あいつとアイツ

こぺるにうむ

第1話あいつとアイツ

一体どこで無くしたのだろうか。いや、失ったのだろうか。

昔から臆病で弱虫だった幼なじみの會津健太。

私はその苗字から會津健太のことを”あいつ"と呼んでいた。


だけど最近、あいつがあいつじゃ無くなってきてる


高校2年の春

あいつは事故に遭った。赤信号にも関わらず飛び出して行った子供を

助けるために、、、。自分を犠牲にしてまで助けようと思ったのだろう。

私が見つけた時に、子供をかばうようにして倒れていた。

幸い子供にはケガはなく。あいつも無事。

その日のうちに病院に行き、少し足に傷が残っただけで済んだ。

その時、、。少しだけあいつが笑ったんだ。

いやその時にはもう”アイツ"になってたんだと思う。


???「宮本くんっ!?起きなさい!宮本くん、、」

先生の声が聞こえた

宮本咲「はいっ!?あちゃー寝ちゃってたか」

先生「全く君は、、。まだ1時限目だぞ」

くすくす。周りの生徒が笑う

咲(サイアク、、。あいつの事考えすぎて寝ちゃった)


私は宮本咲。時坂高校2年の女の子。

好きな物は、、、。えーと

ん?あいつだ、、。ちょっと話しかけてみますか

咲「おはよ。アイツ」

會津「、、、ん」

咲「昨日のテレビ見た?面白っかたよね特に何何が、、」

會津「、、、ん」

咲「ん、以外何かいいなさいよ!」

會津「「「「「「「「」」」」」」」」」」」

ダメだこいつ。無駄に「」ばっかつけてるだけ。

むしろ言葉出すより「」を使って話すほうが難しくない?

ていうかどうやってんの??


昼。一緒にご飯を食べようかと誘いに行った。すると

咲「おーい。アイツ!一緒にご飯たべよ」

會津「うん。いいよ。いつにも増して元気だなあ」

おかしい。朝は全く話してくれなかったのに。

そう。あいつがアイツになるのは朝だけ。

昼になると元通りになるのだ。

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