけ焦っていたように見えたのも、使命と別に何か理由があったと言うのであれば話は変わってくるのですが)。
・>『抹茶のロールケーキを食べる』のに夢中で
やっぱり緑色が好きなのですかね。と予想。
●33話
・>僕は『マイナス思考』に囚われられないように、周りとの関係をシャットアウトするように生きてきたんだ。
ここの理論が少しわかりにくい……と感じました。主人公は青眼がバレる事を恐れて関係を絶っているので、マイナス思考に捕らわれる事と友達を作らない事がイコールで繋がりにくいと感じてしまいました(私の読解力がないからかもしれない)
・色目族の事、能力の事、使命の事、ちょっと説明が被るのと、読者が知っている所を喋らせ過ぎな気もします。
例えば、>『色眼族』は、『眼の色が変化している時』に限って、いわゆる『超常現象』…、のような、『不思議な能力』を発生させることができるの。
など……。その為テンポが悪くなっている気がしました。
・>如月さんに、ある種『愛着』すら感じていた僕だったが、
これについてはまた後で語りますが、この時点で同じ種族と言う事もあってか、もう完全に心を寄せていますね。今まで周りに壁を作って来たキャラクターとしては急接近しすぎな気もしますが、それだけ「関係」に飢えていたのだろうと感じます。
つまりこの心地よい「関係」に脅威が迫った時、主人公は無我夢中で守ろうとするだろうな、と言う展開が予想出来ます。
●34話 はいここも教科書乗ります。
・ここのシーンの目的は青眼の使命などの説明だと思うので、『爆笑・ドレッドヘア・バトル』のくだりは場を和ませるか水無月の意識を逸らす為に言ったのかもしれませんが、説明が長く話が中断されるのでテンポが悪くなります。伏線でない限り、カットしてよいと思いました。
・>基本的に『コミュニケーション能力が低い』僕は、
主人公は自覚していないみたいですが、「教室のどのグループにも軽く顔を出す」のは誰にでも合わせられるって事なのでかなりコミュ力高いです。すぐ後に出てきますが成功体験のない主人公は、自己肯定感が低い事を伺わせます。
・>いずれつかみ取る『成功』が自信となり…、『プラスの循環』が原動力となって、開拓者のように己の道をズンズンと切り開いてゆく。
今後主人公が物語を通して「成功をいずれつかみ取る」事を隠喩しています。そしてその背中を押すきっかけになるのが恐らく如月なのだろうな、と言う事も予想出来ます(ですよね?)。
・最後、チクった生徒に触れるのであれば、スマホについても触れておいた方が自然だと思いました。と言うか物語の発端になった事件なので、触れないといけない部分です。
・>明日からの戦争において、頼りになりすぎる、僕の唯一の『協力者』に向けて。
教科書はここです。最後にこれを言うのは、めっちゃ巧いですね!
主人公は意識していないみたいですが、「唯一」と明言しているので、ここで完全に心の拠り所は「烏丸」から「如月」に代わった事を告げています。
キーイベントであり、烏丸との距離を明確に感じるきっかけにもなった、スマホ事件。あの時にもし烏丸が「助けていたら」全く別の展開になっていたかと思うと、中々感慨深いプロットだと思いました。
と言う訳で総論の通り外面的な進展(物語の進展)はあまりありませんでしたが、主人公の内面的進展(キャラクターの成長)は上手く進んでいると思います。(文献より)
青眼の自分との葛藤や絡みと、戦闘での成果があれば内面は文句なしの一章だと思いました(偉そう)。
次から二章の各論ですが、このままでは長くなるので次に行きます。
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