異世界に転移してもそこが新たな現実の世界となるだけ…だがそれがいい

異世界転生をテーマとした作品というのは、前世の知識或いは転移の際に所謂『神』のような存在から与えられたチート能力によって、例えば勇者として次々と武勲を立てその結果多くの異性から持て囃されるなどといった、現実世界で味わえなかったこの世の春を謳歌する…そのようなイメージがあった。あくまで自分の狭い見識による偏ったものではあるが。

だが、この作品は上記のようなことが一切なく、異世界に転移したところで結局はそれが新たな現実となるだけで、結局そこでの幸福も自分の意思で行動することで掴むしかないのだ…ということを思わせてくれ、他のあらゆる異世界転生作品へのアンチテーゼであると感じられ、とても好感が持てている。

どんな世界に、どんな場所に生きていようと、結局のところ人生とはまさに選択の連続である…同じように感じている人にこそ、是非読んでいただきたい作品だと思う。

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